まいど通信


        

まいど!まいど通信編集長の田中です。えー、こちら、現場です。聞こえますか?本日は、いつもと趣向を変えて、ここまいど屋より実況生中継でお送りしています。この画面の右上に、LIVEと表示されていませんか?なければあると想像して続きを読んでください。読者の皆さんがまいど屋の実態に興味があるかどうかはわかりませんが、まあとにかく、編集部があるこの部屋で進行している事態を、リアルタイムでお伝えしたいと思います。
私は今、血まみれでこの原稿を書いています。目、鼻、口と顔にあるすべての穴からエボラのように血を滴らせ、その一部はおろしたてのシャツの襟にまで広がってきました。それでも明日の11月号掲載に間に合わせるため、執念でキーボードを叩きまくっています。ワケは訊かないでください。ワケなどいちいち説明している時間はないんです。周りのスタッフたちにはただ一言、やられちまったよなどと青春アミーゴの歌詞のように告げておきました。やられちまったんだ、そこの暗い路地裏で。地元じゃバカ呼ばわり、そうだろ?やられちまった、月刊まいど屋の納期は守れないけど、お前達がいてくれて嬉しいよ---そう語りかけても、震える手のひらを強く握ってくれるスタッフは誰もいないです。それどころか、見向きもしてくれません。彼らは彼らで忙しいし、大体、ひとの心を持っていないんだから仕方ありません。彼らは魔女であり、動物なんです。あ、もうひとり、向こうからゾンビが歩いてきた。姿は、そうだなあ、マイケル・ジャクソンのスリラーに出てきたようなやつだと思ってください。今、席について、パンダと話をしています。そしてその隣で、三角の帽子をかぶった魔女がパソコンの画面を睨みながらお客さまとやり取りを始めました。みんな忙しいんです。エボラにかまってくれるひと(?)などどこにもいません。
え?とうとう気が狂ったのかって?そんなわけないじゃないですか。この実況は古舘伊知郎ばりに正確に、目の前で起こっていることを描写しています。尚、なんのことだかわからず、目を白黒させている読者の皆さんのためにもう一度断っておきますが、本日は10月31日。例の日です。まいど屋は流行りものに弱いんです。読者の皆さんの中にも、そんなひとは多いんじゃないですか?とりあえず乗っからなきゃ損だって。まいど屋もその考え方に全面的に賛同します。ものごとの意味など一々考えてたら、あっという間に置いてかれちゃうんです。手にするはずだった何かが、はるか向こうに遠ざかってしまったことを知ったときには遅いんです。何だかわからなくても、巡ってきたものは捉まえときゃいい。自分が手にしたものがなんだったのかは、後でじっくり調べりゃいい。それがロクでもないものだったとわかったっていいじゃないですか。どうせもともと期待もしていなかったものなのだから。
なにはともあれ、本日、まいど屋にはまともな人間は一人もいません。サポートセンターのスタッフも含め、全員一応日本語はしゃべれますが、的確な応答をしているかどうかは責任が持てません。さらに詳しい事情をお知りになりたい方は、大変お手数ですが、まいど屋トップページで連載している「まいど君がゆく」のバックナンバーから、前回の98話を探して確認してみてください。そしてユーチューブで修二と彰の「青春アミーゴ」を聴いてみるとより一層理解が深まります。
SI、まいど屋はいつでも、月刊まいど屋がいまいちだった、業界じゃ笑い者、そうだろう?SI、まいど屋は昔から、月刊まいど屋にすべてを賭け、信じてやってきた、なぜだろう?
----どうでもいいけど、顔がヒリヒリと痛いです。以上、月刊まいど屋編集部からお送りしました。スタジオさん、どうぞ。

