【アイトス】まいど屋が悲鳴を上げる神防寒image_maidoya3
仮にあなたが、ある日突然、作業着のインターネット通販を始めようと思い立ったとする。作業服を探しにまいど屋に迷い込んできた俺が、そんなものに興味があるはずないだろうなどと固いことを言わず、まあ、単なる余興、仮定の話としてそんな状況を想像してみてほしい。まず、あなたは業界を調べ、特に外してはならないメーカーをいくつか見つけ出すはずだ。それはそれほど難しいことではない。どの業界でも、○×を取り扱っていなければモグリと言われてしまうような、いわゆるキラーコンテンツは必ずあり、あなたがよほど不注意であるか、ほんの少しの手間さえ億劫がるような人間でない限り、イヤでもそれが視界に入ってくるからだ。
  さて、そうしてあなたは、今やアイトスというメーカーを強く意識するようになっている。何しろ、業界で一二を争うシェアを誇り、ここ数年の成長性で言えば独走とも言っていいほどの勢いがあると噂されているのだから。何を置いてもアイトスだけは押さえておかなきゃ、お客さんからわかってないねと思われかねない。まいど屋とかいうしょうもない店ですら、大々的にアイトスをラインナップしているじゃないか。まずはアイトスだ!アイトスがなけりゃ、店の未来は見えてこない!
  勢い込んで、あなたはアイトスのカタログを取り寄せた。そして、開店準備も始まらないうちに壁にぶち当たることになった。あなたを呆然とさせたのは、アイトスの守備範囲の幅広さだ。まず、そのカタログは、力自慢のプロレスラーが己の怪力ぶりを見せつけるパフォーマンスに使えそうなほどの分厚さだ。気後れしながらパラパラとページをめくれば、ショップや飲食店用のカジュアルサービスウェアから、フォーマルなビジネスウェア、白衣、警備服、シューズやレインウェアなどの小物に至るまで、ワークシーンで使われるありとあらゆるジャンルの商品が目に飛び込んでくる。あなたにとって、それは全くのカオスにしか見えない。メーカーの特徴を顧客に対してわかりやすく、印象的に紹介していくための切り口が見つからない。そして何より、それらを一つの店の中で整理して、興味を示しそうな顧客ごとにプレゼンテーションしていくための効果的な方法がわからない。
  あなたはぶつぶつと恨み言を呟きながら、結局は諦めて挫折するだろう。まいど屋っていう店はそれでも何とかやってるみたいだぞという友人の励ましにはただ首を振り、もっと簡単に、効率的に取り組めそうなメーカーがいくらでもあるさとうそぶくだろう。あなたとまいど屋を隔てる大きな違いは何か。それはあなたが常識的な判断ができる合理的人間であるのに対し、まいど屋はそうではなかったということだ。アイトスを扱うということは、その他のメーカーの何倍ものエネルギーを、店が続く限り消耗し続けるという悪魔の契約なのだ。そうした自虐的状況に自ら飛び込むような選択は、理性のある人間にはとてもできることではない、とまいど屋もあなたの意見に全面的に同意する。
  だが、もちろん、あなたも知っての通り、業界にはその非常識ぶりでまいど屋のさらに上を行くチャレンジャーがたったひとつ存在する。それは、他ならぬアイトス自身だ。あれほどの数の商品群を、彼らは年間を通して維持管理しながら、それでも飽き足らずに今も新商品を増やし続けている。そしてその試みのことごとくが上手く回転し、彼らの勢いをさらに加速させている。二正面作戦どころか、五正面、六正面で全面戦争を戦い、しかも連戦連勝するような組織体を、あなたは想像できるだろうか。一体、どうしたらそんなことが可能になるのか。とりあえず、本編では話が広がりすぎないよう、彼らの取り組みの一丁目一番地である秋冬作業着の中から、特に防寒ギアにスポットを当てて論を進めていこう。話を聞かせてくれるのは商品課の柴山勲さんだ。
 

