【バートル】異次元の大風量!image_maidoya3
ちょうど1年前、当サイトに「エアークラフト」の記事が載ったのを覚えているだろうか。タイトルは「六年生の卒業」。季節外れ、かつ叙情的すぎる雰囲気でサイト訪問者を惑わせたレポートの要点は「互換性」だった。2017年から21年モデルまで、新旧デバイス(バッテリー・ファンなど)を組み合わせて使えたけれど、22年モデルは完全に新規格。過去のデバイスは使えません、と。要は完全リニューアルだったわけだが、よく考えれば「卒業」ではなく新デバイスにフォーカスして「入学」と銘打つべきではなかったか--。そんなことを考えつつ編集部はバートル本社の門をくぐった。目的はもちろん最新2023年モデルの「エアクラ」。中学生になった甥っ子に、久しぶりに会うような感覚だ。

バートル
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広島県府中市のバートル本社
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ブランド戦略を語る大崎さん
●ブランド価値の飛躍へ
 
  「2011年に社名変更してスタートしたバートルは、今年で12年目。人気に加えて売上高でも、ワークウェアのフラッグシップカンパニーと呼べる立場になりました。当初から、カッコいい・高機能・高品質、そしてリーズナブルというコンセプトを打ち出していたけれど、それが浸透したのはネット通販やショップのおかげです。特に宣伝しなくても、口コミで評判が広がっていった。お客さんやお店がバートルというブランドを牽引してくれたわけで、本当にありがたいことです」
 
  子供の成長を語るときのような微笑みを浮かべるのは社長の大崎さん。バートルと聞くとマッチョなイメージがあるかもしれないが、会社の雰囲気はものすごくアットホームで、女性スタッフ(多い気がする)も楽しそうに働いている。このような職場の空気もトップの人柄がなせる技といっていいだろう。
 
  これからのブランド戦略について、大崎さんは次のように語る。
 
  「基礎固めがやっとできたかな、という感じです。今までは商品の評判がすべてであって、ユーザーが繰り返し買ってくれたりSNSにアップしてくれたりすることがブランディングになっていた。これからは、より高次元での価値づくりというか、メディアなどを通じて、ブランドそのもののイメージを高めるような仕掛けをしていきたいと考えています。かなり将来を見越したビジョンですけど。そのためにも、今後も必要になるのが企画力です。新商品を楽しみにしているお客さんの期待に応えられるものを作っていかなくちゃ、と」
 
  ●90リットル1時間!
 
  では、バートルのファン付き作業着「エアークラフト」について聞いていこう。まずは2023年モデルの新型デバイス、リチウムイオンバッテリー(AC360)とファンユニット(AC370/AC371)から。担当の岡田さんが、わかりやすく解説してくれた。
 
  「今回も基本路線はスペック面の強化です。新型バッテリーは19ボルトで、昨年(22年モデル)の17ボルトからさらにパワーアップ。最大風量も毎秒90リットルと昨年の80リットルから大幅アップしています。要するに片方のファンだけで45リットルのゴミ袋が1秒でふくらむと考えてみれば、すさまじい風量がイメージできるかと」
 
  さらに大崎さんが畳み掛けるようにアピールする。
 
  「大事なのは風量なんです。お客さんにはバッテリーのボルト数より、風量や持続時間を見てほしい。他社製品にはエアクラより強力なバッテリーもあるけれど、じゃあ風量はどうなのか、その最大風量を何分のあいだ保てるのか、と。この新デバイスは90リットルの風量を1時間キープできる。その後は自動的に13ボルト運転に切り替わる仕様です。ほかのメーカーも最大風量には時間制限がかかっているようですが、『90リットルで1時間』は驚異的な数値ですよ」
 
  たしかに、いくらすごい風量でも「5分だけのブーストモードで」とか「30分で中出力に切り替わります」とか言われると、どこか釈然としない印象だ。「パワーあるのに出し惜しみしないでくださいよ」「本気になればもっと出せるでしょ?」というか……。対してエアクラの「90リットル1時間」は、かなりの大盤振る舞いである。
 
  ●狙いはインスタ?
 
