【アタックベース】こんな防寒ウェアがあったんだ!image_maidoya3
全くもって恐れ入ったというほかない。うかつだったと恥じ入るしかない。日本一の作業着通を自認するまいど屋としたことが、完全に不意を突かれて慌てふためいた。本格的なウインターシーズンが始まる少し前、取り扱いのある膨大な数の防寒ギアを改めてチェックし直していた時のことである。
  数ある中からこれはと思う防寒着をピックアップし、社内用の重点対策商品としてリストアップしていくと、見慣れぬウェアが多数含まれていることに気付く。そしてそれらが皆、アタックベースだったのだ。自慢ではないが、長年の経験でいわゆるウケがよさそうな防寒着はニオイでわかる。業界的に言えば、ツラがよくって、価格がこなれていて、そして当たり前のことだが防寒着としてちゃんとガッチリ暖かければ、まず間違いなくヒットする。そこでリストを基に、お客さまからのご注文が殺到しても困らないよう、あらかじめ手を打っておくわけだ。下準備は通常、夏真っ盛りの8月ごろに始めて、お彼岸を過ぎたあたりで最終チェックに入る。商品画面はきちんとできているか。在庫は十分な量を確保したか。すべてを確認し、やれやれ、ようやく終わったと思って一安心していたところで気が付いた。アタックベースが抜けているじゃないか!
  ここで言い訳がましく釈明すると、同社はつい最近まいど屋のラインナップに加わったブランドだったため、下準備の段階では完全にノーマークだったのだ。新規参入で馴染みが薄いこのメーカーに、それほどの力があるとは予想していなかったのだ。だが、心を落ち着けて、公平な目でコレクションを眺めてみると、数多くのアイテムから、人気商品特有のニオイがプンプンと立ち昇っているのがはっきりわかる。本格的なシーズンが始まる前にしっかり準備をしとかなきゃいけないよって、長年の経験に警告を発している。その他大勢のコレクションでいてくれたら本当によかったのだけど、そうもいかない。商品リストを手に、急遽アタックベースの広島本社に向かい、担当者から詳しい商品説明を受けることにする。今回の取材は読者皆さんのためというよりは、むしろまいど屋自身のために行ったもの。大変勉強になったので、皆さんにもご報告しようと思う。
 

