【アンジョア】「よそとは違う!」オンリーワンの魅力image_maidoya3
ブランド名、enjoie(アンジョア)がわからなくても「大人かわいい」事務服と言えば「あー、アレね!」とピンとくるに違いない。女性らしい柔らかさを前面に押し出したオフィスウェアを展開するジョアは、じつは制服の名産地・岡山県の会社である。今回の取材では、営業やプレス対応を行っている日本橋の東京オフィスを訪問。通されたミーティングスペースの壁にはカタログに加えて「sweet」「non-no」などの女性ファッション誌がずらり並ぶほか、enjoieコラボバージョンのリカちゃん人形も飾られていて、とっても女子な雰囲気だ。「うちは大手じゃないので、パッと見ただけで『よそとは違うぞ!』と感じてもらえるように工夫しています」と語るのはデザイナーの片山一葉さん。営業グループの薬師寺さんと共に、enjoieの魅力をたっぷり語ってくれた。

アンジョア
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「シャドーボーダー」を紹介する片山さん
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花柄ワンピースは大好評!
●「大人かわいい」の真意とは?
 
   まずは同社の事務服ブランドenjoie(アンジョア)の特色から聞いてみよう。
 
  「女性の仕事は事務だけじゃないというメッセージを込めて、私たちは『しごと服』と呼んでいるのですが、enjoieが目指していることをひとことで言えば『女性のモチベーションが上がる服』です。キャッチコピーの『大人かわいい』に込めた意味は、幼さや甘さではなくて、親しみ・やさしさ・ソフトさといった要素のこと。そういった女性らしさを制服によって高め、働く女性に輝きと喜びを手にしてほしい」(片山さん)
 
  「かわいい」というときゃぴきゃぴした若い子向けなのかと思うかもしれないが、さにあらず。enjoieの掲げるテーマはオフィスでも女性の魅力を発揮するという、考えてみればじつに真っ当な路線なのだ。
 
  「もうひとつのコピー『かわいいおもてなし』も同じで、テンションが高まるような服を着て、女性にどんどん人前に出てもらおう、と。接客担当でなくても、取引先とのやり取りや来客対応など、『おもてなし』をするケースはたくさんありますからね。イメージキャラクターの舞川あいくさんも、笑顔がチャーミングで親しみやすく、やわらかい雰囲気がピッタリということで起用させてもらいました」
 
   そんなenjoieの商品構成は主に3ジャンル。中小企業などの一般事務向け、医療機関やクリニック向け、接客や受付向けと大まかに分けられる。それぞれのジャンルでどのようなニーズがあるのか。薬師寺さんは次のように語る。
 
  「オフィスウェア全体の傾向としては、ユーザーの声を反映してカジュアル化しています。その上で、一般事務向けの場合はファッションのトレンドを求める声が多い。一方、医療事務では、動きやすさやポケットの容量に加えて、色やガラなど、華やかさのニーズが高まっています。そして接客向けの場合は、きちんとした印象を与えるだけでなく、赤や青、ピンクなどのコーポレートカラーでそろえたいという会社も増えてきました」
 
  ●「異色」こそが人気の秘密
 
   英国の老舗ブランド「LIBERTY」とコラボした「ニットシリーズ」も、このようなユーザーの声に応えて生まれた商品のひとつ。ラベンダー・フローラル・オードリーの3種が選べる花柄モデルはオフィスウェアとしては異色。にもかかわらず3シーズン目に入っても売れ続けているヒット商品だ。
 
  「この商品は医療事務など、やわらかい雰囲気がほしい場面で使ってもらおうと企画しました。見た目から、やさしさや安心感を出していこう、と。特にラベンダーは、癒しや落ち着きを連想させる効果があるし、視覚的に安らぐ香りのイメージを味わうことができる。ユニフォームとして採用していただいたのは小さめの医療機関やクリニックなどで、背景には『制服もインテリアの一部』という考え方があります。街中の歯科医院など、よそと違う雰囲気を出したい場合なんかに使ってみてほしいですね」(片山さん)
 
   事務服に花柄をもってきた「異色作」。文字で説明するとかなり変わった商品だと思うかもしれないが、実際に見ると意外とオーソドックスな印象を受ける。こういうのがなんで今までなかったんだろう? という気すらしてくるから不思議だ。
 
