【コーコス信岡】ガチでSDGsimage_maidoya3
作業服の選び方には大きく分けて2つのアプローチがある。ひとつは「着る側」に立つこと。デザインの好みに加えて、快適さや動きやすさ、メンテナンス性などが重視される。そして、もうひとつは「見る側」に立つことで、話はやや複雑になる。たとえば目立ちたい職人はギラギラの派手なアイテムを選ぶだろうし、通勤やアフター5で周囲の目を気にする人は、作業着に見えないようなカジュアルワーキング系を探すだろう。さらに顧客や取引先の評価を意識する経営者は、誠実な印象や“きちんと感”のあるユニフォームを、といったことを考えるはずだ。しかし、ここでひとつ疑問が浮かぶ。環境配慮型のウェアはどうなのだろう? 「着る側」と「見る側」、どちらのニーズで選ばれるのか。コーコスの新商品はそんな問いに対するひとつのヒントになりそうだ。

コーコス信岡
image_maidoya4
「ニオイクリア」も絶好調
image_maidoya5
新作の「ボトルテック」
●再生PET100%!
 
  東京・浅草橋の東京営業所には、2019年に発売するやいなや大ヒットとなった「ニオイクリア」をはじめ、新作アイテムがぎっしりと並べられていた。なかでも目を惹くのは、パネル展示にある「SDGs」の文字。そう、コーコスはアパレル業界でも珍しいSDGs宣言企業なのだ。東京営業部の神田さんがその背景を語る。
 
  「作業着メーカーとして、①働く人を支える製品づくり ②環境に配慮した商品展開 ③働きがいのある職場環境 ④地域社会との共生の4つのテーマを軸にSDGsを推進しています。たとえば防臭アイテムのニオイクリアやユニセックスの作業着なんかも、働きやすさの向上やジェンダー格差の解消といった観点で捉えれば、ちゃんとSDGs活動の一環になるんです」
 
  しかし、やはりメーカーの肝は商品開発。というわけで、SDGsを強く意識した新作「AE-9160シリーズ」から紹介してもらおう。
 
  「これは業界初の再生PET素材100%のワークウェアです。生地から樹脂のボタンやファスナーに至るまで、すべて使用済みPETボトルが原料となっています。飲料ボトルがそのまま作業着になったというニュアンスを強調するために『ボトルテック』と名付けました。リサイクル素材を使ったぶん、温室効果ガスの排出量や化石燃料の使用を削減できます」
 
  いまや再生素材を使ったエコ作業着は珍しいものではない。ただ、廃PET100%は驚異的であり、開発にも苦労があったのは間違いない。では、なぜそこまでする必要があったのだろう?
 
  「わかりやすくしたかったんです。たとえば『再生PET50%配合の生地を使用』と言われても、ピンとこないと思うんですよ。まあ、廃棄物を多少は減らせたかな、といった程度で。しかし、『再生PET100%』なら直感的に理解できますよね。この作業服はペットボトルが化けたものだ、ということが。たとえば、AE-9160のブルゾンは500mlのペットボトル33.4本から作られていて、上下合わせると60本以上になります。それだけの使用済みペットボトルを削減できたと具体的にイメージできるのは気分がいい。それに気候変動への取り組みや海のプラスティック汚染対策といったSDGsのテーマに対し、達成度を数値化していく上でもプラスになるわけです」
 
  ●仕事着から始まる改革
 
  わかりやすさはペットボトルだけの話ではない。AE-9160シリーズは温室効果ガス排出削減のための国際的な取り組み「カーボンオフセット」における「クレジット(排出枠)付きユニフォーム」としても認められている。CO2排出枠の付与は1枚あたり5kg。つまり、この作業服を買うことで購入者はCO2排出量を削減したと見なされるのだ。
 
  「5kgのCO2というのは、自家用車で大阪駅から関西国際空港まで約38kmを走行したときくらいの排出量です。つまり、ある会社が営業車を800kmほど余計に走らせてしまったとしても、このシリーズの上下を10セットほど購入することでカバーできる。環境報告書に記載するCO2の排出量を計算するときに、“帳消し”できるわけです。このようなカーボンオフセットの数量とペッドボトルリサイクルの本数は、当社から証明書の発行もできますので、ぜひCSR活動に使ってみてほしいですね」
 
