風神服陣営である--。いきなり専門用語が飛び出してしまったが、安心してほしい。ただ単に「空調服」に対する「空調風神服」の対応ウェアを扱うメーカー、といった意味である。つまり、自社開発ではないファン付きウェアを展開する2大派閥のうちのひとつ。となると、取材はもちろん風神服デバイスの話になるかと思いきや、あれ? テーブルの上には風神服のほかにもさまざまな独自ファンや冷却パッド、保冷剤といった猛暑対策グッズが並べられているではないか。ウェアもあるけど印象としては圧倒的にギア。えーと、あの、御社は作業服メーカーなんですよね?
コーコス信岡
新作ウェアを語る水村さん
ペルチェも装着可能!
●「冷やす」しかない!
「ファン付きウェアをはじめ、水冷服とかいろいろやってきましたけど、もはや日本の夏はそんな工夫で太刀打ちできるレベルではありません。じゃあ、どうすればいいのか? うちの方針は極めてシンプルで『保冷剤で冷やす』です。従来品の2倍、300gの大容量保冷剤を専用ベストに仕込んで、風神服ファンをぶん回す! それでも暑いとおっしゃるなら、ペルチェの冷却パッドを追加! これで、酷暑の作業現場でもなんとか熱中症にならずに乗り切れると思っています」
と、熱を込めて語りはじめたのは、営業の水村さん。ふだんは穏やかな雰囲気だが、「熱中症対策」の言葉を口にするときは真剣なまなざしになる。
「第一に働く人の命がかかっていますし、2025年からは会社の対策も義務化されていますから。作業着メーカーとしてもデザインや利便性の前に、まずは安全対策! というのが本音です。最近はワーキング系のお店でも、売り場に冷凍庫を設置して、凍らせた保冷剤を売ったりしています。つまり、ユーザーもショップもみんな必死で、冷やすアイテムを求めていて、熱中症への危機意識が広く共有されているのを感じます。当社も在庫をしっかり用意して、作業現場の熱中症対策をお手伝いできる体制を整えているわけです」
そう、いくらすごいアイテムでも、納入が遅れたり、サイズや色の欠品がでたりするようでは、会社として採用できない。納入に強い総合ユニフォームメーカーならではの重みある言葉だ。
●「日傘遮熱」のすごい効果
そんなわけで、これから紹介するファン付きウェアは「これを着れば涼しい」というものではない。「状況に応じて、保冷剤ベストやペルチェを併用することで、高温下でも乗り切れる」との前提で読んでほしい。
では、まずは新作のファン付きウェア「G-2039」「G-4039」の両シリーズから教えてもらおう。
「涼しさは風量、つまりファンとバッテリーの性能で決まると思われがちなんですが、じつは遮熱も重要なんです。とくに屋外作業だと、直射日光や照り返し、外部の熱気を跳ね返す特別仕様のウェアを着用することで、体温上昇を避けられる。G-2039とG-4039はともに『日傘遮熱』というキャッチコピーで、炎天下での快適と安全をアピールしています。具体的には、生地の裏側にアルミコーティングを施すことで、内部の温度上昇を抑えることが可能。しかも、従来より剥離しにくくなっているので、繰り返しの洗濯でも性能が落ちにくくなっています」
ファンの位置は、背もたれなどと干渉しにくい「サイド」。右脇には、草刈り機用のベルトホールを備えているので、建設や土木の現場に加えて農作業や庭仕事でも活用できる。さらに、G-4039はフード付きで(取り外し可)、フルハーネスにも対応。強烈な日差しに対峙する高所ワーカーにとって、切り札と言えるハイスペックだ。
「首元には、ペルチェデバイスの冷却パッドも取り付けられる仕様ですが、ペルチェを使わなくても邪魔にはなりません。ファンだけで乗り切れないときは、当社のアイスメッシュベストを使ってください。保冷剤を最大6個装着できます。重くなっちゃいますけど、熱中症対策としては直接冷やすのがいちばん有効です」
保冷剤は容量別に150gと300gの2タイプ。さらに溶けきらず長時間使える「氷零」と、冷却力の強い「北極」の2タイプを展開している。トータル4種類の保冷剤を組み合わせれば、さまざまな現場のニーズを満たせそうだ。
●バッテリーは「安全」で選ぶ
そして、取材はいよいよデバイスの話に。空調風神服の最新モデルが……と思ったら、テーブル上に4タイプのファンとバッテリーが並べられた。コーコス独自の「ボルトクール」のデバイス(型番:GF-866)に加えて、風神服のデバイスが3つ。ケーブルを接続しながら水村さんが語るのは、次のような狙いだ。
