【アタックベース】風神は服に宿る!image_maidoya3
空調風神服にみなさんはどんなイメージをお持ちだろうか。ななめファン? スマホ操作? 信頼性? いろいろあるけれど「ほかとまったく違う」まではいかないと思う。たしかに先駆者ではあるけれど、後発デバイスもどんどん進化しており、当初のアドバンテージは目減り傾向と言わざるを得ない。ところが、ここに「アタックベースの」という枕詞が付けば話は別だ。「アタックベースの風神服」は熱中症対策になるだけでなく、ワークウェアらしいカッコよさがある。作業をサポートする機能性に加えて、職人の心をくすぐる個性的なデザイン、涼感をアップさせる首や脇の風抜け構造がある。それらをまとめあげた「総合力」こそ、風神服のポテンシャルなのである。

アタックベース
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「涼しいベスト」が大好評!
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脇の下に風を当てる独自構造
●圧巻の24ボルト!
 
  取材に応じてくれたのはアタックベース営業部の田頭さん。さっそく、「空調風神服」の2023年モデル、最新デバイスの話から聞かせてもらおう。
 
  「まず、目玉は最高出力24ボルトの新型バッテリーです。ハイパワー過ぎて心配かもしれませんが、本体は日本製で、電気製品の安全のための第三者認証制度『Sマーク』も取得しているので、安心してお使いいただけます。そして従来モデルと同じBluetooth対応なのでスマホから残量確認や操作もできる。さらに他社バッテリーにはない機能としては、USBジャックがあります。モバイルバッテリーの代わりにもなるので便利ですよ」
 
  そして、このパワーを活かすのが新型ファンだという。
 
  「最大で毎秒83リットルの風量を実現しました。運転モードは3段階で「強」にすると24ボルトの最大出力がスタートします。30分経つと自動的に「中」の16ボルトに切り替わる仕様です。風量はもちろん大事なんですが、快適性という点では風神服独自の『ななめファン』にも注目してほしいですね。風を背中だけでなく、前に回したり袖から抜けるようにしたりすると、一味違った心地よさがありますよ」
 
  実際に着用してみると、ファンの存在感がほとんどないのに驚く。1個あたり95gの軽量に加えて、38mmの薄型設計だから、体を動かしても背中に当たる感じがしない。これなら車の運転やフォークリフトの操作といった場面でもストレスなく着用できそうだ。
 
  ●「アタックのベストは涼しい」
 
  では、続いてアタックベース独自の風神服ウェアを紹介してもらおう。
 
  田頭さんが最初に取り出したのは、新作の遮熱仕様チタンベスト「6640」。街中やレジャーで見かけるマウンテンパーカーを思わせる風神服ウェアだ。
 
  「じつはアタックベースはベストが人気なんです。同じベストでも『他社のものより涼しい!』というお客さんの評価がありまして、それを追い風に新たなベストを出すことにしました。今回はフルハーネス対応モデルです」
 
  実際に着用してスイッチを入れてみると、確かに涼しい。ベストなのに妙に風回りが良いというか、上半身すべてに風が行き渡る長袖タイプのような感覚である。
 
  「アタックベースのベストが涼しい最大の理由は、『CIRCULATE V』と名付けた脇部分の構造です。普通のベストは風が抜けないように腕を出す部分を絞っているのですが、このウェアは腕を出す部分の下に、別途、上方向に風が抜けるホールを取り付けた。これによって、脇の下にずっと風が当たります。脇の下には太い動脈やリンパ節があるので、少しの風でもすごく涼しくなる。しかも、下から斜めに吹き上げることによって、風がまとわりつくように脇から腕を抜けていくので、まるで袖付きの風神服を着ているような感じがするわけですね」
 
  まさに逆転の発想だ。ファン付きウェアは普通、風を背中から首筋へと抜けさせるために他の出口を塞ぐ。つまり風を逃さない工夫をしている。ところが、このベストは反対にわざと風を逃しているわけなのだ。
 
  ●風を活かすウェア構造
 
  「そして、涼しさのふたつ目の理由は、背中から首筋にかけての『3D通気』と呼ばれる構造です。一般的なファン付き作業着は、ヒモなどで襟をたわませることで首筋へ風が抜けるようにしています。それに対して、こちらはウェアそのものを煙突のような立体構造にしました。上から見ると背中が『D』の字に膨らみ、その中を風がすごい速度で首筋を包み込みながら吹き抜けます。ファンが作り出した風を抑え込まず、エネルギーを無駄なく活用しているから涼しいんです」
 
  なるほど、たしかにファン付きウェアは内部の風だけでなく「ウェアを出たあとの風」も重要だ。とくに汗ばんだ後頭部とか髪の奥まで風が入ると涼しいんだよな……。と感心していると、田頭さんはさらにもうひとつの風神服を広げた。人気の火付け役となったチタンフードベスト「5540」だ。
 
  「こちらは、先ほどの『6640』の原型になったものです。脇の下に風を当てる『CIRCULATE V』、背中から首筋にかけての『3D通気』なども搭載しているので、フルハーネスを着けない人はこちらがおすすめ。顔や頭の涼しさならこちらが上かもしれません。大きな立ち襟とフードがあるおかげで、頭の後ろから顔の周りにかけて複雑な風の流れができ、顔や頭の汗が冷えるわけです」
 
  ●風の「使い切り」を考える
 
  その「5540」を着てみると、たしかに襟まわりが特殊な構造であることがわかる。風を送ると首の後ろは完全に浮き上がって空洞になるし、前も立ち襟というレベルではなく口元まで隠れるほどの高さがあるので、顔全体に風が当たる。
  しかも風は首の前にできた空間を回ってから出てくるので、強すぎてうっとうしい感じはしない。これなら作業中に顔やアゴの下に垂れてきた汗も、ものの数分で乾いてしまうだろう。
 
  つまり、他社のファン付きウェアは「風抜け」ばかりを気にしているのに対して、アタックベースは「風の使い切り」を考えているのだ。背中から首筋に抜けた風をさらに前に持ってきて、“最後の仕事”をさせようというのだから恐れ入る。そのぶんウェアは独特なシルエットになってしまうが、涼しさのためなら、そんなことは気にしていられない。
 
  「風を逃して脇に当てたり、首の前に回したりできるのも大風量の新デバイスのおかげですね。ただ、バッテリーのパワーやファンの性能は、もう行くところまで行ってしまった感じもします。これからは、大風量を効果的に使えるウェアの構造や逃した風の使い方といったことまで含めて、総合力が問われることになるでしょう」
 
  アタックベースの“攻撃”の手は、緩む気配がない。
 
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稼働時には大きな空洞ができる
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風神服はアタックベースで!

    

屋外&高所はチタン遮熱で攻める! 空調風神服「6640」シリーズ

太陽光などの遮熱効果が高いチタンコーティング仕様の風神服。背中から首筋にかけて空洞ができる『3D通気』仕様。風が首筋を包み込みながら吹き抜けることで、ワンランク上の涼しさを実現した。ベストは脇の下にも風が当たる特殊構造「CIRCULATE V」で大満足の涼しさ。


猛暑も跳ね返す“スゴ技の立ち襟”! 空調風神服「5540」シリーズ

胸から首、アゴまで覆う大きな立ち襟が特徴の「空調風神服」。遮熱効果の高いチタンコーティングに加えて、背中から首筋にかけて空洞ができる『3D通気』と立ち襟の合わせ技で、首の前から顔まで風が包み込む。ベストは脇の下にも風が当たる特殊構造「CIRCULATE V」を採用。フードは取り外し可。