まいど通信


        

●なぜ「白衣」はグッとくるのか

 まいど! 編集長の奥野です。
 今回はメディカルウェアの特集となったわけですが、実を言えば「白衣」は昔から興味を感じているジャンルでした。
 ドクターコートがカッコいいとか、ナース服に惹かれるとかじゃなくて、「仕事の専門性」がバシッと表れているのがいいんですよ。
 作業服を着ている人を見ても何の仕事なのかまではわからないけれど、白衣ならひとめ見ただけで「医者だ」「看護師だ」とわかる。このクリアで潔い佇まいに、非常にグッとくるものがあります。制服でも白バイや特殊部隊など、専門性の高いものほど「おおっ」という気がしますよね? ユニフォームのかっこよさというのは、「技能の専門性」からくるのかもしれません。
 ついでに白状すると、学生のころ、実験用の白衣を着ている理系の友達がうらやましくて、売店で白衣を買ってしまったことがありました。今でもたまにエプロン代わりに使っています。真っ白な服というのは気持ちがシャンとしていいものですね。
 風邪をひいてもほとんど病院に行かない私ですが、今回の取材をしているうちにちょっと病院に行ってみたくなりました。
「まいど屋」でも、白衣とメディカル系ウェアの専門ショップ「メディコレ!」が、もうすぐオープンします。医療だけでなく介護や整体などの需要も高まるなか、ますますメディカルウェアから目が離せなくなりそうです。

●新幹線で起きた事件

 今回の取材では、ちょっとしたトラブルがありました。
 東京で2社の取材を終え、友人と会ってから大阪に向かう新幹線に乗ったのが20時台です。
 その日は朝5時起きで東京に向かっていたので、さすがに眠気を感じる……。東京駅を発車し加速を始めた車内でプシュっと缶ビールを開け、ひと口呑んでちょっとウトウトした次の瞬間、
「……を出ますと、次は岡山に停車いたします」
 というアナウンスが聞こえてきました。
「な、なんだコレはぁあぁああ!」
 状況がサッパリわからないなか、本能の命じるままにとっさにカバンを掴んで下車すると、そこは姫路のホームでした(あと数秒遅れたら岡山行き決定。我ながらナイス判断!)。
 姫路駅のホームにひとり。心底ウンザリしつつも大阪に戻る在来線を待っていると、なんとやってきたのは寝台特急「サンライズ出雲」の東京行きです。関東の人(主に鉄道ファン)が出雲大社に行くのに使うヤツですね。前から乗ってみたいと思っていた夢の寝台車です。
 乗車し、寝台券なしで寝られる「のびのびシート」に横になってみる。しかし、数分前からの「やっちまった」という落胆と「憧れの電車に乗れた」という高揚がないまぜになったわけのわからない気分が押し寄せ、頭はパンク寸前です。
 それでも「乗り越しはもう取り返しがつかないんだから楽しまなきゃ」と、なんとか気持ちを切り替え、車内を探検。写真を撮ったりごろ寝したりしているうちに大阪駅着となりました。
 もう家に帰る電車はありません。敗残兵のような気分で梅田のカプセルホテルのフロントを訪ねると、
「満室ですが、休憩室でなら寝れますよ」
 そして今回の出張は、カーペット敷きの休憩室にトドのように転がる男たちの中で、おっさんの毛むくじゃらの足が顔に当たらないようビクビクしながら雑魚寝、という感動的なエンディングを迎えたのでした。
 快適な夜とまで言えないものの、ダメージコントロールというか、最終的になんとか楽しく過ごせたのは自分でもさすがだな、と思います(ネタにもなったし)。
 というわけで、今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
 次回6月号は「春夏作業服」を特集する予定です。お楽しみに!