大相撲に例えるならエアセンサーは「関脇」ではないだろうか。残念ながらトップでも二番手でもないものの、売り場では広く認知されている。お値段が手頃なわりに性能面では見劣りしないし、ユーザーの評判もいい。ウェアの選択肢も広く、とくに裏アルミの遮熱コーティングや背中から首にかけてボコッと広がる立体構造は、他社デバイスの愛用者も一目置く。それはちょうど大関・横綱戦を見ようとテレビをつけたら、関脇の取り組みをやっていて見入ってしまう感覚に近い。小結の成績にもよるけれど、基本的に関脇の地位は勝ち越し(8勝以上)しなければキープできないし、10勝すると「3場所で33勝」が目安の大関昇進チャレンジが始まる。あと1、2番も勝てば優勝争いに絡める。つまり、安定した強さがないと関脇は務まらないのである。さて、好角家のあいだでは「関脇が強い場所はおもしろい」との言葉がある。実力は言わずと知れたエアセンサーは“夏場所”をどこまで盛り上げてくれるのか?
クロダルマ
シンプルな「neo」のボタンはひとつ
カラバリを追加した高視認ウェア
●プロジェクト・ネオ
クロダルマのショールームで編集部を迎えてくれたのは、企画部の杉原さんと上引地さん。今回、デビューから6年目を迎えたエアセンサーが大きな節目を迎えたと噂に聞いている。いったい何が起きたというのか。
「いやー、まいど屋さん、いいタイミングで来てくれた。そうそう、エアセンサーが生まれ変わったんよ! ちょっと見てくれる? あっちの展示スペースにスゴイのがあるから。さぁ、早く早く!」
とテンション高めに案内されたのは黒バックに白い文字が踊る商品案内ブース。なにやら商品コンセプトを示すメッセージのようなものが掲げられている。
《プロジェクト ネオ--。はるか昔、まだ電気もなにもなかった時代から、人は実に様々なことを探求してきました。新しい何かが生み出されれば、それは誰かに影響を及ぼし、また新たな探求が始まっていく》
うわ、なんか壮大な話になってきたぞ!
《必要なものを見極めて、不要なものを削ったら、残ったものがneoでした》
「ね、わかった?」
「えッ?」
「ほら、そこにneoって書いてるじゃん」
「ネ、ネオ?」
(テキストでは再現できない)備後弁の圧を感じながら、上引地さんに助けを求める視線を送る。
「ああ、新商品は『エアセンサーneo』っていうんですよ。去年のモデルまでがエアセンサーで、今年発売の新デバイスはエアセンサーneo。しばらくは旧モデルも併売しますけど」
そう、意識の高そうな展示ブースは、エアセンサー新型デバイスのPRだったのだ。
●削ぎ落としたデザイン
ついに名前まで変わってしまったエアセンサーだが、「neo」はこれまでのデバイスと何が違うのか。
「パワーがもう桁違いです。従来型デバイスのバッテリー7.2ボルトだったのに対して、neoは15ボルト。その結果、毎秒86リットルの特大風量を実現しています」
毎秒86リットルとは、40リットルのゴミ袋を0.5秒以下で膨らませられることを意味する。(株)空調服の新型デバイスやバートル「エアークラフト」の2022年型デバイスの最大風量を上回る、圧倒的なスペックだ。
パワー競争もエライ所まで来たな……と言葉を失っていると。ブースの方にやってきた杉原さんが言う。
「まあ、それよりデザインを見てくださいよ! どうですこれ? このバッテリーめっちゃいいでしょ! ボタンひとつだけですよ、こんなのよそじゃないでしょう?」
と見せてくれたのは、neoのバッテリーである。なるほど、たしかにスタイリッシュな見た目で、持った感じも手に馴染む。……ん? あれ、ボタンはこれだけ?
「そう! これがすごい。このバッテリーこそ、不要なものを削って必要なものを見極めたneoの真骨頂ですよ。ボタンは真ん中にひとつだけ。直径1.7センチで凹んでいるから、ポケットの上からでも手袋をしていても簡単に押せるんです。長押しでON・OFF、あとは1回押すごとに風量が切り替わる。ね、こういうシンプルなのが一番でしょ!」
なるほどなぁ、と唸らされる。ファン付きウェアの操作というのは、だいたいどのメーカーでもバッテリーに付いているボタンを押すことで行う。たいていは手探りでもボタン位置がわかるように凹凸を設けたりしているのだが、これがけっこう微妙で「あれ?」ということがよくあるのだ。ボタンひとつなら「ひょっとして間違ったところ押してる?」なんてことはない。
neoのバッテリーは、ボタンだけでなくケーブルの差込口もひとつ。ごちゃごちゃ感がなく持っていて気持ちのいいデザインだ。
●ファン付き高視認!
