評価の分かれるメーカーである。品質ではなく、そのスタイルによって。あるひとは「あれは作業服ではない」と頭から拒否をする。一方で「新たな可能性と革新性」に賛同の拍手を送るひともいる。実際、ラインナップされるアイテムはどれもカジュアルウェアと見紛うものばかり。まいど屋でも、スタート時は販売を見送り、お客さまの熱心なリクエストで後日、ラインナップに加えた経緯がある。半身どころか、ほとんど両足をカジュアルの領域に踏み入れているように見えるため、作業服にカテゴライズしていいものか、判断が付きかねたのだ。
販売を開始して一年がたち、まいど屋もようやく認識の誤りに気がついた。耐久性、機能性、運動性。じっくり商品を見てみると、その軸足はしっかりと作業服に残っていることが分かってきたからだ。
従来の作業服とは一線を画し、業界の常識や固定概念もあっさりと捨て去ってしまうイーブンリバー。例えば、作業ズボンはほとんどがカーゴタイプ。スラックスタイプは少ない。製品化する商品をユーザーが求めるアイテムに集中させるなど、オキテ破りの商品展開で業界をア然とさせてきた。今回は同社の広島本社を初めて訪れ、彼らの考え方と商品の魅力についてタップリとお話を伺うことにする。
販売を開始して一年がたち、まいど屋もようやく認識の誤りに気がついた。耐久性、機能性、運動性。じっくり商品を見てみると、その軸足はしっかりと作業服に残っていることが分かってきたからだ。
従来の作業服とは一線を画し、業界の常識や固定概念もあっさりと捨て去ってしまうイーブンリバー。例えば、作業ズボンはほとんどがカーゴタイプ。スラックスタイプは少ない。製品化する商品をユーザーが求めるアイテムに集中させるなど、オキテ破りの商品展開で業界をア然とさせてきた。今回は同社の広島本社を初めて訪れ、彼らの考え方と商品の魅力についてタップリとお話を伺うことにする。
イーブンリバー
ウェアに対する細かなコダワリで、熱狂的なファンを増やしている
ファッショナブルな新作サンプル。今回もデザイン性をとことん追求した。
これまで数々の作業服メーカーを取材してきたが、その中でも同社の個性の強さは1、2を争う。取材に向かうタクシーの運転手さんにも、「作業服の取材って…イーブンリバーさんはアパレル会社さんでしょ」と言われる始末。それほどまでに、カジュアルなイメージが強いのだ。ありきたりな作業着を否定すること。ワークウェアを限りなくファッション化すること。そんな主張が明確なメッセージとして認知され、イーブンリバー独特の存在感を高めているということだろう。例えば、渋谷や原宿あたりで売られていてもおかしくないようなスタイリッシュなデザインや、大胆な迷彩柄を採用した商品などを見れば、彼らが既存の作業服の概念に捉われない服づくりを目指していることが良く分かる。
今回、取材をしたのは営業部の服部さん。さっそく、同社のコダワリから話を聞かせていただいた。「自分たちで、その服を着たいかどうか。荷降し時とかに社員も自社のツナギ服を着用するのですが、その時に満足できなかったら納品なんてとてもできない。着たいと思ってもらうためにデザイン性を追求しているんです。デザインを洗練させすぎると、企業ユースのお客さまの中には敬遠されてしまうこともありますが、個人レベルでは非常に好評をいただいている。個人のお客さまに徹底的に好かれること--ウチはそこを追求していきたい」。
個人客に焦点を絞り込んだのはどうしてだろうか?「5~10年前は企業単位での納品が多かったのですが、景気の影響で大規模な納品が減りました。そんな傍ら、ファッションとしてのツナギブームもあり、個人消費者が増えてきたのです。その動きはワークシーンにも影響を与え、仕事でも気に入ったツナギ服を着たいという声が高まってきました。そこで、お客さまの声に応える形でデザイン性を思い切り高めた商品の開発を進めていったのです。ただし、作業服としての性能を犠牲にすることはしていません。あくまで、作業服メーカーであることにブレはないんです」。
よりパーソナルな需要に応えていくことで、現在の服づくりに到達した同社。しかし、その際立ったデザイン性ゆえに、困難にぶち当たることも少なくなかったらしい。「とにかく、作業服として認知されるまでに時間がかかりました。デザイン性だけの色モノと見られてしまい、最初は手にとってもらえなかった。しかし、一度決めた方向性を簡単には捨てたくない。ガマンをしながら販売を続けていると、ホームセンターや釣り具店での扱いが増えていきました。そこから、こんな作業服を作るメーカーがあるのだと認知度が高まり、現在に至ります」。
最後に1つ質問を投げかけた。「カーゴパンツしか展開がないのはなぜですか」と。その答えは、こうだ。「ポケットのあるカーゴのほうが道具が収納できるし、作業のスタイルって感じがするでしょ。ウチの商品は街中ではなく、ワークシーンでこそ着用してほしいですから」。なるほど、イーブンリバーは間違いなく作業服メーカーだ。
今回、取材をしたのは営業部の服部さん。さっそく、同社のコダワリから話を聞かせていただいた。「自分たちで、その服を着たいかどうか。荷降し時とかに社員も自社のツナギ服を着用するのですが、その時に満足できなかったら納品なんてとてもできない。着たいと思ってもらうためにデザイン性を追求しているんです。デザインを洗練させすぎると、企業ユースのお客さまの中には敬遠されてしまうこともありますが、個人レベルでは非常に好評をいただいている。個人のお客さまに徹底的に好かれること--ウチはそこを追求していきたい」。
個人客に焦点を絞り込んだのはどうしてだろうか?「5~10年前は企業単位での納品が多かったのですが、景気の影響で大規模な納品が減りました。そんな傍ら、ファッションとしてのツナギブームもあり、個人消費者が増えてきたのです。その動きはワークシーンにも影響を与え、仕事でも気に入ったツナギ服を着たいという声が高まってきました。そこで、お客さまの声に応える形でデザイン性を思い切り高めた商品の開発を進めていったのです。ただし、作業服としての性能を犠牲にすることはしていません。あくまで、作業服メーカーであることにブレはないんです」。
よりパーソナルな需要に応えていくことで、現在の服づくりに到達した同社。しかし、その際立ったデザイン性ゆえに、困難にぶち当たることも少なくなかったらしい。「とにかく、作業服として認知されるまでに時間がかかりました。デザイン性だけの色モノと見られてしまい、最初は手にとってもらえなかった。しかし、一度決めた方向性を簡単には捨てたくない。ガマンをしながら販売を続けていると、ホームセンターや釣り具店での扱いが増えていきました。そこから、こんな作業服を作るメーカーがあるのだと認知度が高まり、現在に至ります」。
最後に1つ質問を投げかけた。「カーゴパンツしか展開がないのはなぜですか」と。その答えは、こうだ。「ポケットのあるカーゴのほうが道具が収納できるし、作業のスタイルって感じがするでしょ。ウチの商品は街中ではなく、ワークシーンでこそ着用してほしいですから」。なるほど、イーブンリバーは間違いなく作業服メーカーだ。
熱心にインタビューに答えてくれる服部さん
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