突然だがワークウェアには「G」が多いと思ったことはないだろうか? いや、重力の話でもゴルゴ13やゴキブリでもなくて、作業服のブランド名のことである。グランドなんとかにギガなんとか、グレートにグレイスだとかグラシアスだとか……。なんというか、とにかくGから始まるネーミングが多いのだ。一体なんで? と書いてるそばから、よく考えればおなじみの高機能素材「ゴアテックス」もGだし、もっと基本的なところだと「現場」「ガテン系」もGなわけだよな……、とかいろいろ考えが浮かんでくる。しかし、そんなモヤモヤも今日でオサラバだ。“G系”の極め付きといえるブランドが桑和から登場したからである。その名は「G.G.」。ゴールドジムやゲームギアの略ではないことは言うまでもない。「G.G.」は同社の人気ブランド、現場から街まで使えるカジュアル作業着「G-GROUND」の最終進化型なのだ!(※この導入だけで「G」の文字が10回以上使われています)
桑和
「限界突破」のロゴが入った8042
限定品の児島加工モデル
●「作業着の領域」を超えて
桑和は今年の夏、ファン付き作業着の“飛ぶ動画”で注目を集めた。見ていない人のために説明すると、テーブルに置いた新型デバイスのスイッチを入れると、ファンが数ミリほどヘリのように離陸してしまったのである。「G.G.」の誕生はそれに続いての大ニュースということで、まずはおなじみの後藤さんに最近のトピックを振り返ってもらおう。
「ほんと、ファンが飛んだときはびっくりしましたね。こちらとしては、ただ薄型にした上で風力アップさせようと思ってただけなんですけど、展示会で見本用にデバイスを並べておいたら、電源を入れた人が『うわ、浮き上がったよ!』って。ファン付きウェアは上着だけじゃなくハーフパンツも大好評で、今年はいろいろ手応えが大きかったです。いっぽうの『G.G.』はじつは21年の秋冬コレクションからのスタートなんで今回でちょうど1周年になります。こちらもいよいよ本格展開って感じで、めちゃくちゃ気合入ってます!」
では本題に入ろう。SOWAの新機軸「G.G.」は、これまでのG-GROUNDといったい何が違うのか。そして将来的にどのようなビジョンを持っているのか。
「G-GROUNDは『普段使いできるカジュアル作業着』という位置づけだったわけですが、G.G.ではもっと果敢に踏み込んでいきます。ひとことで言えば『作業着メーカーの作る機能性ウェア』。スポーツやアウトドアの場面で使えるような高品質で洗練されたアイテムをどんどん出していく。これまで軸足はあくまで作業服にあったわけですけど、G.G.のラインナップはもはや一般のアパレル衣料です。ただ機能性を支える土台として作業着メーカーのノウハウがある。ほら、カタログでもG.G.のページはモデルがキャンプしているでしょ? こんなふうにハイスペックな素材を使ったデザイン性の高いものをつくることで、単価のアップも狙っていきます。ただ闇雲にカジュアル衣料を狙うのではなく、ワークウェアは今後もSOWAブランドできっちり展開していくから、こういったチャレンジができるわけですけどね。とにかくG.G.のカテゴリでは、作業着のことはいったん忘れて、多少高くてもいいものを作っていこう、と」
●仕事もイケるカジュアルウェア?
ついに“脱・ワークウェア宣言”をしてしまったわけだが、実際の商品展開はどうなっているのか。さっそく22年秋冬モデルの新作から紹介してもらおう。最初に登場したのは、長袖ブルゾンに2タイプのパンツが対応する『8042シリーズ』。上下ものなのに“作業着感”ほとんどゼロという野心作である。
「これはシンプルに見えて面白いアイテムで、最大の特徴は『アムンゼン』と呼ばれる凸凹のある生地です。日本語では梨地といって、ナシの表面のようなザラザラした感触が特徴。ドレスやスーツなどでエレガントな雰囲気を出すために使われることもあります。機能的には適度なハリがあってシワになりにくいので、安っぽくないわりに扱いもラクです。ごらんの通りデザインや配色の面でもワーキング感はないですけど、軽量でストレッチ性があり、しかも制電性素材を使っているので仕事にも使っていただけます」
少し頭が混乱するけれど、要するに従来の「街でもOKなワークウェア」から、G.G.「仕事でもOKなカジュアルウェア」に振ったわけである。
「そのへんはパンツも意識していて、たとえばカーゴパンツを選んで上下同色にすれば“ワーキング感”が出ますよね。反対に、上下カラー違いにしてジョガーパンツを選ぶとすごくスポーティーになる。タウンユースの場合は、パーカーの上から羽織ったり首元にマフラーを巻いたりして、ほかのアイテムと組み合わせれば街着としてもかなりオシャレですね」
なるほど。普段は個別のジャケットやパンツとして、ワードローブに加えておき、体を動かす仕事が入ったときは上下そろえて着用する--。カジュアルの領域に踏み込んだおかげで、こんな運用ができるようになったのだ。
●高くなっても付加価値を!