というわけで、続いてはエアセンサー対応のウェアを紹介してもらおう。
「いろいろあるけど、特徴的なのはやっぱこれかなぁ。こういうのを作ってるメーカーはなかなかないんじゃない?」
と、杉原さんが取り出したのは、反射テープがインパクト大なエアセンサー用ベスト「26868」。オレンジにイエロー、蛍光グリーンとカラーリングも極めてビビッドだ。あ、この反射テープのパターンはどこかで見覚えが……。
「わかった? 交通整理の人が着ている反射タスキをウェアに貼り付けたわけ。空調ウェアの上に反射タスキをつけるとファンを塞いじゃうでしょ? だからウェスト位置を上にずらしたタスキとかいろいろあるわけだけど、それならいっそ“反射タスキ柄”の上着を着ればいいじゃん、と。それで去年、作ったのが26868ベストのオレンジ色。これは高視認性安全服としてJIS規格に適合してます。これがめちゃくちゃ好評だったから、今年はカラーバリエーションを増やして4色展開にしました。ついでに同じコンセプトで新作の258811長袖ジャンパーも出した。JIS規格に通ったのはオレンジのベストだけだけど、それでもいいから作ってほしいっていう声があるんだよね。とくに物流や倉庫、警備といった現場のニーズが大きい」
●ケーブルレス空調パンツ
「あと、こちらも大好評にお応えして作った新作です」
と上引地さんが紹介するのは、エアセンサーハーフパンツ「DG123」。膝上丈で、カーゴポケットにあたる部分にファンを取り付ける。
「さっきの高視認シリーズと同じで、これも去年に出した通常丈のパンツ(DG116)とジョガーパンツ(DG117)の反響が大きかったので開発しました。ただパンツにファンを付けただけじゃなくて、股の奥にメッシュを付けることで快適な風抜けを実現しています。さらに他社と違うのはエアセンサーのコードレスファン(KS-50)を取り付ける仕組みになっていることですね。これならパンツを裏返しにしてケーブルを通してバッテリーとつなぐといった煩わしさもありません」
通常デバイスにneoが登場した一方で、コードレスデバイスはパンツ用として継続していくとのこと。
デバイスの操作性をはじめ、高視認ウェアや空調パンツなど、独自路線を歩むエアセンサーの今後に目が離せない。
クロダルマのショールームで編集部を迎えてくれたのは、企画部の杉原さんと上引地さん。今回、デビューから6年目を迎えたエアセンサーが大きな節目を迎えたと噂に聞いている。いったい何が起きたというのか。
「いやー、まいど屋さん、いいタイミングで来てくれた。そうそう、エアセンサーが生まれ変わったんよ! ちょっと見てくれる? あっちの展示スペースにスゴイのがあるから。さぁ、早く早く!」
とテンション高めに案内されたのは黒バックに白い文字が踊る商品案内ブース。なにやら商品コンセプトを示すメッセージのようなものが掲げられている。
《プロジェクト ネオ--。はるか昔、まだ電気もなにもなかった時代から、人は実に様々なことを探求してきました。新しい何かが生み出されれば、それは誰かに影響を及ぼし、また新たな探求が始まっていく》
うわ、なんか壮大な話になってきたぞ!
《必要なものを見極めて、不要なものを削ったら、残ったものがneoでした》
「ね、わかった?」
「えッ?」
「ほら、そこにneoって書いてるじゃん」
「ネ、ネオ?」
(テキストでは再現できない)備後弁の圧を感じながら、上引地さんに助けを求める視線を送る。
「ああ、新商品は『エアセンサーneo』っていうんですよ。去年のモデルまでがエアセンサーで、今年発売の新デバイスはエアセンサーneo。しばらくは旧モデルも併売しますけど」
そう、意識の高そうな展示ブースは、エアセンサー新型デバイスのPRだったのだ。
●削ぎ落としたデザイン
ついに名前まで変わってしまったエアセンサーだが、「neo」はこれまでのデバイスと何が違うのか。
「パワーがもう桁違いです。従来型デバイスのバッテリー7.2ボルトだったのに対して、neoは15ボルト。その結果、毎秒86リットルの特大風量を実現しています」
毎秒86リットルとは、40リットルのゴミ袋を0.5秒以下で膨らませられることを意味する。(株)空調服の新型デバイスやバートル「エアークラフト」の2022年型デバイスの最大風量を上回る、圧倒的なスペックだ。
パワー競争もエライ所まで来たな……と言葉を失っていると。ブースの方にやってきた杉原さんが言う。
「まあ、それよりデザインを見てくださいよ! どうですこれ? このバッテリーめっちゃいいでしょ! ボタンひとつだけですよ、こんなのよそじゃないでしょう?」
と見せてくれたのは、neoのバッテリーである。なるほど、たしかにスタイリッシュな見た目で、持った感じも手に馴染む。……ん? あれ、ボタンはこれだけ?
