"ゲン担ぎ"って意外と大事なんじゃないかと最近よく思っている。いつも決まった足から靴を履いたり、試験の前日にトンカツを食べたり、というアレだ。大相撲では、部屋から国技館までの道順を負けた日だけ変更したり、本場所が始まる前夜は鶏肉のちゃんこにしたり(鳥は二本足=手をつかないから)と、何かとゲンを担ぐ力士が多いという。春場所で大関に昇進した朝乃山は、土俵に上がる前、必ず付け人の朝鬼神に全力で背中をパーンと張ってもらっている。背中に赤々と残る手形は「天使の羽根」と呼ばれているとのことで、ここまでくるともう様式美である。きっと読者の中にも作業服の着こなしなんかでゲンを担いでいる人がいるだろうが、一方でブランド名も大事ではないだろうか。そこで、日本一おめでたいネーミングとして紹介したいのがこのメーカー。黒字の「クロ」に縁起物の「ダルマ」。これに毎日袖を通せば、いい仕事してガッツリ稼いで……とポジティブな気分になること間違いなしだ。
クロダルマ
アルミ遮熱がウリの「866シリーズ」
空調服の強い味方「26871ウオータークーリングベスト」
●エアセンサーに賭ける
「春夏モノですか? ああエアセンサーのことですよね」
クロダルマ本社に電話をかけると、受話器の向こうから理解を越えた言葉が返ってきた。春夏モノの新商品について語ってほしいのに、いきなり同社の空調服「エアセンサー」の名前が出てくる。"エアセンサー推し"でおなじみの営業担当・光野さんとはいえ、さすがに気が早いのではないだろうか? いや空調服の話じゃなくて……、と言いかけると、遮るように熱を帯びたトークが始まった。
「普通のウェアの新作っていうのは、ないんです。今回の2020年春夏カタログに乗っている新作は全部エアセンサー。つまり今シーズン、クロダルマが提案するウェアはエアセンサーだってことですよ!」
なんじゃそりゃ? と言いそうになるのをなんとか堪える。だが、よく考えみれば「春夏もの」「秋冬もの」「空調服」と細かく分けるより、「空調服」「秋冬物」と二分する方が賢いような気もする。実際、ここ数年の日本は夏と冬しかないような気候になっているのだから。梅雨明けにはもうみんな空調服を着るわけで、夏用の作業服はもはやわざわざ買うまでもない、と言われればその通りかもしれない。
●「アルミ遮熱」が登場!
ではさっそく、エアセンサーの新作を紹介してもらおう。ひとつ目は3層のアルミボンディングが売りの「866シリーズ」。防寒ウェアなどでよくあるアルミ仕様だが、空調服のウェアにすると一体どんなメリットがあるのだろう?
「外部の熱をシャットアウトする遮熱効果です。直射日光に当たり続けたとき、普通のポリエステルタフタ生地ならウェア内部の温度はどんどん上がっていくのに対して、アルミ仕様なら30℃台をキープできる。当社の試験では、アルミボンディングの遮熱効果は他社でよく見られるチタンコーティング仕様を上回っています。この866シリーズは日差しのきつい炎天下での作業など、特にハードな現場にオススメです」
デザインはカジュアル過ぎないオーソドックスな印象。裏地は中のアルミシートを活かした迷彩風のガラとなっている。上着のタイプも長袖ジャンパー(型番258661)、半袖ジャンパー(型番268661)、ベスト(型番26866)と選択肢も広い。エアセンサー初のアルミ遮熱モデルは、レジャーやサービス用など、空調服もカジュアル化の流れにあるなか、「炎天下でも涼しい作業服」という原点に立ち返ったモデルと言えるだろう。
●火を使う現場もOK!