アタックベース
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素肌に1枚で着てあったかい防風コンプレッション(985-15)
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HUMMERの防風ジャケット(822-1)と発熱コンプレッション(825-15)
「今、防寒のテーマは“軽い”“動きやすい”“あったかい”。これに当てはめて、アイテムの組み合わせを考えながら商品づくりを行っています。そんな中で我々が今季注力したのは主に次の3つ。1番目がコンプレッションを中心とした『防風』シリーズ。2番目が他社であまりやっていない『綿の防寒』。そして、3番目がリーズナブルでちょっと違うスタイルを提案している『軽防寒』です」。今回の商品レクチャーで講師役を務めるのは、ユニフォーム営業部兼企画開発部の松田部長。断わっておくが、まいど屋にとってアタックベースの防寒はすべてがお初。全アイテムを詳しく説明いただきたいところだが、時間もないし紹介するスペースもない。そこで、涙をのんで今季特に押している商品群に絞って講義してもらうことにした。
  それでは1番目。ダントツのイチ押しアイテム、北風ビュービューでも平気な顔の『防風』シリーズから。「冬に1枚で着られるインナーが欲しいなぁ・・・。そんな発想で作った、インナーの概念を変える、いや、アウターの概念をも変える画期的なアイテムです」。
  商品を見て、なーんだ、なんてことはないコンプレッションじゃん。と思ったのもつかの間。手に持って触れてみて認識を改めた。カタチこそコンプレッションだが、素材がしっかりして弾力があり、ウェットスーツの生地のよう。「でしょ!ウェットスーツを着て屋外に出ている感覚に近い。これを素肌に直接着れば、1枚でもしっかり暖かい。もし、上に何か着るのであれば、ベストだけでも十分です」。
  あったかさのヒミツは、ストレッチ素材の間にラミネートフィルムを挟んだ3層構造。ラミネートが外からの風をシャットアウトし、内においては体温をしっかりキープして外に逃さない。「昨年、丸首の『975-15』を出して非常に好評をいただきました。ただ、“動きにくい”“小さい”という声もありましてね。というのも、発熱コンプレッションの上に着る方が多くて・・・。ピチッとしたものを二枚重ねすれば動きにくいのは当然で、素肌に着ることを周知徹底できなかったのは反省点でもあります」。
  そこで、今季の新商品では丸首タイプ(型番:985-15)の切り替えを首まで広げ、これまで以上にタテ・ヨコに伸びやすく改良。また、新たにジップアップタイプ(型番:995-15)も作り、下に1枚着てもいいように、丸首よりもサイズをゆったりさせている。「今年2月に会社の仲間4人とゴルフに行き、メンバー全員で素肌に防風コンプレッションを着てラウンドしたんです。上に半袖のウインドブレーカーを羽織っただけでしたが、全然寒くない。 それで“これはイケる!”と確信しました(笑)」。なお、人気ブランド『HUMMER』からも、昨年は防風ジップアップ(型番:815-15)、今年は防風ジャケット(型番:822-1)が登場している。防風ボンディング3層構造をオシャレに取り入れたい方は、こちらもチェックしてみよう。
  続いて2番目の注力商品、『031-1』シリーズ。綿の防寒は他社にはあまりないというが、アタックベースでは年間モノの作業服に対応して同デザインで展開している。「特にパンツ(型番:032-2)が人気です。裏地はスムースに足入れできるよう、前はトリコット、後ろはフリース仕様にしています。“モコモコしないので普通のパンツをはいているみたい”と好評なんですよ。防寒パンツというと、通常は作業ズボンの上に重ねばきするけど、これは1枚でいい。上に防風コンプレッションとベストを着れば十分あったかいし、この組み合わせで揃えれば、上下一式でも1万円で十分おつりがきます」。
  さて、最後の3番目。普段にも着られるオシャレ感と手ごろ感、そして何よりリーズナブルな価格が魅力の軽防寒について。「裏フリースのブルゾン、コート(型番:755-1、757-7)は値段が安くて、ちょっと洒落たあったかいヤッケという感覚で着られます。現場作業ではあまり重装備のウェアでは動きにくいので、これくらいがちょうどいい。それと、半袖中綿ハーフジップ(型番:3850-1)は中綿入りでもスポーティーに見えて、実際、本当に動きやすいです。ゴルフウェアではよくありますよね。あれのワーキング版です。暖かくって、スイングの邪魔にならないほど運動性がいいのなら、ワーキングに応用しない手はないですよ。防風コンプレッションと組み合わせるとカッコよくキマりますから、是非、試してみてほしいですね」。
  軽防寒からはちょっと外れるが、軽量ついでに昨年デビューして好評を得た『485-1』シリーズにも触れておこう。「防風・撥水で超軽量がウリ。耐水圧が12,000㎜以上ある生地を使っていますが、縫い目にシームテープを貼ると重くなってしまうので、あえて貼らずに軽く仕上げています。止水ファスナーを使ったWポケットは、一方をビッグサイズにして手袋のまま手が入れられるように。また、貴重品用に内ポケットもちゃんと付けています」。
  このほか、防風防水ツナギ、カモフラ柄を織りで表現した粋なジャケット、フリースの寒さを覆したい一心で作った防風フリースジャケットなど、アタックベースならではの個性的なアイテムについてもレクチャーしてもらったので、それらについては巻末の商品コーナーで紹介しておく。
  最後に、松田部長から講義のシメとして一言。「これまで“冬のインナーは安くないとダメ”ってのが常識でしたが、今や2,000円台の防風コンプレッションでも買っていただけるようになりました。裏を返せば、その分、上着が軽く薄くなったということです。軽い、動きやすい、暖かい。今後もしばらく、この3つを意識して、商品作りを進めていきたいと思っています。月刊まいど屋の読者の皆さんも、どうか期待してくださいね」。
 
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防風、撥水、軽量の高機能ウェア、中綿入り防風ジャケット(485-1)
 

    

スタイルがいいくせにマジでメチャ安!真冬の間はヘビーローテ確実の031-1シリーズ

綿100%防寒の人気No.1シリーズ。ブルゾン、ベストは中綿とフリースボア衿のあったか仕様。0133-1はヘルメット着用でもOKのデカフード付き。中綿入りのあったかパンツは、裏地は前部分に滑りのいいトリコットを使って足入れ感よく、モタつかず。後ろはフリース仕様でふんわりポカポカ。


ソフトで暖か!軽くて動きやすい!だからコイツを手放せない!スポーティーなフェイスと確かな保温力でワーカーをその気にさせる755-1シリーズ

商品企画を担う松田部長に「ちょっとシャレた、あったかヤッケ」と言わしめた、軽さとお手頃価格が魅力のNEWアイテム。表地のマイクロタフタで風を防ぎ、裏のフリースでしっかり保温。赤いジップと切り替えラインがスポーティーなブルゾン、コートはお好みで。カーゴパンツは前開きファスナー付き。気軽に羽織れるので普段着にもオススメ。