「そう! これがすごい。このバッテリーこそ、不要なものを削って必要なものを見極めたneoの真骨頂ですよ。ボタンは真ん中にひとつだけ。直径1.7センチで凹んでいるから、ポケットの上からでも手袋をしていても簡単に押せるんです。長押しでON・OFF、あとは1回押すごとに風量が切り替わる。ね、こういうシンプルなのが一番でしょ!」
なるほどなぁ、と唸らされる。ファン付きウェアの操作というのは、だいたいどのメーカーでもバッテリーに付いているボタンを押すことで行う。たいていは手探りでもボタン位置がわかるように凹凸を設けたりしているのだが、これがけっこう微妙で「あれ?」ということがよくあるのだ。ボタンひとつなら「ひょっとして間違ったところ押してる?」なんてことはない。
neoのバッテリーは、ボタンだけでなくケーブルの差込口もひとつ。ごちゃごちゃ感がなく持っていて気持ちのいいデザインだ。
●ファン付き高視認!
というわけで、続いてはエアセンサー対応のウェアを紹介してもらおう。
「いろいろあるけど、特徴的なのはやっぱこれかなぁ。こういうのを作ってるメーカーはなかなかないんじゃない?」
と、杉原さんが取り出したのは、反射テープがインパクト大なエアセンサー用ベスト「26868」。オレンジにイエロー、蛍光グリーンとカラーリングも極めてビビッドだ。あ、この反射テープのパターンはどこかで見覚えが……。
「わかった? 交通整理の人が着ている反射タスキをウェアに貼り付けたわけ。空調ウェアの上に反射タスキをつけるとファンを塞いじゃうでしょ? だからウェスト位置を上にずらしたタスキとかいろいろあるわけだけど、それならいっそ“反射タスキ柄”の上着を着ればいいじゃん、と。それで去年、作ったのが26868ベストのオレンジ色。これは高視認性安全服としてJIS規格に適合してます。これがめちゃくちゃ好評だったから、今年はカラーバリエーションを増やして4色展開にしました。ついでに同じコンセプトで新作の258811長袖ジャンパーも出した。JIS規格に通ったのはオレンジのベストだけだけど、それでもいいから作ってほしいっていう声があるんだよね。とくに物流や倉庫、警備といった現場のニーズが大きい」
●ケーブルレス空調パンツ
「あと、こちらも大好評にお応えして作った新作です」
と上引地さんが紹介するのは、エアセンサーハーフパンツ「DG123」。膝上丈で、カーゴポケットにあたる部分にファンを取り付ける。
「さっきの高視認シリーズと同じで、これも去年に出した通常丈のパンツ(DG116)とジョガーパンツ(DG117)の反響が大きかったので開発しました。ただパンツにファンを付けただけじゃなくて、股の奥にメッシュを付けることで快適な風抜けを実現しています。さらに他社と違うのはエアセンサーのコードレスファン(KS-50)を取り付ける仕組みになっていることですね。これならパンツを裏返しにしてケーブルを通してバッテリーとつなぐといった煩わしさもありません」
通常デバイスにneoが登場した一方で、コードレスデバイスはパンツ用として継続していくとのこと。
デバイスの操作性をはじめ、高視認ウェアや空調パンツなど、独自路線を歩むエアセンサーの今後に目が離せない。
ファン付きパンツも好評
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杉原さん(左)と上引地さん
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ハーネス着用の作業も快適に! エアセンサー対応ウェア「26880シリーズ」 背中にフルハーネスのランヤード取り出し口を設けた「エアセンサー」対応ジャケット。ベスト・半袖ともに裏地にアルミコーティングが施し、高い遮熱効果を実現。背中から首のうしろにかけて通気用の空間があり、蒸れや熱気を大風量で排出する。炎天下の高所作業に心強い逸品。 |
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背中の風抜けがいいんだよね♪ エアセンサー対応半袖ジャンパー「268791」 肩から脇の下も快適な半袖タイプの「エアセンサー」対応ジャケット。ポリエステル100%のリップストップ生地は撥水仕様でライトな着心地。ファンを稼働させると背中から首のうしろにかけて煙突状のスペースが広がり、大風量デバイスならではの爽快な風抜けが味わえる。 |
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