このように「空調服+α」というコンセプトを掲げるのは「866シリーズ」だけではない。「ブレバノ・プラス」と呼ばれる素材を使ったエアセンサー「867シリーズ」も、高機能を謳った鳴り物入りの新商品だ。見た目は、それほど特別な感じを受けないオーソドックスな印象だが、じつはこれまで空調服の使えなかった現場にも対応した” 特殊仕様ウェア”なのだ。
「ブレバノ・プラスは綿とアクリル系難燃繊維を組み合わせた素材で、燃えにくく静電気の帯電も防ぎます。それでいてコットンのやさしい肌触りも感じるので、着心地もいい。溶接などの火の粉が飛ぶ作業のほか、フルハーネス対応なので高所作業にも使える。あらゆる現場で使えるスペシャルな商品です」
火をあつかう現場では、化学繊維の生地は穴が空いてしまうため、綿の作業服を採用しているケースが多い。ただし綿は着火することもあるので、安全性のためにはもっと燃えにくいウェアを着るのが理想とされている。「867シリーズ」の生地、ブレバノ・プラスは火にさらしても燃え広がりにくく、生地を素早く炭化させて自己消火する。完全に燃えないわけではないものの「綿よりずっと安心」というわけだ。
エアセンサーには、専用パーツとして火花の入り込みを防ぐ耐熱ファンキャップ(型番KS-22)も用意されている。「867シリーズ」にこのファンキャップを取り付ければ、鉄工所などの過酷な現場でも、涼しく安全に仕事ができるだろう。
●切り札の「ウオーターベスト」
遮熱や難燃など、シーン特化型のモデルに加えて、強力なオプション装備も登場した。エアセンサーの効果を高めるウオータークーリングベスト(型番26871)だ。吸水させた上でウェア内部に身に着ければ、気化熱による冷却作用でさらに体を冷やすことができる。今回の新商品の中でもイチオシの自信作という。
「ファン付きウェアが普及したあたりから『炎天下で使うと熱風になっちゃう』という声をよく聞くようになりました。で、去年の夏には保冷剤を入れたベストを着たりするのが流行った。この方法、たしかにすごく涼しいんですが、いろいろ大変なんですよ。カチカチの保冷材を身に着けると動きづらいし、溶けた後はただの重りになってしまう。また現場で替えの保冷剤を手に入れるのも難しい。そんなわけで、ウチは水に注目しました」
基本的な使い方は、水道で濡らして軽く絞ってから身に着け、上からエアセンサーのジャケットを着るというもの。ベストに含ませた水分がコンプレッションウェアに染み出すので、常に「風呂あがりの扇風機」状態となるわけだ。
「保冷剤と違って水ならどこにでもありますからね。さらに、水道で濡らすのが面倒なときは、ペットボトルの水を入れることもできます。3カ所のポケットから水を注げば中の吸水体にすぐ水を蓄えられる。水分が減って冷却が弱くなってきたな、と思ったらいつでも補充できるんです。ベストが濡らすのは背中と脇腹で、お腹が冷えないよう配慮していますので、トイレなどの心配もありません」
保冷剤と違って水なら現場で調達できるし、仕事が終わった後は排水溝に流して帰ればいい。荷物が減るという面でも合理的だ。また作業中、冷えた水を飲むついでに吸水ポケットに注いで、一時的に冷却効果をブーストする、といった使い方もできるだろう。まさに暑さ対策の切り札と言えるオプションである。
ウェアの色や気分によってファンユニットのカラーを変更できる「着せ替え用ファンキャップ」(型番KS-17)や落下予防の「高所用ファンキャップ」(型番KS-20)、雨天時に使う「合羽用ファンキャップ」(型番KS-21)など、オプション品に力を入れてきたエアセンサー。今年もファン部分に取り付ける「何か」を用意してくるに違いない、との編集部の予想は見事に裏切られた。
アルミ遮熱に防炎素材、さらには保冷剤に代る画期的な冷却オプション……。ことごとく予想の斜め上を行くクロダルマには、もう「あっぱれ」の言葉しか浮かばない。
「春夏モノですか? ああエアセンサーのことですよね」
クロダルマ本社に電話をかけると、受話器の向こうから理解を越えた言葉が返ってきた。春夏モノの新商品について語ってほしいのに、いきなり同社の空調服「エアセンサー」の名前が出てくる。"エアセンサー推し"でおなじみの営業担当・光野さんとはいえ、さすがに気が早いのではないだろうか? いや空調服の話じゃなくて……、と言いかけると、遮るように熱を帯びたトークが始まった。
「普通のウェアの新作っていうのは、ないんです。今回の2020年春夏カタログに乗っている新作は全部エアセンサー。つまり今シーズン、クロダルマが提案するウェアはエアセンサーだってことですよ!」
なんじゃそりゃ? と言いそうになるのをなんとか堪える。だが、よく考えみれば「春夏もの」「秋冬もの」「空調服」と細かく分けるより、「空調服」「秋冬物」と二分する方が賢いような気もする。実際、ここ数年の日本は夏と冬しかないような気候になっているのだから。梅雨明けにはもうみんな空調服を着るわけで、夏用の作業服はもはやわざわざ買うまでもない、と言われればその通りかもしれない。
●「アルミ遮熱」が登場!
ではさっそく、エアセンサーの新作を紹介してもらおう。ひとつ目は3層のアルミボンディングが売りの「866シリーズ」。防寒ウェアなどでよくあるアルミ仕様だが、空調服のウェアにすると一体どんなメリットがあるのだろう?
