【滝本工務店】ア・パーフェクト・クラフトマンimage_maidoya3
「女のコなのにどうして大工に?解体作業やボード貼りもあるから、汗まみれ、ホコリまみれになる仕事だよ。給料だってそんなにあげられないし」---そんなことは百も承知。とにかく大工になりたい!ここ新潟で大工として働きたい!熱い思いを面接時にぶつけたのは、身長150cmの小柄な女性、西原波月さん。今から1年半前のことだ。
  兵庫県出身の西原さんは、憧れの職業「大工」を目指し、新潟の工科専門学校に入学。男ばかりの建築大工科で学んだ後、一旦は大阪の工務店に就職した。だが、学生時代を過ごした新潟が忘れられず、帰巣本能に導かれたツバメのようにここ燕市にやってきた。そして専門学校の恩師から評判のいい工務店があると聞き、滝本工務店の門を叩いたのだ。
  燕市吉田に事務所を構える滝本工務店は創業1945年。3代目の滝本社長のもと、10代~60代の6名の大工さんが住宅建築などを手掛けている。面接でのやりとりで西原さんのひたむきさ、地に足の着いた生活設計を見てとった滝本社長は、彼女を受け入れることにした。男社会の現場に女性が入ったら、いい意味で会社の雰囲気が変わるのでは?それにお客さんから見れば女性の大工さんがいたら場が和むし、話しやすいのではないか?そんな考えもあってのことだ。
  ただ、会社も現場もチームワークが大切。3ヶ月間働いて6名の大工みんなが認めたら、晴れて正社員として採用しようということになった。当初は戸惑いを隠せなかった大工さんたちも、西原さんの人柄と仕事に対する姿勢に打たれ、試用期間が終わる頃には全員が認める存在になっていた。
  西原さんはこうして正社員として大工の道を歩み始めた。今回のレポートは、そんな彼女が語る仕事のこと、ウェアのことについて。彼女のように男社会でがんばっているガテン女子の皆さん、またはそんな女子を採用したいと考えている社長さんにはきっと参考になるお話だと思いますよ。
 

滝本工務店
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小柄で可愛い大工女子・西原さん
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裏ボアで暖かいスウェットを愛用
《きっかけはおじいちゃん。憧れの女性大工さんも後押しに》
  「楽しいけど、まだ慣れなくて全部緊張します」と話す西原さん。そもそも、なぜ、大工を目指したのだろうか。
  「おじいちゃんが大工で、おじいちゃんが作ってくれた竹とんぼで遊んだり、工場での作業を見たりして育ちました。そんなおじいちゃんが小学校2年生の時に亡くなって、その時、私もおじいちゃんのような大工になろう!と決意したんです」。
  だが、周囲には女性の大工さんは皆無。自分は本当にできるのだろうか?と不安に思うことも。
  「ある時、テレビで女性大工さんを特集した番組を見たんです。見た目は普通の可愛らしい女の人やのに、現場でガンガン仕事をしてはる。その姿を見て、私にもできるかも!と自信が持てました」。
  今でもその女性大工さんは彼女の憧れの存在だという。
 
  《女性であることで現場で困ったこと、良かったこと》
  「一番のハンディは、力がなくて重いものが持てないこと。材料運びも一人ではできないことがあるんです。先輩に手伝ってもらうと、作業を止めちゃうことになるので気を遣います。その代わりと言ってはなんですが、いち早く周りを掃除する、休憩の時に1~2分早く来てお茶を入れるなど、私でできることを率先してやるように心がけています」。
  逆に、女性であることで嬉しかったことも。
  「リフォームの現場に行った時、施主のおばあちゃんが、“もう少しこうしたいんだけど、お姉ちゃん、あの人に言ってくれへん?”って。その職人さん、いい方なんですけど、いかにも職人さんという風貌で言いづらかったみたいで、“お姉ちゃんに頼んだ方が説明しやすくてよかったわ”って言われた時は、とても嬉しかったですね」。
  もうひとつ、泣きそうになったこともあるというので、付け加えておこう。
  「3ヶ月の試用期間が終わるまであと2日という時、角を曲がる時に対向車を避けようとしてダンプをぶつけてしまって・・・。もう少しで正社員になれるかもしれないのに、“終わった!”と思いました。社長はカタチあるものはいずれ壊れる、と広い心で見てくださったんですけど」。西原さんはハプニングにも負けず、無事正社員の座を勝ち取ったのだそう。
 
  《寒い冬場を乗り切る、6枚重ねの超レイヤード現場服》
  では、ここからはウェアのお話へ。この日も燕市吉田は雪が舞い、外出先の現場から戻ってきた西原さんは、ゆったりめのアウターの下に重ね着をしてネックウォーマーという出で立ち。ふだん現場ではどんなスタイルで作業しているのだろうか?
 
  ●トップス
  冬は6枚重ねですね。インナーはヒートテック。その上に作業用のTシャツや家にあるTシャツを重ねて、上に裏ボアの厚手トレーナーなどを着ています。一番上は防寒ジャケットですが、着ぶくれするのでダボッとした大き目のものを選んでいます。
 
  ●ボトム
  脚が上がりやすく、ラクに動けるニッカボッカが一番です。めっちゃ穴が開いていますが、気にしません(笑)。下には厚手タイツの足先を切ってレギンスのようにしたものをはいています。足先はタイツより靴下の方が好きなので。
 
  ●シューズ
  たびぐつです。すぐに汚れちゃうので安いものを履いています。サイズは23.0cm。お店だとだいたい24cmからなので合うサイズがなく、ネットで買っています。
 
  特に作業用にはこだわらず、手頃なものを組み合わせて着ている西原さん。会社から支給されている上着もあるのだが、「住宅の完成見学会などの時に一人だけ汚れたのを着ていたら恥ずかしいやろ」と先輩に言われて、特別な日のために大切に取ってあるそうだ。
  なお、現在、滝本工務店では現場用、イベント用でそれぞれユニフォームを揃えようと検討している最中。ただ、みんながいいと思うウェアでないと着てもらえないため、年齢の違い、色の好みもあって選定が難しいそうだ。何とかまいど屋でお役にたとうと思っているので、サンプル貸出の依頼など、必要なときにはいつでも連絡よろしく!
 
  最後に滝本社長から一言いただいたので、記しておこう。
  「新潟県内の大工さんは、現在約5,800名。その半数以上が65歳以上で若手が非常に少ない。男性でもなり手が少ない中、これからは女性の活用が絶対に必要になってくる気がします。当社も女性の大工さんが子育てをしながら仕事を続けていけるような体制を整えていかなければ、と考えているんですよ」。
  これは西原さんにとって、何とも心強いお言葉。今後、さらに働きやすくなっていく環境の中、一生の仕事として大工の道に精進し、一日も早く、目標としている「一棟任せてもらえる一人前の大工」になれるといいですね。
 
  有限会社 滝本工務店
  〒959-0214 新潟県燕市吉田法花堂1623
  TEL:0256-93-4844
  http://www.takimoto-ie.jp/
 
 
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女性起用に理解のある滝本社長と
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