今月のテーマは秋冬作業服
やっとやって参りました。読者の皆さん、お待たせしました。今月のテーマは、皆さんの大好物、作業服です。ここ最近、レポートのネタを見つけるのがしんどくなっていたため、新しくまいど屋がつくったお店の紹介やら、自爆テロのような企画モノやらで何とかピンチを凌いできたのですが、もういい加減ごまかすことも限界になり、こうして心を入れ替えてまともな取材をしてきたというわけです。もちろん、作業服はまいど屋の一丁目一番地ですから、それなりのプレッシャーを感じながら、覚悟を持ってやったんです。そしてその結果がこのザマです。
言い訳をさせてもらうと、あまりに長い間、フラフラと作業着から遠ざかっていたため、感覚を取り戻すことができなかったんです。1社目のジーベックで力を使い切ったように息が切れ、2社目のコーコスで足元がふらつき始めて論旨が甘くなり、3社目のビッグボーンではもう考える力が残っていなかった。それでいつもの悪い癖が出て小説のような話の持っていきかたになって月刊まいど屋の生命線であるリアリティーを完全に失ってしまった。一旦脱線するとなかなか軌道修正をすることも難しくて、最後は時間切れで何やら場末のレストランのショーウィンドウに飾られている食品サンプルのようなレポートが3本並ぶことになってしまいました。
とりあえずインタビュー相手がしゃべったことは全て漏らさず、ありのままを書いたので内容自体は正確なのですが、読者の皆さんにうまくテーマが伝わったのかどうかは自信がありません。無責任な話ですが、何を言いたいのかいまいちわかりにくい個所は読者の皆さんが上手く想像力を膨らませ、足りない部分を補って読み進めていただければと思います。題して超無責任な作業服特集。植木等も真っ青ですね、きっと。

焼肉とオセロとじんましん
なんだか部屋とYシャツと私をパクったみたいなタイトルですみません。今月は何故だか替え歌づいているんです。一度脳が替え歌モードに入ると、そこから抜け出せなくなっちゃうのでもう止まりません。替え歌が嫌いな読者の方は、たまたまランチで注文した炒め物にシャンサイでも入っていたと思って諦めてください。それだけを選り分けて食べることはできないんです。どうしても好みでなかったら、ランチ丸ごと手を付けず、そのまま立ち去ってしまうしかありません。こっちとしても、別に奇をてらったわけではなく、ちゃんとこのタイトルでなきゃいけないわけが一応はあるんだけど。
でですね、とりあえずそんなどうでもいいことはさておいて、何だっけ?あ、そうそう、今シーズンの防寒の動きが異常に早いっていう話をしたかったんです。今年はなぜかお彼岸に入る前から防寒着のご注文が急増して、スタッフもみんな首を捻りながら、この分だともしかしたら12月に入るころには在庫切れを起こす商品が出てくるかもしれないなどと不安そうに囁き合っているっていう話です。別に皆さんを煽って今月の防寒着の売り上げを伸ばそうとしているわけではありません。上欄で紹介した通り、今月は防寒ではなく、普通の作業着の特集をしているのだから、まいど屋としても今は防寒以外の作業着に集中したいところなんです。それに、これはオフレコですが、来月予定している防寒特集の時に肝心の商品がないなんてことになったらどうにもならないじゃないですか。特集にまたしても「目も当てられない防寒特集」なんてタイトルをつけることになりかねず、そうなれば、読者の皆さんからはいい加減にしろとお叱りを受けるのが目に見えています。だから本音を言うと、今月はそんなに防寒に注目が集まってほしくない。皆さんが買うっていうのを止める権利はまいど屋にはないんだけれど。
それにしても、こう防寒の在庫がどんどんなくなっていくと、個人的にも何だか急に寒さを感じ始め、先日耐えられなくなってとうとうストーブを出しました。例年だとお彼岸になったらすぐにストーブをつけるのですが、今年はかなりがまんしました。初日を遅くしたのは、別に他のスタッフたちのブーイングに屈してしまったからではありません。そんなものは屁でもありません。それより、もっと切実な問題でそうせざるを得なかったんです。さっきの替え歌がやめられなくなる話じゃないけれど、一度身体がストーブに慣れてしまうと、もう手放せなくなってしまうんです。それはもう、アル中患者みたいなもので、朝から晩まで、一日中ストーブに当たっていないといけない身体になってしまいます。そして9月から6月まで、一年の内9か月間、ストーブの横にいて肉を焼きつづけると、いろいろ興味深い現象が起きてきます。まず、熱が直接伝わる身体の左半分がヒサロに行ったように黒々としてくる。風呂場で鏡を見ると人間オセロみたいです。それだけならまだいいのですが(よくはないですが)、実は去年の秋にはとうとうじんましんを発症したんです。全身に発疹があらわれて、まるで人間ゴルフボールみたいです。しかもかゆい。強い抗生物質を飲み続け、体じゅうにベタベタする軟膏を塗りたくり、毎日ジャージで出勤することを余儀なくされると、さすがに気分が滅入ってきます。
というわけで、今年はストーブの初日を限界まで引っ張り、しかも出したストーブは自分の方ではなく、斜め前方に向けて直射を避けるようにしておきました。ちなみに、火を向けた方向には、入社したての初々しい女性スタッフが座っています。彼女が徐々にガングロに変貌し、気付いたときにはジャージで出勤してたなんてことにならなければいいのですが。