   先駆しているのは花柄だけではない。この夏、各メーカーが発表しているワンピースのオフィスウェアも、最初に手掛けたのはジョアだったという。
 
  「ラクですぐ着られるオフィスウェアの提案という面もあるのですが、ワンピースのしごと服は、ユーザーの『何かもっと新しいものない?』という声を受けて開発した商品です。忙しい朝でも、たった一枚着るだけでかわいいオフィススタイルが完成する。そんな手軽さだけでなく、従来のベスト&スカートのオフィスウェアに飽きてきたお客さんに、新鮮なルックスがウケた。オフィスウェアのユーザーは目が肥えているというか、私たちよりファッション感度が高かったりするので、お客さんの声をしっかり聴くのも大切なことですね」
 
   こう語ったあと、片山さんは「enjoieといえば、ガラもの、ワンピースですよ」と念を押した。「よそがやっていないこと」「うちにしかできないこと」をやる――。そんなパイオニア精神がジョアの魅力なのだ。
 
  ●あと一押しの「仕掛け」づくり
 
   このような新ジャンルの商品開発に加えて、2018年には制服を通じた慈善活動「アンサンブルプロジェクト」もスタートさせた。エコ素材などを使ったジョアの商品を1枚買うごとに、動物の保護活動を行う団体に100円の寄付が入る仕組みだ。
 
  「企業のCSR活動をユニフォームの面でも後押しさせてもらいたい、という趣旨です」
 
   というのがオフィシャルなコメントだが、もちろんほかにも狙いがある。
 
  「制服を着るのは女性ですけど、最終的に決済する経営者は多くが男性ですよね。当然、レディースファッションのトレンドなんてわからないから、女性陣の意見を聞いても『なんでコレじゃないとダメなんだろう?』という感じになっちゃう。そんなとき、こういう仕掛けが効いてくるんです。たとえば『この商品なら会社のイメージアップになりますよ』と言えば、『よし、じゃあコレで!』となりやすい。制服を決めるときの"あと一押し"になるわけです」(片山さん)
 
   このプロジェクトには予想を上回る反響があり、団体への寄付も好調に増え続けている。着用者の女性だけでなく経営者まで見方につけるクールな仕組みだ。
 
   認定商品の中からはさっそくヒット商品も出てきた。「ワッフルチェック」「シャドーボーダー」の2シリーズである。
 
  「両シリーズとも、どんな年齢層にも似合うエレガントな雰囲気がウリです。それぞれ落ち着いたチェックとボーダーで、大人の女性としてのかわいさを追求しました。オーバーブラウスとベストを同じ柄でそろえることも可能。オーバーブラウスは西日本から普及したスタイルということもあって、うちの得意ジャンルでもありますから」
 
   そうだった、話を聞いているうちに忘れていたが、ジョアは岡山県の制服メーカーなのだ。ちなみに薬師寺さんと片山さんも岡山出身。「たまに帰りたくなるよね」とこぼしつつも、オフィスウェアの中心地、東京での仕事を楽しんでいるようだった。
 
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動物保護の「アンサンブルプロジェクト」も
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営業の薬師寺さん(左)と片山さん

    

やっぱりジョアはひと味ちがうね! 明るさと上品さを両立させた「ワッフルチェック」シリーズ

ベージュ基調の大柄チェックが信頼感を与える一般事務用ウェア。年齢を選ばない色味に、スッキリ見える首周りのデザインは「おもてなし」にもぴったり。サラッとした肌触りにストレスフリーな着心地もうれしい。購入金額の一部が動物の保護活動に使われる「アンサンブルプロジェクト」対象商品。


これこそ、大人の「さりげないエレガント」 年齢を問わず似合う「シャドーボーダー」シリーズ

ひかえめなボーダー柄が上品さを引き立てる「大人かわいい」の代表モデル。女性らしい柔らかさを前面に出しながらも気品のある雰囲気で、幅広い年齢層にマッチする。ポケットやボタンなどのさりげないアクセントも高ポイント。購入金額の一部が動物の保護活動に使われる「アンサンブルプロジェクト」対象商品。