三貴と書いてミキと読む。ハッカー関係で、今、最もパワフルなメーカーが三貴だ。社名になじみがない読者でも、高級ハッカーの代名詞ともいえるBXハッカーの製造元といえば通りがいいだろう。BXは今では鉄筋職人なら誰もがあこがれるアイテムだが、実はここ10年で急激にファンを増やしたブランドであることをご存じだろうか。
BXのデビューは衝撃的だった。それまで全く無名のブランドが、あれよあれよという間に高級ブラントとして認知されていくのを、当時、業界は驚きの目で目撃した。その後、多くのメーカーがBXを追って対抗商品を開発したが、結局はうまくいかなかったようだ。BXには他がマネのできないスゴみが確かにちりばめられている。
BX成功の理由は何なのか。なめらかなベアリング、品数の豊富さ、ハッカー用の高級ケースが充実していること。職人心をくすぐるデザインもいい。理由は色々あるだろう。今回のインタビューではBX開発の舞台裏と、今後の展開、商品の魅力について、菊地社長にお話を伺った。
BXのデビューは衝撃的だった。それまで全く無名のブランドが、あれよあれよという間に高級ブラントとして認知されていくのを、当時、業界は驚きの目で目撃した。その後、多くのメーカーがBXを追って対抗商品を開発したが、結局はうまくいかなかったようだ。BXには他がマネのできないスゴみが確かにちりばめられている。
BX成功の理由は何なのか。なめらかなベアリング、品数の豊富さ、ハッカー用の高級ケースが充実していること。職人心をくすぐるデザインもいい。理由は色々あるだろう。今回のインタビューではBX開発の舞台裏と、今後の展開、商品の魅力について、菊地社長にお話を伺った。
三貴
ずらり並んだハッカーと収納ケース。まるでモデルガン・ショップのようなカッコ良さ。
あくまでハッカーの収納ケース。カッコいいですが、ホルスターではありません。
設立は昭和37年。最初は鍛冶屋さんから始めたという、文字通り職人気質のもの作りの伝統を守り続ける三貴。「最初は神田を中心にした金物問屋さんに販売してたんです。その中で建築関係の商品が少しずつ増えてきた。当時鍛冶屋の仕事は3Kなどと呼ばれ、ハード・ワークで後継者も少なく、世の中もコンピューター制御の機械が増えて、多くの同業者が中国生産に移行していった。その中でうちは大量生産商品ではないものを作りはじめた。それがBXハッカーにつながるんです。BXハッカーを作るきっかけは大手の問屋さんの社長から、回転の良いハッカーを作ってみないかと要請された事でした。ただ、職人さん達の現場での使い方は荒っぽい。精密でなめらかなだけではダメなんです。強くて回転もよいという別々のベクトルを同時に追求しながら、何度も研究を重ねました」(取締役社長、菊地幹男さん)。
他社にないオンリーワン、独自の製品を作っていく事がポリシーだと語る菊地社長。商品の品質追求に留まらないその姿勢は、企業の社長というよりは、妥協を知らない本物の職人そのものである。「中心になるコンセプトというのは、使って便利であり、長持ちするということ。そしてオリジナリティーがあること。ハッカーを中心として、専用のハッカーのケースですとか、全て他社にない独自の商品です。開発はもう失敗の積み重ねだったんですが、逆に考えればチャンスですよね。失敗したときにそれを解決できれば、それが特許につながったり、自分の知的財産になる訳ですから。諦めないという姿勢が大事です」。
では、BXハッカーがデビューしたときの状況はどんなものだったのだろうか?「それまでのハッカーに比べて倍くらいの値段がしましたから、ユーザーさん達が良さを認めて浸透していくまでに2縲鰀3年はかかりました。最初は『こんな高いもの!』みたいなところはあったんです。製造過程でコストはかかっていましたから、それ以上下げられなかった。じわじわ浸透し、ある程度のところで一気に広がってくれた」。
商品開発では競合会社間での商品コピーはよくある話。ある商品が売れていると知れば、他社が黙っているハズがない。しかし、このBXハッカーは大量生産できる商品ではないため、資金力に勝る大手の会社でも手を出せないでいる。まさに職人魂の勝利といったところ。「数的には沢山売れてくれた方がよい。しかし基本的な考え方としては、ユーザーさんの10パーセントの方にご支持いただければ満足です。そのために、見えない細かいところまで商品を吟味しています。BXにしても、僕とすれば現在の商品でも100点満点ではなく、改良の余地がある。クオリティーの追求はずっと続けていきます。使っている人には分かるはずですが、ここ2縲怩R年でも耐久性が30パーセントは向上しています」。
