う~ん、迷う。せっかく名古屋まで来たんだから名古屋メシ。味噌煮込みうどんか、きしめんか。気分的には、超あったまりそうな味噌煮込みだよね。でも、きしめんも捨てがたい・・・。
ここ、名古屋市東区にある『川井屋本店』は、名古屋ではちょいと名の知れた麺処。大正10年(1921年)の創業以来、手ごね・手延ばし・手切りの純手打ち製法を守り続けている。
界隈は名古屋の中でも高級住宅街といわれるエリアで、すぐ近くには日本初の女優・川上貞奴の邸宅を移築・復元した『二葉館』や、自動織機を発明した豊田佐吉(あのトヨタの創始者)の実弟の屋敷『旧・豊田佐助邸』など、大正時代のレトロな建物が点在し、ちょっとした観光スポットにもなっている。
通りに面した麺打ち場を横目に暖簾をくぐると、純和風の店内は広々としていて、テーブル席あり、座敷席あり。この日は特別寒いこともあって、あちこちのテーブルでアツアツの鍋から湯気が上がっていた。
メニューを開くと、『きしめん』(580円)、『かけそば』(630円)、『釜揚げきしめん』(920円)といった温かい麺から、『ざる』(820円)、『冷しとろろ』(890円)など冷たい麺まで並び、値段は最も高いものでも『天ざる』(1,900円)と至って良心的(いずれも税込)。この立地で純手打ちなら、むしろ安いぐらいかもしれない。
どれにしようかとさんざん迷った挙句、オーダーしたのは冷たい麺の『えびおろしきしめん』。え、名古屋メシとして邪道じゃないかって?だって、ホールのお姉さんに聞いたら、一年を通してこの店で人気No.1というのだから、食べないワケにはいかないじゃないですか。
・・・ということで、今回は食レポからはじめようと思う。
ここ、名古屋市東区にある『川井屋本店』は、名古屋ではちょいと名の知れた麺処。大正10年(1921年)の創業以来、手ごね・手延ばし・手切りの純手打ち製法を守り続けている。
界隈は名古屋の中でも高級住宅街といわれるエリアで、すぐ近くには日本初の女優・川上貞奴の邸宅を移築・復元した『二葉館』や、自動織機を発明した豊田佐吉(あのトヨタの創始者)の実弟の屋敷『旧・豊田佐助邸』など、大正時代のレトロな建物が点在し、ちょっとした観光スポットにもなっている。
通りに面した麺打ち場を横目に暖簾をくぐると、純和風の店内は広々としていて、テーブル席あり、座敷席あり。この日は特別寒いこともあって、あちこちのテーブルでアツアツの鍋から湯気が上がっていた。
メニューを開くと、『きしめん』(580円)、『かけそば』(630円)、『釜揚げきしめん』(920円)といった温かい麺から、『ざる』(820円)、『冷しとろろ』(890円)など冷たい麺まで並び、値段は最も高いものでも『天ざる』(1,900円)と至って良心的(いずれも税込)。この立地で純手打ちなら、むしろ安いぐらいかもしれない。
どれにしようかとさんざん迷った挙句、オーダーしたのは冷たい麺の『えびおろしきしめん』。え、名古屋メシとして邪道じゃないかって?だって、ホールのお姉さんに聞いたら、一年を通してこの店で人気No.1というのだから、食べないワケにはいかないじゃないですか。
・・・ということで、今回は食レポからはじめようと思う。
川井屋本店
年中人気の『えびおろしきしめん』(税込1,360円)
ご主人の櫻井太郎さんとホール担当の奥様
麺の上に盛られたたっぷりの大根おろしにワサビ、海苔、かまぼこ、にんじん、そしてドーンと存在感をもって横たわるえび天。よく見ると、その下には天かすも隠れている。これが『川井屋本店』の人気の一品、彩りも美しい『えびおろしきしめん』(税込1,360円)だ。
さっそく、お店のウリである手打ち麺からいってみる。大根おろしにワサビをちょいと乗せ、麺に絡めて一気にすすると、なめらかながらも口の中で跳ね返るような弾力が。これまで何度かきしめんを食べたことがあるが、ここまでコシのあるモチモチ麺は初めて。一般的なきしめんより少し厚みがあり、名古屋人好みという少し甘めのつゆによく絡む。それに大根おろしは辛みが強くないので、つゆや麺の味がよくわかる。注文を受けてから揚げるえび天はアツアツで、衣はサクサク、海老はふっくら。付け合せのレモンをかけてひと口、つゆを付けてひと口、大根おろしと一緒にひと口と、いろいろな味が楽しめる。人気No.1の品というだけあって、冷たい麺とアツアツのえび天、大根おろしの組み合わせは絶妙で、オーダーを決めるのに時間がかかったが、食べるのはけっこうあっという間だった。
