【ディッキーズ】ラヴ・オーバーオール!image_maidoya3
素直に、うれしい——。こんな書き出しができる自分に、いま驚いている。いつからお前は糸井重里になったのか、手帳や腹巻でも売り始める気じゃないだろうな。いや、どこかのアニメスタジオのプロデューサーみたいに書道展でもやるつもりか? という声が頭にこだましているけれど、本当に「うれしい」としか言いようがないのだ。「ディッキーズ」を主語に原稿が書けることが。編集長はとくにアメカジ好きではないけれど、古き良き老舗ブランドであり、質実剛健&ヘビーデューティ、かつ愛嬌も兼ね備えた「ディッキーズ」はやはり魅惑的。リーバイスもカーハートもいいけれど、ディッキーズのあのロゴを目にすると自然と心が踊ってしまう。そんな今の気持ちをコピーにするならこうだ。「気分はもうテキサス!」

ディッキーズ
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このロゴが心を奪う!
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チンストラップで立ち襟も
●「雰囲気」を大切に
 
  取材に応じてくれたのは、営業担当の水村さん。さっそく、作業服ブランドとしての「ディッキーズ」の特徴から教えてもらおう。
 
  「いちばんのポイントは、やはり『アメカジらしさ』です。もちろん作業服なので、耐久性の高い生地やペン差しといった機能はもちろんですが、ぱっと見たときに古き良きアメリカン・ワークウェアの香りを感じる。そんな雰囲気を大事にしています。たとえば現在では動きやすいストレッチ素材のアイテムがほとんどなんですけど、一見するとそんな感じには見えない。スポーツやアスレチック的な印象ではなく、大昔から変わらないタフな綿の作業着に見える。そんな空気感を守っています」
 
  では、どんな人たちがディッキーズのワークウェアを使っているのか。
 
  「こんな作業やあんな業種に向いている、というより好みが大きいですね。売れ方も、圧倒的にユニフォーム納入よりショップ販売。じゃあ、どんな理由で選ばれるのか。ハッキリ言えば、アメカジ的な雰囲気やディッキーズのロゴが気に入るかどうか、です。とくにツナギやオーバーオールはサイズだけでは着用感がわからないので、店頭で試着してから購入するケースが目立ちます。普段、Lサイズの上下ウェアを着ている人が、『本当にLでいいのかな』とお店にやってきて、シルエットや生地の厚み、肩にかかる重さなんかもチェックしてから決める。今時、服の着用感はけっこう表示寸法でわかるのに、ツナギはそうじゃない。ワークウェアの中でもなかなかユニークな分野だな、と思います」
 
  ツナギというと整備工場や酪農、果樹園といったイメージがあるけれど、対象としているようなユーザー像はあるのだろうか。
 
  「整備士のみなさんは、ディッキーズを支えてくれている主力のお客さんですね。たとえば、地方の整備工場が集まっているエリアのお店では、多種多様なツナギをたくさん取り扱っていらっしゃるんですが、ウチがその中で選ばれる1着になれればいいな、と。また、小さな整備工場だと『ヨソとは違うツナギがいい』『個性的なオーバーオールを従業員の制服にしたい』といったニーズもありますし、休日に行楽やキャンプで使えるようなオシャレなツナギを“ついで買い”するケースも多い。だから、工場のユニフォームにも使えるものもあれば、ファッション性の高いアイテムもある、といった幅広い展開を心がけています。その上で最終的には、『ディッキーズのロゴが好き』『このマークが入っている服を着たい』という人に刺さる商品づくりが大事ですね」
 
  ●クラシカルな上下ウェア?
 
  と前置きしたうえで、水村さんが取り出したのは、2タイプの上下ウェア。クラシカルな味わいの「D-7530」シリーズ、高いストレッチ性が特徴の「D-7570」シリーズだ。ツナギやオーバーオールではなく、上下作業服というのは、かなり不意を突かれた印象。ディッキーズらしからぬ……、といった言葉すら出そうになる。
 
  「さっきの話と矛盾するようですけど、ツナギに代表されるディッキーズのアイテムに興味を持っている人の中に、『上下ユニフォームとして使いたい』といった声があるんです。今風のスポーティーな上下作業着じゃなくて、アメカジ風のレトロな味のあるワークウェアを仕事で着てみたい、というか。こんなニーズを反映して、「D-7530」シリーズはミリタリーのアイゼンハワージャケット風、「D-7570」シリーズは伝統的スタイルと最新素材を融合させました。どちらもライトな着心地にストレッチ性など、機能性は現代の作業服で、ルックスは古き良きアメリカン・ワークウェア。そんな路線を目指しています」
 