  昨年に引き続いて、今年もバッテリーは急速充電タイプ。3時間半でフル充電できるので、たとえ帰宅後にプラグを差し忘れてもなんとかなりそうだ。また昼休みに1時間充電できれば、バッテリー残量に「+3分の1」になるので、午後の作業でも安心してハイパワーの大風量を味わえる。
 
  一方のファンも、昨年に続いて水洗い可。パワーアップしたので、より静音性を強化したという。もちろんテクノロジーはすごい。ただ、注目すべき点は、ライムやピンクといったカラーリングの方だろう。
 
  「コンセプトは『映えるカラーリング』です。蛍光カラーのライムやハニーピンクで、自撮り写真なんかで目立ちまくるファンを作りました。バートルはインスタで人気があって(※公式アカウントのフォロワー数は24,000人!)、『BURTLE FAMILY』としてユーザーさんの投稿をカタログ掲載しています。そこで今回は『アイテムでSNSを応援したい』という想いを込めました。派手なカラーが話題を集める一方で、光沢やラメで変化をつけたアーバンブラックも評判ですよ」
 
  ●自信作のサイドファン
 
  さて、いよいよ新作ウェアを紹介してもらおう。今回の目玉はなんといっても「AC2001シリーズ」。エアクラ初となるサイドファンモデルだ。クルマの運転や重機のオペレーション時の異物感を避けるため、ファンが胴体の横につくようにしたウェアだが、ただ「取り付け位置をずらしました」という単純な話ではないらしい。
 
  「サイドにすると風の流れが変わっちゃうんですよ。従来タイプと比較すると風は体の前方に流れるから、背中側の風量が落ちる。すると首筋に当たる風が弱くなって、あまり涼しくない。この問題をクリアするために、かなり実験を重ねました。まず生地やパターンの工夫によって、風の『前抜け』を防ぐ。それから背中側にブリッジ状の膨らみをつくることで、いったん前に行った風もちゃんと背中から首筋に抜けていくようにしました。要するにウェアの構造で風を制御しているわけですね」
 
  またまた大崎社長のフォローが入る。
 
  「ファン付き作業着の涼しさってウェアで決まるんです。風抜けが上手くいかないと大風量も意味がない。当社でも過去に『風はドローコードで調節してください』というウェアがあったんですけど、ユーザーからは『涼しくない』と言われた。正直、締めるなり緩めるなりしてくれればいいのに、と思いました。でも、やっぱり『自分で調節してね』は通用しないんだなあ、と。そんな反省を踏まえて、新作のサイドファンはそのまま着るだけでバッチリ最適な風抜けになるように作っています」
 
  いくらカジュアル衣料のように見えても、ワークウェアは仕事着だ。朝の忙しい時間や業務の最中に、じっくりと風抜けを調節しているヒマはない。スポーツやアウトドア用のウェアの要素をただ取り入れるのではなく「ワークウェアに落とし込む」というバートルの思想は、ここにもしっかりと息づいている。
 
  エアクラのさらなる成長が楽しみだ。
 
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「映え」抜群のガラとカラー
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エアークラフトをよろしく!

    

さらば、背中のゴツゴツ感よ! 新定番のサイドファン「AC2001」シリーズ

ファンの取付口を横側に変更した「サイドファン型」エアークラフト対応ウェア。背中側のファンを移動させたことで、車の運転や重機のオペーレーション時でも、背もたれとの干渉なし。異物感がなくなったことで、さらに心地よく作業ができる。生地はコーデュラストレッチ素材なので、動きやすさ・耐久性もバッチリ。


「マウンパ?」「いえ、エアクラです!」 対UVフーディ「AC1191」シリーズ

マウンテンパーカーを彷彿とさせる“チルさ”が魅力のエアークラフト対応ウェア。アルミコーティングを施した生地は紫外線をカットするほか、−8度の遮熱効果も。カジュアルな見た目で、レジャーから高所作業まで大活躍する。ヘルメット対応の大型フードは取り外し可能。