さて、器の中のえびおろしワールドをめいっぱい堪能したところで、腹ごなしを兼ねて昼の営業時間が終わるまでお店の外を散策に。そして3時過ぎに再び訪れると、店主の櫻井太郎さんと奥様の真智代さんが笑顔で迎えてくれた。ご主人は衿にブルーのラインが入った七分袖の白衣に前掛け、白ズボン、白帽子。ホール担当の奥様は、紺色のかすり柄の上着にジーンズをはいている。
ユニフォームについてお伺いする前に、まずはご主人のお仕事内容について、ざっと。「きしめん、うどんも打つし、そばも打つ。毎朝6時から麺の仕込みに入ります。小麦と水を合わせて手ごねして、ビニールにしっかりくるんで足で踏んで。そうやって1日寝かしたものを手延ばしして切る。なんやかんやでトータル4時間ぐらい麺づくりにかけています」。ご主人によると、きしめん、うどんは、小麦を塩水でこね、うどんでも煮込み用は真水でと、用途に合わせて製法を変えているという。
じゃ、その白衣は、そうした作業に適したものを吟味して選んでいる?「もちろん!七分袖はいいですよ、袖を曲げれば半袖になるので作業しやすい。麺打ちの他にも下準備がいろいろあるから、なるべく汚れないように心がけています」。白衣はポリエステル65%、綿35%で、3セットをローテーションで着用。白を着ているのは清潔感があり、粉が付いても目立たないという理由からだそう。「以前、作務衣を着ていた時があるんです。色は紺で帽子も紺。でも、粉を扱うのでどうしても白っぽくなる。ちょっと触れただけでも手のあとが白く付く。あれは失敗だったかな。せっかく揃えたので3年ぐらい着ていたけれど、それからは白衣一筋です(笑)」。
ホールスタッフの制服は作務衣風の上着。紺地にかすり柄の民芸調生地は綿100%で、衿と結び紐の赤が愛らしさを添えている。「ホールスタッフは親父の代からこんな感じ。私は粉を扱うので紺はNGですが、ホールさんは紺のほうが汚れが目立たない」。
ところで、駐車場で遠方のナンバープレートを見かけたが、どんなお客さんが多いのだろうか。「ファミリー、カップル、お一人さまと、いろいろです。近隣の常連さんもいらっしゃいますし、遠方からわざわざいらっしゃる方も。関西弁が聴こえることもあります。駐車場には、へぇ~、こんなところからっていうナンバーもあって、逆にこっちが驚いています」。
奥様によると、最近はフェイスブックなどにアップするのか、スマホで写真を撮るお客さんも多いとか。「ネットが普及する前は、グルメ本を片手に訪れる方も多かったですね。この辺りには要予約の高級レストランや老舗の料亭もあるので敷居が高く感じられたのか、店の前を何度も行ったり来たりしてから入っていらして、メニューを見てホッ、という方もいらっしゃいました(笑)」。
確かに値段的には普通の麺処。名古屋に来て近くを訪れた際には、恐れずに入ってみては。あったかい雰囲気の良心的な店だから、きっと大満足すると思います。この日の私みたいにね。
【店舗情報】
川井屋本店
住所:〒461-0013 愛知県名古屋市東区飯田町31
電話:052-931-0474
食べログ: http://tabelog.com/aichi/A2301/A230104/23001465/
営業時間: 11:00~14:00
17:00~20:00 (L.O19:20)
※麺の品切れ等により、閉店時間前に終了する場合あり。
定休日:日曜・祝日