  両者とも、よくある作業服としっかり差別化されている。とくに、「D-7570」シリーズの第二弾として企画された2026年の新作「D-7530」シリーズは、その意図はより明確だ。古い、というと少し誤解を招きそうだが、つまりは、ハリウッド映画で「回想シーンに登場するパパが着ているジャケット」みたいな印象である。
 
  「D-7570は、軽くてソフトな着心地にバツグンのストレッチ性といった機能性がメインで、今時の作業服をディッキーズらしい見た目にアレンジしました。対してD-7530は、無骨な伝統的ワークウェアを快適に着られるように素材面で工夫した、という感じです。綿98%の厚手ストレッチダック生地なので、ストレッチ性があるのに熱に強い。溶接など、火を使う現場のユニフォームにも採用されています」
 
  立ち襟にできるチンストラップなど、細かいディテールに至るまで、実にクラシカル。使い込むほどに味が出るタフな作業着——。この文句にぐっとくる人は、ぜひチェックしてほしい。
 
  ●仕事にも遊びにも
 
  では続いて、本命のツナギとオーバーオールについても語ってもらおう。売れ筋は、ミリタリーテイストの「D-766 T/Cストレッチ」、カジュアル感のある「D-716 ストレッチヒッコリー」の両シリーズとのこと。それぞれどんな特徴があるのだろう。
 
  「ディッキーズのツナギは出した当初から人気があって、新商品をどんどん出していました。しかし、2024年、25年ごろにピークを迎えたこともあり、品数を絞っていこうという方向性になったんです。つまり、売れる型番だけ残そう、といった流れだったわけですが、この『D-766 T/Cストレッチ』シリーズだけは、ずっと好調で、今やディッキーズの定番と言えるアイテムになっています。アメカジ感は控えめなんですけど、そのぶん整備工場やメンテナンスの現場のユニフォームにも使えて、『迷ったらこれで間違いない』という安心感もあります。軽量ストレッチの生地に加えて、隠しドットボタンなど、メカニック作業での機能性も高評価ですね」
 
  いわば、作業用ツナギの大本命。対して、もう一方の人気シリーズ「D-716 ストレッチヒッコリー」は、対照的なテイストと言えそうだ。
 
  「こちらも2021年の発売からのロングセラーですね。赤や青のヒッコリー生地は、いかにもオールドアメリカンな愛嬌のあるスタイルで、ディッキーズらしいアイコニックな商品です。クラシカルな綿のツナギに見えて、しっかりストレッチするし、ツールポケットやハンマーループもあるのでワーキングでの機能性も高い。そして、汚れも目立たない。あと、さきほどのD-766と違うのは、オシャレ着として買い求める人が多いことですね。クルマやバイクなどの趣味用、行楽やドライブなどのレジャー用に欲しがる人がけっこういるんです。この点でも、やっぱりディッキーズは特別というか、ワーキングから遊びにも使える懐の深さがすごいですよね」
 
  なるほど、言われてみれば「ヒッコリーのツナギでドライブ」なんて、ディッキーズでなければ成立しないだろう。「なんでオーバーオールなの?」という声を封じる力が、このブランドにはある。
 
  ユニフォームからオシャレ着まで、このロゴがあればワンランクUP! そんなディッキーズの魔法に、みんなで酔い痴れようじゃないか。
 
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大人気のヒッコリーツナギ
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「ディッキーズをよろしく!」

    

アメカジの伝統をアップデート! クラシカルな最新ウェア「D-7530」シリーズ

使用感も味になるクラシカルな上下ワークウェア。綿98%にポリウレタンを配合したダック生地は、ナチュラルな風合いに加えてストレッチ性があり、着心地も動きやすさもバツグン。立ち襟にできるチンストラップなど、古き良きワークウェア仕様もグッとくる。


オールドテイストに動きやすさを! ストレッチ仕様の「D-7570」シリーズ

ディッキーズの持ち味を現代流にアップデートした上下ワークウェア。4WAYストレッチの生地は、縦横、斜めの激しい動きに対応し、作業中のストレスもなし。古典的なアメカジのテイストを残しつつ、ユニフォームにも使える品の良さと機能性を実現した。