「まず、デバイスは『プロ仕様』と『一般仕様』で分けることにしました。風神服デバイスは大風量を求める職人さんやユニフォーム納入向け。当社開発のボルトクールは軽作業やレジャー向けで、お手頃価格とそれなりのスペック、といった構成になっています」
なるほど、他社とのパワー競争は風神服デバイスに任せて、別路線としてライトユーザー向けのデバイスを展開していくわけだ。ただ、「それなりのスペック」といっても、毎秒47リットルの風量は、普及し始めたころのファン付きウェアを上回るパワーである。
「ボルトクールの反響は予想以上ですね。まずファンとバッテリー、ウェアを合わせても1万円でお釣りが来るという価格のインパクトが大きい。背景として、スペック競争で値上げが続いた結果、お客さんが『ファン付きウェアは高価なもの』といった認識になっていたことがあります。そんなわけで、熱中症対策で取り入れたいけれど、価格で二の足を踏んでいる企業も多かった。47リットルの風量で7時間稼働できれば、作業現場でも使えるし、まだファン付きウェアを持っていない人がお試し用として使ってみるのもいいですよ」
さらに、水村さんはユーザーが求めるものとして「安全」のキーワードを挙げる。作業環境の安全ではなく、バッテリーの安全性だ。
「昨年ごろから、ニュースでバッテリーの発火事故がよく報じられていますが、結果、バッテリーの品質を重視する方がすごく多くなりました。個人でもそうですが、企業の場合はなおさらです。ネットショッピングでメーカー不明の格安デバイスを買ってウェアに取り付ける、という人も、以前ならいたかもしれませんけど、今はさすがに怖すぎる。当社が扱っている風神服でも、24ボルトや12ボルトの日本性バッテリーを指名して注文するユーザーが増えてきています。闇雲にパワーを競っているだけでは、もはや市場の声に応えられないんです」
猛暑対策からバッテリー発火対策まで--。総合メーカー、コーコスが売っているのは「安全」の二文字だ。
「ファン付きウェアをはじめ、水冷服とかいろいろやってきましたけど、もはや日本の夏はそんな工夫で太刀打ちできるレベルではありません。じゃあ、どうすればいいのか? うちの方針は極めてシンプルで『保冷剤で冷やす』です。従来品の2倍、300gの大容量保冷剤を専用ベストに仕込んで、風神服ファンをぶん回す! それでも暑いとおっしゃるなら、ペルチェの冷却パッドを追加! これで、酷暑の作業現場でもなんとか熱中症にならずに乗り切れると思っています」
と、熱を込めて語りはじめたのは、営業の水村さん。ふだんは穏やかな雰囲気だが、「熱中症対策」の言葉を口にするときは真剣なまなざしになる。
「第一に働く人の命がかかっていますし、2025年からは会社の対策も義務化されていますから。作業着メーカーとしてもデザインや利便性の前に、まずは安全対策! というのが本音です。最近はワーキング系のお店でも、売り場に冷凍庫を設置して、凍らせた保冷剤を売ったりしています。つまり、ユーザーもショップもみんな必死で、冷やすアイテムを求めていて、熱中症への危機意識が広く共有されているのを感じます。当社も在庫をしっかり用意して、作業現場の熱中症対策をお手伝いできる体制を整えているわけです」
そう、いくらすごいアイテムでも、納入が遅れたり、サイズや色の欠品がでたりするようでは、会社として採用できない。納入に強い総合ユニフォームメーカーならではの重みある言葉だ。
●「日傘遮熱」のすごい効果
そんなわけで、これから紹介するファン付きウェアは「これを着れば涼しい」というものではない。「状況に応じて、保冷剤ベストやペルチェを併用することで、高温下でも乗り切れる」との前提で読んでほしい。
では、まずは新作のファン付きウェア「G-2039」「G-4039」の両シリーズから教えてもらおう。
「涼しさは風量、つまりファンとバッテリーの性能で決まると思われがちなんですが、じつは遮熱も重要なんです。とくに屋外作業だと、直射日光や照り返し、外部の熱気を跳ね返す特別仕様のウェアを着用することで、体温上昇を避けられる。G-2039とG-4039はともに『日傘遮熱』というキャッチコピーで、炎天下での快適と安全をアピールしています。具体的には、生地の裏側にアルミコーティングを施すことで、内部の温度上昇を抑えることが可能。しかも、従来より剥離しにくくなっているので、繰り返しの洗濯でも性能が落ちにくくなっています」