一方で、桑和といえばデニムを忘れてはいけないだろう。後藤さん自身、ジーンズソムリエの資格を持つ愛好家でもある。G.G.ブランドで展開されるデニムの新商品があれば、ぜひ見ておきたい。
「そう言われると思って作りましたよ~。伸長率85%・伸長回復率87%を誇る『異次元ストレッチ』のデニムに、今回なんと限定児島加工モデル『1682-00』が登場です! 有名なジーンズ洗い加工の会社とコラボして、めちゃくちゃいいユーズド感を実現しました。立体ジワやハチノス(膝の裏などに出る菱形状の色落ち)、ヒゲ(太ももの付け根などに出る白っぽいスジ)など、文句のつけようがない仕上がりです。これ、前回発表した上下デニム(型番1682-00、1682-08)の第二弾でまったく同型なんですが、値段は倍ぐらい。すごくよく伸びるデニムを製品洗いしてここまで持っていくわけで、加工には非常に手間がかかっています。まあ、普通ならやらない商品展開なんですけど、カッコいいアイテムができるならやろう、と。価格が高くなろうとG.G.は付加価値を追求していきます」
そんな1682-00のルックスは意外にもスポーティー。デニムらしいナチュラルな雰囲気をまとわせながらも、若さやヤンチャさといったニュアンスも感じさせる。
「膝のダーツや縦横のステッチ使いでアクティブな感じを出しています。そして最大のポイントは上下ともサイドに取り付けられたライン風の切り返しですね。こんなふうに縫い合わせを作ることで、生地に『パッカリング』と呼ばれる凸凹ができ、デニム特有の色落ちムラが出せる。まるでスポーツブランドのジャージに入ったラインのように、その部分だけが立ち上がってくるという仕組みです。これによって数あるデニム作業服の中でも、かなり差別化できたかなと思います」
“G.G.の決意宣言”と言えるアイコニックな逸品で、デニム戦国時代を生き抜いていく。
桑和は今年の夏、ファン付き作業着の“飛ぶ動画”で注目を集めた。見ていない人のために説明すると、テーブルに置いた新型デバイスのスイッチを入れると、ファンが数ミリほどヘリのように離陸してしまったのである。「G.G.」の誕生はそれに続いての大ニュースということで、まずはおなじみの後藤さんに最近のトピックを振り返ってもらおう。
「ほんと、ファンが飛んだときはびっくりしましたね。こちらとしては、ただ薄型にした上で風力アップさせようと思ってただけなんですけど、展示会で見本用にデバイスを並べておいたら、電源を入れた人が『うわ、浮き上がったよ!』って。ファン付きウェアは上着だけじゃなくハーフパンツも大好評で、今年はいろいろ手応えが大きかったです。いっぽうの『G.G.』はじつは21年の秋冬コレクションからのスタートなんで今回でちょうど1周年になります。こちらもいよいよ本格展開って感じで、めちゃくちゃ気合入ってます!」
では本題に入ろう。SOWAの新機軸「G.G.」は、これまでのG-GROUNDといったい何が違うのか。そして将来的にどのようなビジョンを持っているのか。
「G-GROUNDは『普段使いできるカジュアル作業着』という位置づけだったわけですが、G.G.ではもっと果敢に踏み込んでいきます。ひとことで言えば『作業着メーカーの作る機能性ウェア』。スポーツやアウトドアの場面で使えるような高品質で洗練されたアイテムをどんどん出していく。これまで軸足はあくまで作業服にあったわけですけど、G.G.のラインナップはもはや一般のアパレル衣料です。ただ機能性を支える土台として作業着メーカーのノウハウがある。ほら、カタログでもG.G.のページはモデルがキャンプしているでしょ? こんなふうにハイスペックな素材を使ったデザイン性の高いものをつくることで、単価のアップも狙っていきます。ただ闇雲にカジュアル衣料を狙うのではなく、ワークウェアは今後もSOWAブランドできっちり展開していくから、こういったチャレンジができるわけですけどね。とにかくG.G.のカテゴリでは、作業着のことはいったん忘れて、多少高くてもいいものを作っていこう、と」
●仕事もイケるカジュアルウェア?
