【ダイヤゴム】耐溶剤手袋のナンバーワンブランドimage_maidoya3
薬品を使うんだけど。酸につよいものがほしいんだけど。まいど屋サポートセンターではお客さまからのそんなお問い合わせをよく受ける。溶剤を使用するような特殊な環境で威力を発揮するオススメ商品。まいど屋サポートセンターのスタッフの頭にすぐ浮かぶのが、ダイヤゴムの「ダイローブ」シリーズだ。
  何しろ種類が豊富。基本の一般溶剤用と耐酸・耐アルカリ用に加え、静電気対策用、耐熱用、防寒用など、プラスアルファのバリエーションがかなりある。それぞれのジャンルでゴムの配合や厚さ、長さが微妙に違い、用途に合ったアイテムが必ず見つかるからまず真っ先にチェックしてみるのが正解だ。
  そんなこと言われても、専門的すぎて分からない!わかりやすく説明してほしい!え、やっぱりそうですか?カユイところに手が届く月刊まいど屋編集部。そんなお客さまの声に応えるため、今回の取材では群馬県にあるダイヤゴムの本社を訪問し、商品の特性について、詳しくアドバイスを伺ってきた。

ダイヤゴム
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商品の説明をする高坂さんと石綿さん。
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本社社屋。ここから次々と、新しいアイデアが生み出されている。
「ダイローブシリーズは特殊な環境での使用を想定した、専門性の高い作業手袋ですが、あまり難しく考えないでくださいね。製造業の現場では、溶剤を使ったりする『特殊な』作業は、ごくごく一般的なことですから」。そんな優しい言葉で始まった今回のインタビュー。対応してくれたのは取締役の高坂さんと、管理部 経営企画課の石綿さん。専門的な話を、わかりやすく、かいつまんで説明してくれる。「例えば、油や溶剤、酸、アルカリなどの薬品を扱うケース。高温や超低温な環境下での使用。静電気の発生を嫌う精密機器の製造ラインなど。そのような現場は一般の作業手袋では対応できません。特定の用途のために設計された専門的な手袋が必要なんです」(高坂さん)。
  なるほど。なんだかわかったような気がする。ちょっと勇気づけられたところで、石綿さんが説明を続ける。「ダイローブシリーズが使用する素材は、大きく分けて3タイプあります。それぞれの素材によって、強みを発揮できる分野が違うんです。商品名が全て『ダイローブ』だから、馴染みのない人にはわかりにくいかもしれませんね」。
  わかりにくい話はお断り!そこで、石綿さんに素材別の特徴を聞いてみた。「機械作業、鉄工業、部品洗浄、塗装作業など、さまざまな油・溶剤を使用する作業シーンに相性がいいのがポリウレタン製です。ほとんどの有機溶剤に溶けることがなく、使用後の硬化もありませんから、耐溶剤手袋の素材として、最適なんです」。
  なぜ、ポリウレタンは溶剤に溶けないんだろう?そんな質問にも丁寧に答えてくれる。「普通の素材は溶剤を吸収して膨張してしまうんです。手袋素材の分子と分子の隙間に溶剤が介在することにより、分子間の結合が弱くなって劣化する。ところがポリウレタンでは、有機薬品の浸透による膨張が非常に少ない。有機溶剤に対して耐性が高いというのは、そういうことです」。
  では、硫酸・塩酸や苛性ソーダなどの無機薬品を扱う場合はどうか。「半導体、薬品製造、メッキ工業など、強酸、強アルカリを扱う作業には、CSM製手袋がおすすめですね。CSMはエスカレーターの手すり部などで使用されている素材で、非常に柔らかく耐久性もある。ただし、有機溶剤は使えないので、注意が必要ですが」。
  耐溶剤以外にも、ダイローブシリーズにはさまざまな特殊環境に適した手袋がある。例えば精密部品の製造など、高い制電性が求められる現場で人気のポリウレタン手袋。高温の液状物を扱うときにオススメのシリコン手袋は200度でも樹脂が溶けださない。反対に、マイナス60度でも硬化しないポリウレタン製の耐寒手袋もある。南極でも使われているくらい、実績があるという。注意が必要なのは、ポリウレタンにも溶剤に強いものと耐寒性に優れたものと2種類あるということ。耐寒用のポリウレタンを使用した手袋には耐溶剤性はないのだそうだ。
  これだけ特殊な性能をもった手袋を開発するには、苦労も多かったのではないだろうか。最後にそんな質問を投げかけると、高坂さんから面白い答えを聞くことができた。「確かに、いろいろと解決すべき問題がありました。オリジナルな製品をつくろうと思うと、生産技術や設備、検査機器なども全て開発していかなければなりません。工場の機械や検査用の設備などもほとんどが当社で開発したオリジナルなんです。一から考えて試行錯誤を繰り返すことで、ようやく納得のいく製品ができる。苦しいですが、製品ができた時の達成感、お客さまから評価された時の喜びも大変大きい。そこがこの分野のパイオニアとしての醍醐味ですね」。
  他社があまり取り組もうとしない、特殊な機能や耐性に特化させた特殊な手袋を開発すること。それによって、人の手を守るということが会社の使命だという高坂さん。これからも彼らの研究開発に注目していきたい。
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ダイヤゴムの研究開発体制について語る取締役の高坂さん。
 

    

溶剤に強いポリウレタン手袋シリーズ

天然ゴムや塩化ビニールの約半分の軽さの上、丈夫で嫌な臭いもなし。手袋から溶け出す物質が少なく、手と環境にやさしい溶剤用手袋シリーズ。機械作業、鉄工業、部品洗浄、塗装作業など、さまざまな油・溶剤を使用する作業シーンに最適。


ポリウレタン製防寒手袋シリーズ

ポリウレタンの持つ耐寒性を最大限に活用。マイナス60度の環境下でも樹脂の硬化による亀裂が生じることなく作業可能。