アイトス
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光電子の『AZ-6169』。モデルは商品課の金沢課長
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こんな動きもラ~クラクできる全面ストレッチの『10307』
「売る物がたくさんあるのは、いいことですよ」。柴山さんはまいど屋の悪戦苦闘ぶりを他人事のように面白がった。「販売店さんがそんなことを考えてるなんて知らなかったです。てっきり喜んでもらえてるんじゃないかと。でも、そう言えば、ウチの営業も同じようなことを言ってるのを聞いたことがあるなぁ。商品を覚えるのが大変だって。まあ、我々商品課の人間は、オールジャンルを扱う営業と違って担当が決まっているので、それほどでもないんだけど(笑)。ちなみに私の担当は防寒、レインウェア、スタッフジャンパーです」。
  そうですか、それはよかったです。専門ジャンルだけを考えればいいのなら、さぞ、集中していい商品が出来上がるんでしょうね。そしてそんな組織的細分化が、あの嫌がらせのような新商品ラッシュを支えてるってわけなんですね。ええ、わかりましたよ。今回は数あるアイトスの防寒ギアの中から、柴山さん「おすすめベスト3」を選ぶんだとか。人気の商品、こだわりの仕様、自慢したい自信作など、選定基準はかなりアバウトでよくわからないけれど、きっと柴山さんの思い入れのたっぷり詰まった商品ばかりなんでしょうね。そしてシーズンたけなわともなれば、それらがまたいつものように神がかり的ヒット作となってまいど屋に問い合わせが殺到するって寸法ですよ、きっと。まったくもう。お客さまからの質問に的確にこたえられるよう、よく勉強しておかなきゃいけないまいど屋の身にもなってくださいよ!
  こちらのそんな本音を知ってか知らずか、柴山さんは商品開発について語るのが楽しくて仕方ないといった様子で、しばらくアイトスが信奉する多品種政策のメリットについて話し続けた。そしてこちらが泣き言めいた懇願をして初めて、ようやく本日の本題である商品解説に取り掛かったのだ。やれやれ。それじゃ、第3位。ハイテク素材「光電子繊維」を中綿に使った防寒ジャケット『AZ-6169』について。TVドラマ『科捜研の女』で沢口靖子演じる榊マリコが現場出動の際に着用していた、S.R.I.の文字が入った、あの赤いジャケットといえばピンとくる方も多いだろう。「当社の光電子シリーズの中でも一番人気です。中綿の一部に超微粒子セラミックスを練り込んだ繊維を使っていて、その輻射熱(体温エネルギーを吸収・増殖して再び体に戻す)で温かく着られます。吸汗速乾性にも優れ、汗をかいても他の綿のように湿気を吸って重くなることがないし、汗ムレ、汗冷えもしにくいんです」。
  表地は防風性があって引き裂き破れにも強いナイロンリップ。肩裏に起毛トリコット、衿にフリースを使い、暖かく着心地よく仕上げている。また、悪天候時にも快適に作業できるよう、耐水圧3,000mmの撥水加工をプラスしているという。「雨合羽的な使い方は出来ませんが、多少の雨雪なら全く問題ありません。急な天候変化にも衿内のフードで対応できます」。
  衿フリースや配色使いによる軽快でスポーティーなデザイン。肩と腰には反射素材。両脇ポケット、胸ファスナーポケットのほか、内ポケットも付いて収納も便利だ。カラーはシックなブラックと、黒配色とのコントラストが映えるレッド、ロイヤルブルー、オレンジ、ライムグリーンの全5色で、好みやコーポレートカラーに合わせて選べる。
  そして第2位。柴山さんが選んだのは、動きやすさをシンプルに追求した防寒ジャケット『10307』だ。防風軽量ストレッチで機動性が非常に優れているので、建設系のハードな現場や倉庫、運輸、デリバリーなど、体をよく動かす業種、職種にもってこいなのだそう。「今の若い方には、重くてゴアゴアしたものはダメ。軽くて動きやすいものじゃないとね。これは、フィルムコーティングといって、ニット素材の裏に液体を塗って防風性を高めているので、全面ストレッチでよく伸び、軽くて着やすい。個人的にも超オススメですよ」。
  すっきり見えるデザインは、さりげなく脇に入れた配色とシームレスの縦ファスナーポケットがアクセント。背裏の上部はフリース仕様で暖かく、内ポケットや反射材も付いて機能性もいい。カラーはブルー、グリーン、チャコール、ブラックの4色で、昨シーズンはブラックが人気だったそうだ。
  それではいよいよベスト1。柴山さんはいったい何をチョイスしたのか?「第1位は、今シーズンの新商品、アームアップ防寒ジャケット『AZ-50115』。昨年出して好評をいただいたアームアップジャケットの防寒バージョンです」。
  2016年秋登場のアームアップジャケット『AZ-50113』は、デビュー直後からユーザーの心をギュッとつかんでブレイクした商品。その名の通り、腕上げがラクにできるジャケットで、脇と背中上部にニットを採用し、前屈みやひねり動作もストレスなくスムースにできる。中でも背中上部はニットと表地の二重構造になっていて、内側のニットだけが動きに合わせて自在に伸縮し、表地はもっぱら風を防ぐことに徹する。
  「ニットの伸縮性を殺さないために、表地と重なり合う部分の両端を縫い留めていないんです。だから、こんなふうに筒状になっている」。柴山さんはそう言うと、背中の二重部分に腕を通してみせた。「軽防寒の『AZ-50115』 も構造は同じで、下にインナーを重ねてもいいように『AZ-50113』 より一回り大きなシルエットにしています。それと、ニットだけでは風を通すので、ニットの裏にPUラミネートを施しています」。
  今秋、『AZ-50115』を出したのは、「10月ぐらいまでは『AZ-50113』でいいけど、もっと寒くなった時のウェアも欲しいよね!」との要望が多かったからだという。軽防寒ではあるが、暖冬気味の昨今、確かに寒冷地以外でなら十分冬をしのげるだろう。
  「お陰様で7月の展示会でも大好評。動きやすさはもちろんですが、見た目のスポーティーさもウケている要因かと思います」と、柴山さんはいつも以上の手ごたえを感じている様子。こりゃ、まずい。インタビューが終わってまいど屋に帰ったら、何を置いてもまず真っ先に社内で勉強会を開かなきゃ。お客さんから、何だまいど屋は、そんなことも知らないのかって苦情が来ちゃうじゃない!
  ともあれ、以上が商品課の柴山さんがセレクトしたアイトスの防寒ベスト3。選考は完全にインタビューイの主観によるものだったけれど、結果的には幅広い職種の皆さんに気軽に着ていただけるアイテムを紹介できたと思う。もちろん、アイトスの防寒ギアはこれ以外にも山ほどあるので、その一部を以下に紹介しておく。ひととおり目を通したら、あとはまいど屋サポートセンターの手を煩わせることなく、ご自身の判断で今冬を快適に乗り切る1着を選んでいただければと思います。そのために、できるだけ丁寧に商品説明をしておいたんだから。だって、本当に大変なんですよ。殺到するアイトス商品の問い合わせに一つひとつ対応していくのは。
 