ファンの位置は、背もたれなどと干渉しにくい「サイド」。右脇には、草刈り機用のベルトホールを備えているので、建設や土木の現場に加えて農作業や庭仕事でも活用できる。さらに、G-4039はフード付きで(取り外し可)、フルハーネスにも対応。強烈な日差しに対峙する高所ワーカーにとって、切り札と言えるハイスペックだ。
「首元には、ペルチェデバイスの冷却パッドも取り付けられる仕様ですが、ペルチェを使わなくても邪魔にはなりません。ファンだけで乗り切れないときは、当社のアイスメッシュベストを使ってください。保冷剤を最大6個装着できます。重くなっちゃいますけど、熱中症対策としては直接冷やすのがいちばん有効です」
保冷剤は容量別に150gと300gの2タイプ。さらに溶けきらず長時間使える「氷零」と、冷却力の強い「北極」の2タイプを展開している。トータル4種類の保冷剤を組み合わせれば、さまざまな現場のニーズを満たせそうだ。
●バッテリーは「安全」で選ぶ
そして、取材はいよいよデバイスの話に。空調風神服の最新モデルが……と思ったら、テーブル上に4タイプのファンとバッテリーが並べられた。コーコス独自の「ボルトクール」のデバイス(型番:GF-866)に加えて、風神服のデバイスが3つ。ケーブルを接続しながら水村さんが語るのは、次のような狙いだ。
「まず、デバイスは『プロ仕様』と『一般仕様』で分けることにしました。風神服デバイスは大風量を求める職人さんやユニフォーム納入向け。当社開発のボルトクールは軽作業やレジャー向けで、お手頃価格とそれなりのスペック、といった構成になっています」
なるほど、他社とのパワー競争は風神服デバイスに任せて、別路線としてライトユーザー向けのデバイスを展開していくわけだ。ただ、「それなりのスペック」といっても、毎秒47リットルの風量は、普及し始めたころのファン付きウェアを上回るパワーである。
「ボルトクールの反響は予想以上ですね。まずファンとバッテリー、ウェアを合わせても1万円でお釣りが来るという価格のインパクトが大きい。背景として、スペック競争で値上げが続いた結果、お客さんが『ファン付きウェアは高価なもの』といった認識になっていたことがあります。そんなわけで、熱中症対策で取り入れたいけれど、価格で二の足を踏んでいる企業も多かった。47リットルの風量で7時間稼働できれば、作業現場でも使えるし、まだファン付きウェアを持っていない人がお試し用として使ってみるのもいいですよ」
さらに、水村さんはユーザーが求めるものとして「安全」のキーワードを挙げる。作業環境の安全ではなく、バッテリーの安全性だ。
「昨年ごろから、ニュースでバッテリーの発火事故がよく報じられていますが、結果、バッテリーの品質を重視する方がすごく多くなりました。個人でもそうですが、企業の場合はなおさらです。ネットショッピングでメーカー不明の格安デバイスを買ってウェアに取り付ける、という人も、以前ならいたかもしれませんけど、今はさすがに怖すぎる。当社が扱っている風神服でも、24ボルトや12ボルトの日本性バッテリーを指名して注文するユーザーが増えてきています。闇雲にパワーを競っているだけでは、もはや市場の声に応えられないんです」
猛暑対策からバッテリー発火対策まで--。総合メーカー、コーコスが売っているのは「安全」の二文字だ。
大好評の保冷剤ベスト
|
「とにかく冷やします!」
|
|
これが奥の手“仕込みペルチェ”だ! 遮熱仕様の「G-2039」シリーズ 高い遮熱性を持つ裏アルミコーティング仕様のファン付きウェア。空調風神服やコーコスのデバイスを取り付けられる。ファン位置は背もたれなどに干渉しにくい「脇腹」。草刈り機のベルトを通すホール付きで、農作業や庭仕事にも重宝しそう。 |
|
|
ファン+ペルチェで万全の備えを! フルハーネス対応「G-4039」シリーズ 炎天下の屋外や直射日光にさらされる高所作業で活躍する遮熱仕様のファン付きウェア。フルハーネスの着用に対応しているほか、ヘルメット対応の大型フードは取り外し可能。さらに右脇には草刈り機用のベルトホール付き。ファン位置は背もたれなどに干渉しにくい「脇腹」。 |
|