  見た目は作業着らしいオーソドックスなデザインだが、左袖マルチポケット部の転写プリントがアクセントとなっている。ボトルテック・カーボンオフセット・エコマークの3シンボルが並んでいるので、けっこう目立つ。
 
  「これは狙ってやってます。エコマークだけだと特に目も惹きませんけど、見慣れないマークがあったら『なにそれ?』ってなるじゃないですか。そこで『じつは当社のユニフォームはですね……』とSDGsへの取り組みを語ってくれたらいいな、と。もちろん話のタネや環境活動のアピールだけでなく、会社のPRやイメージアップにもなります。それに、地球の未来のためになることをしているといった感覚は、従業員の誇りや自尊心にもつながると思うんです。ユニフォームの役割というと、士気やチームワークの向上といった言葉で語られがちですが、こんなふうに『働いて未来を守るんだ』といった意識を育むのも大切なことだと思います」
 
  今年の夏は、命に関わるような暑さだった。気候変動に苦しんでいる私たちは、同時に気候変動を起こしている私たちでもある。ボトルテックは「再生PET100%」のスペックだけでなく、人々の認識を変えるという点でも革新的な作業着かもしれない。
 
  ●アフリカもバングラも
 
  SDGs対応はボトルテックだけではない。昨年発売したデニム作業着「GR-3510シリーズ」も、別のアプローチから持続可能性を追求したアイテムだ。
 
  「こちらは普通のデニム作業服のようで、その背景がスゴイという商品です。生地は、環境保全や労働者の人権などに徹底的にこだわった『サステナブルデニム』。まず、アフリカの農家で、農薬・肥料・水の使用を控えながら育てた綿花を収穫し、バングラデシュの工場で紡績染色します。その後の製品加工では環境負荷を数値でモニタリングし、水や電力、薬剤の使用量を削減しました。また資源やエネルギーの消費を抑えるだけでなく、労働者の人権にも気を配っています。アフリカの農家は収入アップになり、バングラデシュの工員の労働環境も改善されるような仕組みを作ることで、企業のコンプライアンス問題にも対応できる。つまり、地球環境や海外の人々に“いいこと”ができる作業着なんです」
 
  うーん、自分はそこまで意識高くないから……、と思うかもしれない。しかし、労働者を搾取して作った綿花を環境汚染しながら加工したデニムとこの「サステナブルデニム」があったとして、どちらを選びますか? と問われたらだれでも後者と答えるだろう。もちろん価格の問題はあるけれど、少し割高に感じる程度なら「後ろめたさのない買物をしたい」「持続可能性に少しは貢献できれば」というタイプの人は増えているように感じる。
 
  今年の夏は世界の平均気温が観測史上最高となり、地球温暖化ならぬ「地球沸騰化」といった言葉まで生まれた。SDGsは、もはや「取り組んだほうがいいこと」ではなく「できないと破滅する」といったレベルの話なのだ。
 
  「企業活動でも『大手だから』『有名だから』『売れているから』で許される時代は終わりに差し掛かっていると思うんです。温室効果ガス削減や資源保護といったエコの話だけでなく、従業員の労働環境やグローバルな人権問題などにも真剣に取り組まないと、会社は生き残れない。そんな感覚をユニフォームを通じて伝えていきたいですね」
 
  コーコスは、ガチだ。
 
image_maidoya6
SDGsを徹底アピール
image_maidoya7
神田さん(右)と藤生さん

    

ワークウェアでSDGs加速! 再生PET作業服「AE-9150シリーズ」

生地からファスナーやボタンに至るまで、すべて使用済みペットボトルで作った再生素材100%の作業着。廃棄物から製造することで、化石燃料由来の従来品に比べて温室効果ガスの排出量を約20%抑制。製品1枚あたり、自家用車で38km走行する程度のCO2を削減できる。環境への取り組みを示す証明書も発行可能。


“持続可能コットン”を味わえ! アフリカ産デニム「GR-3510シリーズ」

企業の社会的責任を意識したアフリカ産コットン100%のデニム作業着。現地での綿花の栽培に当たっては、農薬や肥料、水などの使用を削減し、農家の収入アップにもつながる「サステナブル農法」を採用。環境に配慮して薬品や電力の使用量も30%ほど抑制した。気分もアガること間違いなし。