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腕や背中のツッパリを解消した新商品『AZ-50115』
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『AZ-50115』の背中上部に腕を通す柴山さん

    

イケてるフェイスにシビれちゃう!着心地のよさにクラクラきちゃう!もひとつ安さに感動しちゃう!スタイルのよさと機能性、どちらも真剣に考えて作った8461シリーズ

丈夫なポリエステルツイル素材に180gの中綿を入れてボリューム満点。内衿フリースの二重衿、二重前立て、着脱自在の大型フードと、手抜きのない作りで価格以上の価値を作り込んだ寒冷地仕様の防寒ウェア。携帯電話ポケット、内ポケットなど8つもの多機能ポケットを配置。夜も安心の反射テープ、反射パイピング付き。


遊びゴコロのあるスタイルでワイルドを気取る!シックなダークカラーがオトナの余裕を漂わす!スタイリッシュなエアフォース風の本格仕様、8561シリーズ

マイクロファイバーとトリコットを貼り合わせた、ボリューム感あるボンディング素材に中綿をプラスして、高い防風、防寒性を実現。冷気や雪が入るのを防ぐ二重衿、二重前立。袖ポケットや内ポケットも付いた充実収納に、前後反射テープ、着脱式フードなど機能もしっかり装備。パンツはサイドシャーリング仕様、スルーポケット付き。