読者の皆さんはスベリ止め付き軍手と言ったら、どんな種類を思い浮かべるだろう。ボツ付き軍手、ゴム張り手袋、ゴム引き手袋。二つ以上言えたら詳しい方。そんなところではないだろうか。正直に言おう。今回の企画で勝星を取材することになったとき、困ったことになったなぁと思ったのが、まず頭に浮かんだ感想。
勝星は日本でいちばん有名なボツ付き軍手のメーカーである。ボツ付き軍手に特化していると言っていい。何しろ種類が多い。軍手の厚みを変え、サイズを変え、スベリ止めボツの材質やパターンを変え、ありとあらゆる細かな違いが商品化されている。素人にはコレとソレと、いったい何が違うのか、皆目見当がつけられない。これは困ったことになったぞ。
タフな取材になりそうだ。そんな不安な気持ちを抱えながら、勝星の富山本社にお伺いしてインタビューを行った今回の企画。もう一度正直に言うと、お話を聞いてかなり勉強になった。単純に見える商品ほど、奥が深いことを痛感した。読者のみなさんにも、勝星製品の良さがうまく伝えられるか。以下のレポートを読んでほしい。
勝星は日本でいちばん有名なボツ付き軍手のメーカーである。ボツ付き軍手に特化していると言っていい。何しろ種類が多い。軍手の厚みを変え、サイズを変え、スベリ止めボツの材質やパターンを変え、ありとあらゆる細かな違いが商品化されている。素人にはコレとソレと、いったい何が違うのか、皆目見当がつけられない。これは困ったことになったぞ。
タフな取材になりそうだ。そんな不安な気持ちを抱えながら、勝星の富山本社にお伺いしてインタビューを行った今回の企画。もう一度正直に言うと、お話を聞いてかなり勉強になった。単純に見える商品ほど、奥が深いことを痛感した。読者のみなさんにも、勝星製品の良さがうまく伝えられるか。以下のレポートを読んでほしい。
勝星
上保さんと野守さん。丁寧にインタビューに答えていただき、ありがとうございました!
たくさんの商品が並べられた、展示室兼会議室。
まさか、すべり止め付き軍手がここまで工夫を凝らして作られているとは。彼らの話を聞いている二時間の間、そんな、驚きの連続だった今回の取材。普段使う軍手を、こだわりをもって選んだことなんかなかった。読者の皆さんも、きっとそうではないだろうか。その考えは、今日限りで終わりにしたほうがいいようだ。
インタビューに答えてくれたのは取締役 工場長の上保さんと、営業部の野守さん。ボツ付き軍手はどれも同じように見えるが、どうしてこんなに種類が必要なのか。失礼な質問に、上保さんが丁寧に返事をする。「スベリ止めのボツの材質にもいろいろあるんです。一般的なのは塩化ビニール。安価につくれ、グリップ力もそこそこあるので、一番種類が多いです。スベリ止めの性能をもう少し重視するなら、天然ゴムもいい。いわゆる、『くいつき』がいいんです。握ったものが手に貼りつくような感覚がある」。
原手自体のバリエーションも非常に重要だと上保さんは説明する。「ざっくりした厚手の軍手、細かな作業に適したハイゲージ軍手。使用する原手によって、はめた時の感覚が全く違うし、使用する目的も異なる。例えば、13ゲージ以上の薄手の原手なら、精密作業やドライブなどに最適です。逆に厚地になれば、土木建築など、ハードな作業にも対応できる」。
お客さまから評判のいいデザイン上の工夫もあるんですよ。そう言いながら、今度は営業の野守さんが手袋を差し出してくれた。「どこに工夫があるかわかりますか?」
よく見ても特に工夫があるとも思えないと答えると、笑いながら解説してくれる。「よく見てください。小指の位置が普通より下がり気味でしょう。実際の手により近い形にすることではめたときのフィット感が全然違うんです。こっちの手袋の指先はどうですか?薄い樹脂で補強がしてあるでしょう。手袋は指先がほつれやすいですから。ヘビーユーザーのお客さまの意見を取り入れて、商品化したんです」。
最近の衛生意識の高まりに対応して、抗菌効果を強化したスベリ止め手袋もあるという。もう一つ、手袋を差し出しながら、上保さんが説明する。「手袋本体の外面に、あらかじめ抗菌剤を含んだ滑り止めの突部を付けました。これまでになかった工夫で、特許も取得済みです。滑り止め突部自体に抗菌剤を含ませてあるので、物に触れても抗菌剤が剥離しないんです。抗菌剤を手袋の繊維に練り込んだだけの『抗菌仕様』では、物に最も触れやすい突部に菌が付着すれば、突部面上で菌が成長・増殖する恐れがあります。また、滑り止め突部を貼り付けた後に手袋本体を抗菌剤溶液中に浸漬した場合でも、突部が物に触れると抗菌剤は摩擦によって剥がれ落ちやすく、効果の持続という点で問題があったのです。この手袋なら、そんな問題は全くありません。抗菌効果が、確実に、長期間持続します。発売以来、たくさんのお客さまに愛用していただいて、評判がいいですよ」。
