【ディアドラ】意識高い系に捧げるユーロ的洗練image_maidoya3
皆さんは普段、どんな靴を履いていますか?いや、仕事用じゃなくて、純粋にプライベートな、自分が自分らしさを取り戻すための時間に履くシューズのことです。ABCマートの特売ワゴンでゲットしたサボサンダルを愛用してるんだけど、それが何か?なんてひとは、恐らくこのレポートを読んでもピンとこないでしょうから、どうか、すぐに画面を閉じてお引き取り下さい。そしてもし今がまだ昼間の時間であるならば、近所のショッピングセンターに出店しているあの店にでも出掛けて、あなたの大好きなセール品を心ゆくまで物色してきてください。未練たらしくぐずぐずと、成就する見込みのない関係を引き延ばし、お互いの時間をわざわざ無駄にすることはないでしょう。ひとにはそれぞれ固有の世界観がある。それを否定するつもりはありません。ですから、まいど屋があなたの考えを尊重するように、あなたもまたこれからまいど屋が繰り広げる、あなたにとっては恐らく鼻持ちならない主張を、どうか邪魔立てせずにそっとしておいてほしいと思います。それじゃ、どうかお元気で。さよなら。。。
  やれやれ、ようやく落ち着いて話ができるようですね。まいど屋へのアクセス数はあっと言う間に半分以下に減ってしまったようだけど、この方が却ってよかったんです。価値観の合わないひとと一緒にいても楽しくないですから。まいど屋がこのレポートで語りかけたい相手は、ある程度、自分なりの美意識を持った、そうだなぁ、今風の言葉なら意識高い系とでもいうべき人びと、つまりそう、さっきのまいど屋の啖呵にうんうんと頷いてこの場に残ってくれたあなたのことです。そんなあなたはきっと、仕事に、そして自分の在り様にプライドを持っていらっしゃる。そして、だからこそ、自分が身につけるものにも並々ならぬ拘りをお持ちである。そうじゃないですか?例えば給料日の後、彼女をディナーに誘った時に履いていく勝負靴にはイタリアのブランドをさり気なくチョイスする。そうするのは、あなたがブランドかぶれしたイヤミな男だからではなく、モノの本質と良し悪しをご自身の基準で判断できる大人の洞察力を備えているからです。
  これからお話しするディアドラは、イタリアのブランドシューズです。もともとは登山靴メーカーとして出発し、その後スポーツ関連に、そして遂にはまいど屋が得意とする安全靴の分野にも進出してきました。つまりあなたは今、日本に居ながらにして、とっておきの休日にしか感じることを許されなかったあの高揚を、現場に向かう平日の朝から味わうチャンスを目の前にしているわけです。<神より賜れし至上の贈りもの>。念のためウィキペディアで確認してみると、ディアドラという名称にはそんな意味が込められているのだそうです。それが誇張ではないことを、もうじきあなたは天啓に打たれた宗教家のように、自身の内にリアルに実感することになるでしょう。世界中で愛されてきたあのイタリア仕込みの色彩感覚、履き心地のよさは、間違いなくディアドラ・ユーティリティ・シリーズの中に再現されています。そしてそれは一度試すとやめられなくなる、極めて中毒性の高い興奮となって、あなたを永遠のリピートのサイクルに閉じ込めてしまうでしょう。
  まいど屋ははっきりと「中毒性」だと言いました。だって、ほら、さっきまいど屋から出て行ったはずのあの意識が低かったひと達も、このブランドが持つ耽溺の罠に絡め捕られ、引力に逆らえなかった衛星が落下するようにまたここに戻ってきてしまっているみたいじゃないですか。仕方がないですね、そんなところから覗いてないで、中にお入りください。それでは、皆さん揃って続きをお読みください。
 

