フィジカル自慢の男がまいど屋にやって来てこう云った。随分と華やかな店構えじゃねえか。今風のインテリアに今風のスタッフ。今風の商品棚に今風のウェアをズラリと並べてある。だが、俺に必要な商品はひとつもねえ。そうじゃねえか?男は長袖のTシャツの下で盛り上がった筋肉を見せびらかすように動かして顎を突き出した。肉体労働者はアスリートだ。そして現場は競技場だ。だから作業着は最高のパフォーマンスを引き出すように作られてなきゃならねえ。少なくとも、俺の機敏な動作を妨げることは許されねえ。そうじゃねえか?なるほど、とまいど屋は云った。ここには筋肉オタクがグラウンドで跳ね回るための服はない。ジャージが欲しいなら、アルペンにでも行ったらどうだ?男の首筋が充血して大きく膨らんだ。Tシャツの丸首の縁が固くなった肉にめり込んで引き裂かれそうになっていた。男は拳を握り締めたが、思い直したように腕をだらりと下げ、それから唇の端を勢いよく上に引っ張り上げた。ひどく歪んではいたが、それは彼なりの笑顔に違いなかった。そうか、ここは接客も今風ってわけだ、と男は云った。頬にはやはり意志の力による笑い皺が刻まれていた。この男の体はそれがどんな部分であっても、強い力をかけなければ動かないようにできているようだった。言っておくが、俺が探しているのはジャージじゃねえんだ、作業着なんだよ、と男は云った。現場じゃスポーツウェアでなく、作業着を着る。それが決まりだ。わかるか?わかるよ、とまいど屋は云った。ならば作業着を買えばいい。ここには作業着が売るほどある。どれでも好きなものを持って行けばいい。まいど屋が商品棚を示すと、男は悲しそうに首を振った。俺の話を聞いてねえのかな、と男は云った。仕事中はアスリートと同じように俊敏に動かなきゃならねえんだ。だから作業着は今着ているTシャツみたいに身体の一部になってもらわなけりゃ困るんだ。どうしたらいい?それならニットを着ればいい、とまいど屋は云った。Tシャツどころかポロシャツですら禁止なんだよ、ウチの会社は、と男は云った。ニット素材で作った作業着がある、とまいど屋は云った。バエ系のスリムフィットでありながら、思い通りに体が動く。想像以上に身体に馴染む。ニット特有の優れたストレッチ性と柔らかな着用感で作業効率を爆上げする新感覚ワークギア。胸の縦型ファスナーポケットは野帳がすっぽり入る大型タイプ。両脇、肩に雑菌の増殖を抑え、イヤなニオイを防ぐ消臭テープ付き。ココロに響く。身体の求めを満たしてくれる。カジュアルベーシックな衣を纏っても、実力は本格派。スタイルを意識する全てのひとに捧げる、Z-DRAGONシリーズ商品。*SS、Sサイズは女性のボディーラインを美しく見せるレディースシルエット仕様です。
■ メーカー:自重堂
■ 型番:73900


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