大手と違い、三貴の商品開発は菊地社長本人が行っている。科学的なデーターよりも、懇意にしている現場の職人さんの声を聞き、手づくりでクオリティーを上げていくという。日本のもの作りの優秀さを体現したような三貴のハッカー。「モノ作りは今大変な時期ですよね。職人さんのサイフも固くなっている。しかし、いいものを持つ喜びは一度体験したら忘れる事はできない。そう信じているんです」。
他社にないオンリーワン、独自の製品を作っていく事がポリシーだと語る菊地社長。商品の品質追求に留まらないその姿勢は、企業の社長というよりは、妥協を知らない本物の職人そのものである。「中心になるコンセプトというのは、使って便利であり、長持ちするということ。そしてオリジナリティーがあること。ハッカーを中心として、専用のハッカーのケースですとか、全て他社にない独自の商品です。開発はもう失敗の積み重ねだったんですが、逆に考えればチャンスですよね。失敗したときにそれを解決できれば、それが特許につながったり、自分の知的財産になる訳ですから。諦めないという姿勢が大事です」。
では、BXハッカーがデビューしたときの状況はどんなものだったのだろうか?「それまでのハッカーに比べて倍くらいの値段がしましたから、ユーザーさん達が良さを認めて浸透していくまでに2縲鰀3年はかかりました。最初は『こんな高いもの!』みたいなところはあったんです。製造過程でコストはかかっていましたから、それ以上下げられなかった。じわじわ浸透し、ある程度のところで一気に広がってくれた」。
商品開発では競合会社間での商品コピーはよくある話。ある商品が売れていると知れば、他社が黙っているハズがない。しかし、このBXハッカーは大量生産できる商品ではないため、資金力に勝る大手の会社でも手を出せないでいる。まさに職人魂の勝利といったところ。「数的には沢山売れてくれた方がよい。しかし基本的な考え方としては、ユーザーさんの10パーセントの方にご支持いただければ満足です。そのために、見えない細かいところまで商品を吟味しています。BXにしても、僕とすれば現在の商品でも100点満点ではなく、改良の余地がある。クオリティーの追求はずっと続けていきます。使っている人には分かるはずですが、ここ2縲怩R年でも耐久性が30パーセントは向上しています」。
大手と違い、三貴の商品開発は菊地社長本人が行っている。科学的なデーターよりも、懇意にしている現場の職人さんの声を聞き、手づくりでクオリティーを上げていくという。日本のもの作りの優秀さを体現したような三貴のハッカー。「モノ作りは今大変な時期ですよね。職人さんのサイフも固くなっている。しかし、いいものを持つ喜びは一度体験したら忘れる事はできない。そう信じているんです」。
設計室脇のクリップボードに張られた商品のポスター。自社商品に対する誇りと愛着が感じられる。
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BXハッカーシリーズ(7月売上ランキング順) BXの正式名称はベアリング・デラックス。使い勝手の良さ、回転のスムースさと耐久性は他社の追従を許さない。今回は先月の全国売上データをもとに、人気の商品をラインナップしてみた。 |
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収納ケースシリーズ(7月売上ランキング順) BXシリーズのもう一つの魅力はなんといってもラグジュアリー感あふれるハッカーケースだろう。最高級のハッカーを収納するなら、それに相応しいケースでないとしっくりしないし、納得できない。装着するだけで、高揚感が高まる羨望のアイテム。さりげなく腰にぶら下げているだけで、回りの評価もグッと上がるハズだ。 |
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