ディアドラ
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取締役営業部長・東京支店長の岡田さん
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歩行安定性に優れた『ROADRUNNER』のソール
話を伺ったのは、ドンケル(株)、取締役営業部長・東京支店長の岡田哲夫さん。約2年ぶりのインタビューである。月刊まいど屋には何度も登場している方なので、自己紹介は抜きにして早速、新商品について語ってもらう。「これが2016年11月に出した最新モデル『ROADRUNNER』(ロードランナー)と『RAIL』(レイル)です。モルト設計を新しくしたモデルで、急いで歩いたり、走り回ったりすることが多い方やドライバーの皆さんのために特別な仕掛けを施してあります」。
  ロードランナーとレイル。やっぱり今回も前例に倣い、鳥の名前が付けられている(ディアドラのモデルには全て鳥の英語名が付けられているのを皆さん知ってましたか)。ちなみに『ROADRUNNER』は日本語で言うところの「ミチバシリ」。ワーナー・ブラザーズのアニメキャラでお馴染みの、ひたすら走る鳥のこと。一方、『RAIL』は「クイナ」のことで、どちらも「走る」「歩き回る」という点でピッタリのネーミング。「就業者の年齢が高くなってきたこともあり、つまずきやスリップによる転倒事故が増えています。このことはデータにも出ていて、転倒による事故は4日以下の休業災害の30%にものぼります。そこで、少しでも安全性を高めていただこうと、新ソールを搭載しました」。
  商品をひっくり返してソールを見ると、パターンによって3色にカラー分けされ、真ん中が左右に少し膨らんだ形をしている。「カカトで接地してから親指に向かって体重移動する際の安定性に優れたソールです。従来のソールは土踏まずの部分をシェイプした形ですが、これはズンドウ型で接地面が広い。また、ヒールが球形なので最初に着地する部分が足に近く、安定感のある自然な着地ができます。運転時もカカトが邪魔になりませんし・・・」。
  紐タイプの『ROADRUNNER』、ベルトタイプの『RAIL』ともにカラーは白と黒の2色。ツヤ感ある表面にはゴルフボールのような凹凸があり、つま先には鮮やかなディアドラマーク、さらにカカト部サイドにもワンポイントのカラーが入り、スマートなデザインになっている。「撥水性のあるディンプルの人工皮革に、刺繍でつま先にディアドラマークを入れています。屈曲する部分に“貼り”で付けると、剥がれが起きるので刺繍にしました」。
  サイズは23cm~と、女性にも対応。樹脂先芯のJSAA B種認定品である。
  さて、続いてはBoaクローザーシステムを搭載した『FINCH』(フィンチ)。月刊まいど屋2015年7月号で既に取り上げているが、去年11月にNEWカラーが出たので紹介しておこう。「新色のレッドとブルーです。当初、オレンジとイエローを出したら派手すぎるという声があり、ブラック、ホワイトを追加したところ、安定して出るようになりました(笑)」。レッドは想像どおりの色あいだが、ブルーは履き口、マーク、ステッチ、ソールにオレンジを使っていて、かなりビビッドな仕上がりに。
  Boaモデルを出した当初、定価1万円越えで大丈夫かな?と思ったという岡田さん。だが、こうして新色を出すくらいユーザーからの反響は大きかったようだ。「Boaに慣れてしまうと、“もう、ベルトタイプや紐タイプには戻れない!”となるようなんですね。手袋をはめたまま操作できますし、足へのフィット感が全く違うから。で、好評なので調子に乗ってBoaモデルをもう1つ出してしまいました」。
  その「調子に乗った結果」というのが、2016年1月発売の『MOCKINGJAY』(モッキングジェイ)。緩急自在リール採用のBoaモデルだ。「『FINCH』のクローザーシステムはポンと押すと一瞬で全開放してしまうのに対し、これは逆回し調整ができ、緩める調節もできます。ジャストフィットの締め具合を探るのにとても便利なんです。定価は『FINCH』より2,000円アップの15,000円。高いので、あまり売れなかったらすぐにやめちゃおうと思ったけど、予想以上によく出て現在に至っています」。
  カラーは深みのあるレッドと渋いグリーンの2色。アッパーに撥水ヌバック革を使用しているのでシックで高級感があり、濡れにも強い。なお、ダイヤルのツマミ中央が黄色いのは、ディアドラカラーに合わせた特注品だからだそう。念のために付け加えておくと、ディアドラ専用に作られたBoaシステムであっても、従来通りBoa社がしっかり永久保証してくれるようなので安心して使えそうだ。「留め金具の取り換えはNGですが、リールの故障、ワイヤー切れは補償対象。工事現場では細かい砂がリールの中に入り込んで噛んだりすることもありますからね」。
  さて、最後は、これから夏にかけてオススメのモデル、涼しげメッシュのローカット『FAIRYTAIL』(フェアリーテイル)とミドルカット『EGRET』(イーグレット)で締めくくるとしよう。「発売して1年半くらいかな。エアメッシュという粗いメッシュを使って通気性を高めています。とはいえ、全部メッシュにすると弱くなるので、合皮や牛クロム革で補強。同時にデザイン性もアップさせています」。
  サイズはともに23cm~。樹脂先芯、JASS A種認定品。なお、『FAIRYTAIL』の黒は、元F1ドライバーの鈴木亜久里率いるレーシングチーム(ARTA)採用モデル。かなり気に入ったようで、昨年に引き続きこのモデルを履いているという。
 
  ・・・以上、機能、デザイン、カラーともにパワーアップしたディアドラの最新モデルを紹介してきました。もうずっと前から本物志向のファンの間でカリスマ的地位を確立していたディアドラが更なる進化を遂げているのだから、今日ここに集まった意識の高い皆さんの目にも、きっと魅力的に映ったことでしょう。いいんですよ、今無理にどれかひとつを選ばなくても。この特集は本日から1ヶ月の間、あなたをいつでもお迎えしていますので、何度でもここに戻ってきて何度でも気に入ったものをお求めください。
  おや、そこのあなたはさっき、一度教室を出て行って、後から戻ってきたいわゆるトライアウト組ですね。かわいそうに、そんなに小さくならなくても大丈夫ですよ。誰にでも間違いはある。若気の至りというのもある。まいど屋は寛容です。出戻りも歓迎です。あなたにもまだまだチャンスがありますから、下記を参考にして一度追試を受けてください。低かったあなたの意識がちゃんと正常化したのか、それから判断させていただきましょう。
 
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緩急自在のBoaモデル『MOCKINGJAY』
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ドンケル(株)本社(埼玉県越谷市)

    

急いでる?いつも現場でバタバタと走り回ってる?ならば足元を固めなきゃ! 自然な着地感とスムースな踏み出しにこだわった最新モデルシリーズ

表情のあるディンプルの撥水性人工皮革に刺繍のマークがキリッとカッコいい、2016年11月デビューの新モデル。カカトを丸くし、土踏まずの接地面を広くしたソール設計で、歩行安定性バツグン。紐タイプの『ROADRUNNER』、ベルトタイプの『RAIL』、カラーはどちらもホワイト、ブラックの2色。サイズ23~29cm、EEE。樹脂先芯、JSAA B種認定品。