ついに“脱・ワークウェア宣言”をしてしまったわけだが、実際の商品展開はどうなっているのか。さっそく22年秋冬モデルの新作から紹介してもらおう。最初に登場したのは、長袖ブルゾンに2タイプのパンツが対応する『8042シリーズ』。上下ものなのに“作業着感”ほとんどゼロという野心作である。
「これはシンプルに見えて面白いアイテムで、最大の特徴は『アムンゼン』と呼ばれる凸凹のある生地です。日本語では梨地といって、ナシの表面のようなザラザラした感触が特徴。ドレスやスーツなどでエレガントな雰囲気を出すために使われることもあります。機能的には適度なハリがあってシワになりにくいので、安っぽくないわりに扱いもラクです。ごらんの通りデザインや配色の面でもワーキング感はないですけど、軽量でストレッチ性があり、しかも制電性素材を使っているので仕事にも使っていただけます」
少し頭が混乱するけれど、要するに従来の「街でもOKなワークウェア」から、G.G.「仕事でもOKなカジュアルウェア」に振ったわけである。
「そのへんはパンツも意識していて、たとえばカーゴパンツを選んで上下同色にすれば“ワーキング感”が出ますよね。反対に、上下カラー違いにしてジョガーパンツを選ぶとすごくスポーティーになる。タウンユースの場合は、パーカーの上から羽織ったり首元にマフラーを巻いたりして、ほかのアイテムと組み合わせれば街着としてもかなりオシャレですね」
なるほど。普段は個別のジャケットやパンツとして、ワードローブに加えておき、体を動かす仕事が入ったときは上下そろえて着用する--。カジュアルの領域に踏み込んだおかげで、こんな運用ができるようになったのだ。
●高くなっても付加価値を!
一方で、桑和といえばデニムを忘れてはいけないだろう。後藤さん自身、ジーンズソムリエの資格を持つ愛好家でもある。G.G.ブランドで展開されるデニムの新商品があれば、ぜひ見ておきたい。
「そう言われると思って作りましたよ~。伸長率85%・伸長回復率87%を誇る『異次元ストレッチ』のデニムに、今回なんと限定児島加工モデル『1682-00』が登場です! 有名なジーンズ洗い加工の会社とコラボして、めちゃくちゃいいユーズド感を実現しました。立体ジワやハチノス(膝の裏などに出る菱形状の色落ち)、ヒゲ(太ももの付け根などに出る白っぽいスジ)など、文句のつけようがない仕上がりです。これ、前回発表した上下デニム(型番1682-00、1682-08)の第二弾でまったく同型なんですが、値段は倍ぐらい。すごくよく伸びるデニムを製品洗いしてここまで持っていくわけで、加工には非常に手間がかかっています。まあ、普通ならやらない商品展開なんですけど、カッコいいアイテムができるならやろう、と。価格が高くなろうとG.G.は付加価値を追求していきます」
そんな1682-00のルックスは意外にもスポーティー。デニムらしいナチュラルな雰囲気をまとわせながらも、若さやヤンチャさといったニュアンスも感じさせる。
「膝のダーツや縦横のステッチ使いでアクティブな感じを出しています。そして最大のポイントは上下ともサイドに取り付けられたライン風の切り返しですね。こんなふうに縫い合わせを作ることで、生地に『パッカリング』と呼ばれる凸凹ができ、デニム特有の色落ちムラが出せる。まるでスポーツブランドのジャージに入ったラインのように、その部分だけが立ち上がってくるという仕組みです。これによって数あるデニム作業服の中でも、かなり差別化できたかなと思います」
“G.G.の決意宣言”と言えるアイコニックな逸品で、デニム戦国時代を生き抜いていく。
ジーンズソムリエの後藤さんもニッコリ
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「G.G.をよろしく!」
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ワークウェアはもっと自由になれる! 究極のスポーティ作業着「8042シリーズ」 「梨地」という凸凹感のある生地が特徴のカジュアル作業着。スポーティーなデザインで仕事からプライベートまで着回せるほか、制電性素材なので精密機器の工場やガソリンスタンドなどでも活躍。ブルゾンに対応するパンツは、カーゴ・ジョガーの2タイプから選べる。 |
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これ以上ない極楽フィット! 軽量ストレッチ作業着「8012シリーズ」 ポリエステル素材の軽量ストレッチ作業着。生地はシワ加工が施されており、シャープさの中にカジュアルな表情を楽しめる。スポーツ感のあるスタイリッシュなデザインは、仕事だけでなく街でもサマになる。上下ともに背面に反射プリント入りで作業中の安全性にも配慮。 |
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