普段から何気なく目にしている勝星の軍手。同じように見えても、それぞれに大きな特徴がある。長年、勝星を愛用しているユーザーなら、きっと理屈抜きに、手のひらがその違いを覚えているのだろう。読者の皆さんも、軍手が必要なときには「勝星製であるかどうか」に注目してみてほしい。しばらく使い続ければ、彼らがたくさんの種類のボツ付き軍手を作り続けている意味がわかるようになるハズだ。
インタビューに答えてくれたのは取締役 工場長の上保さんと、営業部の野守さん。ボツ付き軍手はどれも同じように見えるが、どうしてこんなに種類が必要なのか。失礼な質問に、上保さんが丁寧に返事をする。「スベリ止めのボツの材質にもいろいろあるんです。一般的なのは塩化ビニール。安価につくれ、グリップ力もそこそこあるので、一番種類が多いです。スベリ止めの性能をもう少し重視するなら、天然ゴムもいい。いわゆる、『くいつき』がいいんです。握ったものが手に貼りつくような感覚がある」。
原手自体のバリエーションも非常に重要だと上保さんは説明する。「ざっくりした厚手の軍手、細かな作業に適したハイゲージ軍手。使用する原手によって、はめた時の感覚が全く違うし、使用する目的も異なる。例えば、13ゲージ以上の薄手の原手なら、精密作業やドライブなどに最適です。逆に厚地になれば、土木建築など、ハードな作業にも対応できる」。
お客さまから評判のいいデザイン上の工夫もあるんですよ。そう言いながら、今度は営業の野守さんが手袋を差し出してくれた。「どこに工夫があるかわかりますか?」
よく見ても特に工夫があるとも思えないと答えると、笑いながら解説してくれる。「よく見てください。小指の位置が普通より下がり気味でしょう。実際の手により近い形にすることではめたときのフィット感が全然違うんです。こっちの手袋の指先はどうですか?薄い樹脂で補強がしてあるでしょう。手袋は指先がほつれやすいですから。ヘビーユーザーのお客さまの意見を取り入れて、商品化したんです」。
最近の衛生意識の高まりに対応して、抗菌効果を強化したスベリ止め手袋もあるという。もう一つ、手袋を差し出しながら、上保さんが説明する。「手袋本体の外面に、あらかじめ抗菌剤を含んだ滑り止めの突部を付けました。これまでになかった工夫で、特許も取得済みです。滑り止め突部自体に抗菌剤を含ませてあるので、物に触れても抗菌剤が剥離しないんです。抗菌剤を手袋の繊維に練り込んだだけの『抗菌仕様』では、物に最も触れやすい突部に菌が付着すれば、突部面上で菌が成長・増殖する恐れがあります。また、滑り止め突部を貼り付けた後に手袋本体を抗菌剤溶液中に浸漬した場合でも、突部が物に触れると抗菌剤は摩擦によって剥がれ落ちやすく、効果の持続という点で問題があったのです。この手袋なら、そんな問題は全くありません。抗菌効果が、確実に、長期間持続します。発売以来、たくさんのお客さまに愛用していただいて、評判がいいですよ」。
普段から何気なく目にしている勝星の軍手。同じように見えても、それぞれに大きな特徴がある。長年、勝星を愛用しているユーザーなら、きっと理屈抜きに、手のひらがその違いを覚えているのだろう。読者の皆さんも、軍手が必要なときには「勝星製であるかどうか」に注目してみてほしい。しばらく使い続ければ、彼らがたくさんの種類のボツ付き軍手を作り続けている意味がわかるようになるハズだ。
真っ白な壁面が印象的な勝星本社の社屋。まだまだ秘密が隠されていそうな雰囲気だ。
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ビニボツシリーズ 厚手で丈夫なボツ付き軍手。独自のパターンにより、グリップ力と作業性が一層アップ。ほつれやすい指先には透明樹脂加工付き。 |
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エコタイプのボツ付き手袋シリーズ ペットボトルの再生ポリエステル糸を使用した、環境にやさしいボツ付き軍手。「グリーン購入法」適合商品。 |
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