さっそく、お店のウリである手打ち麺からいってみる。大根おろしにワサビをちょいと乗せ、麺に絡めて一気にすすると、なめらかながらも口の中で跳ね返るような弾力が。これまで何度かきしめんを食べたことがあるが、ここまでコシのあるモチモチ麺は初めて。一般的なきしめんより少し厚みがあり、名古屋人好みという少し甘めのつゆによく絡む。それに大根おろしは辛みが強くないので、つゆや麺の味がよくわかる。注文を受けてから揚げるえび天はアツアツで、衣はサクサク、海老はふっくら。付け合せのレモンをかけてひと口、つゆを付けてひと口、大根おろしと一緒にひと口と、いろいろな味が楽しめる。人気No.1の品というだけあって、冷たい麺とアツアツのえび天、大根おろしの組み合わせは絶妙で、オーダーを決めるのに時間がかかったが、食べるのはけっこうあっという間だった。
さて、器の中のえびおろしワールドをめいっぱい堪能したところで、腹ごなしを兼ねて昼の営業時間が終わるまでお店の外を散策に。そして3時過ぎに再び訪れると、店主の櫻井太郎さんと奥様の真智代さんが笑顔で迎えてくれた。ご主人は衿にブルーのラインが入った七分袖の白衣に前掛け、白ズボン、白帽子。ホール担当の奥様は、紺色のかすり柄の上着にジーンズをはいている。
ユニフォームについてお伺いする前に、まずはご主人のお仕事内容について、ざっと。「きしめん、うどんも打つし、そばも打つ。毎朝6時から麺の仕込みに入ります。小麦と水を合わせて手ごねして、ビニールにしっかりくるんで足で踏んで。そうやって1日寝かしたものを手延ばしして切る。なんやかんやでトータル4時間ぐらい麺づくりにかけています」。ご主人によると、きしめん、うどんは、小麦を塩水でこね、うどんでも煮込み用は真水でと、用途に合わせて製法を変えているという。
じゃ、その白衣は、そうした作業に適したものを吟味して選んでいる?「もちろん!七分袖はいいですよ、袖を曲げれば半袖になるので作業しやすい。麺打ちの他にも下準備がいろいろあるから、なるべく汚れないように心がけています」。白衣はポリエステル65%、綿35%で、3セットをローテーションで着用。白を着ているのは清潔感があり、粉が付いても目立たないという理由からだそう。「以前、作務衣を着ていた時があるんです。色は紺で帽子も紺。でも、粉を扱うのでどうしても白っぽくなる。ちょっと触れただけでも手のあとが白く付く。あれは失敗だったかな。せっかく揃えたので3年ぐらい着ていたけれど、それからは白衣一筋です(笑)」。
ホールスタッフの制服は作務衣風の上着。紺地にかすり柄の民芸調生地は綿100%で、衿と結び紐の赤が愛らしさを添えている。「ホールスタッフは親父の代からこんな感じ。私は粉を扱うので紺はNGですが、ホールさんは紺のほうが汚れが目立たない」。
ところで、駐車場で遠方のナンバープレートを見かけたが、どんなお客さんが多いのだろうか。「ファミリー、カップル、お一人さまと、いろいろです。近隣の常連さんもいらっしゃいますし、遠方からわざわざいらっしゃる方も。関西弁が聴こえることもあります。駐車場には、へぇ~、こんなところからっていうナンバーもあって、逆にこっちが驚いています」。
奥様によると、最近はフェイスブックなどにアップするのか、スマホで写真を撮るお客さんも多いとか。「ネットが普及する前は、グルメ本を片手に訪れる方も多かったですね。この辺りには要予約の高級レストランや老舗の料亭もあるので敷居が高く感じられたのか、店の前を何度も行ったり来たりしてから入っていらして、メニューを見てホッ、という方もいらっしゃいました(笑)」。
確かに値段的には普通の麺処。名古屋に来て近くを訪れた際には、恐れずに入ってみては。あったかい雰囲気の良心的な店だから、きっと大満足すると思います。この日の私みたいにね。
【店舗情報】
川井屋本店
住所:〒461-0013 愛知県名古屋市東区飯田町31
電話:052-931-0474
食べログ: http://tabelog.com/aichi/A2301/A230104/23001465/
営業時間: 11:00~14:00
17:00~20:00 (L.O19:20)
※麺の品切れ等により、閉店時間前に終了する場合あり。
定休日:日曜・祝日
入口横のガラス窓の小部屋が麺打ち場
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