「外部の熱をシャットアウトする遮熱効果です。直射日光に当たり続けたとき、普通のポリエステルタフタ生地ならウェア内部の温度はどんどん上がっていくのに対して、アルミ仕様なら30℃台をキープできる。当社の試験では、アルミボンディングの遮熱効果は他社でよく見られるチタンコーティング仕様を上回っています。この866シリーズは日差しのきつい炎天下での作業など、特にハードな現場にオススメです」
デザインはカジュアル過ぎないオーソドックスな印象。裏地は中のアルミシートを活かした迷彩風のガラとなっている。上着のタイプも長袖ジャンパー(型番258661)、半袖ジャンパー(型番268661)、ベスト(型番26866)と選択肢も広い。エアセンサー初のアルミ遮熱モデルは、レジャーやサービス用など、空調服もカジュアル化の流れにあるなか、「炎天下でも涼しい作業服」という原点に立ち返ったモデルと言えるだろう。
●火を使う現場もOK!
このように「空調服+α」というコンセプトを掲げるのは「866シリーズ」だけではない。「ブレバノ・プラス」と呼ばれる素材を使ったエアセンサー「867シリーズ」も、高機能を謳った鳴り物入りの新商品だ。見た目は、それほど特別な感じを受けないオーソドックスな印象だが、じつはこれまで空調服の使えなかった現場にも対応した” 特殊仕様ウェア”なのだ。
「ブレバノ・プラスは綿とアクリル系難燃繊維を組み合わせた素材で、燃えにくく静電気の帯電も防ぎます。それでいてコットンのやさしい肌触りも感じるので、着心地もいい。溶接などの火の粉が飛ぶ作業のほか、フルハーネス対応なので高所作業にも使える。あらゆる現場で使えるスペシャルな商品です」
火をあつかう現場では、化学繊維の生地は穴が空いてしまうため、綿の作業服を採用しているケースが多い。ただし綿は着火することもあるので、安全性のためにはもっと燃えにくいウェアを着るのが理想とされている。「867シリーズ」の生地、ブレバノ・プラスは火にさらしても燃え広がりにくく、生地を素早く炭化させて自己消火する。完全に燃えないわけではないものの「綿よりずっと安心」というわけだ。
エアセンサーには、専用パーツとして火花の入り込みを防ぐ耐熱ファンキャップ(型番KS-22)も用意されている。「867シリーズ」にこのファンキャップを取り付ければ、鉄工所などの過酷な現場でも、涼しく安全に仕事ができるだろう。
●切り札の「ウオーターベスト」
遮熱や難燃など、シーン特化型のモデルに加えて、強力なオプション装備も登場した。エアセンサーの効果を高めるウオータークーリングベスト(型番26871)だ。吸水させた上でウェア内部に身に着ければ、気化熱による冷却作用でさらに体を冷やすことができる。今回の新商品の中でもイチオシの自信作という。
「ファン付きウェアが普及したあたりから『炎天下で使うと熱風になっちゃう』という声をよく聞くようになりました。で、去年の夏には保冷剤を入れたベストを着たりするのが流行った。この方法、たしかにすごく涼しいんですが、いろいろ大変なんですよ。カチカチの保冷材を身に着けると動きづらいし、溶けた後はただの重りになってしまう。また現場で替えの保冷剤を手に入れるのも難しい。そんなわけで、ウチは水に注目しました」
基本的な使い方は、水道で濡らして軽く絞ってから身に着け、上からエアセンサーのジャケットを着るというもの。ベストに含ませた水分がコンプレッションウェアに染み出すので、常に「風呂あがりの扇風機」状態となるわけだ。
「保冷剤と違って水ならどこにでもありますからね。さらに、水道で濡らすのが面倒なときは、ペットボトルの水を入れることもできます。3カ所のポケットから水を注げば中の吸水体にすぐ水を蓄えられる。水分が減って冷却が弱くなってきたな、と思ったらいつでも補充できるんです。ベストが濡らすのは背中と脇腹で、お腹が冷えないよう配慮していますので、トイレなどの心配もありません」
保冷剤と違って水なら現場で調達できるし、仕事が終わった後は排水溝に流して帰ればいい。荷物が減るという面でも合理的だ。また作業中、冷えた水を飲むついでに吸水ポケットに注いで、一時的に冷却効果をブーストする、といった使い方もできるだろう。まさに暑さ対策の切り札と言えるオプションである。
ウェアの色や気分によってファンユニットのカラーを変更できる「着せ替え用ファンキャップ」(型番KS-17)や落下予防の「高所用ファンキャップ」(型番KS-20)、雨天時に使う「合羽用ファンキャップ」(型番KS-21)など、オプション品に力を入れてきたエアセンサー。今年もファン部分に取り付ける「何か」を用意してくるに違いない、との編集部の予想は見事に裏切られた。
アルミ遮熱に防炎素材、さらには保冷剤に代る画期的な冷却オプション……。ことごとく予想の斜め上を行くクロダルマには、もう「あっぱれ」の言葉しか浮かばない。
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