何かが間違ってる!世界は狂ってる!この商品には、現代社会の病理が余すところなく詰まってる!誰が何と言おうと、まいど屋は徹底的に抵抗するぜ。全ての人間を敵に回すことになっても、たとえ最後のひとりになったとしても、人としてのあるべき姿を曲げることはできないんだ。太古の昔から、地上には四季があった。夏になれば暑くなり、俺たちは汗をかくのが当たり前だった。汗をかけばベタベタしてくる。そして体が臭くなる。それが自然の摂理だ。だからこそ、先人たちは不可避であるそんな体臭を、男らしさの象徴として、逆に賛美の対象にするような工夫すらしてきたんじゃないか。昭和の時代の映画のヒロインが汗で湿った男のシャツに頬を摺り寄せれば、それは激しい情熱の表現として成り立っていた。彼女がうっりとしとした表情を浮かべれば、観客はヒロインがクライマックスに向け、いよいよ発情したことを暗黙の内に悟るのがお決まりだった。男臭さは称賛の言葉だった。それは検証する必要のない約束事であり、異議を唱えてはならない神話だった。ストーリーは社会で広く共有され、それによって世の中は平和に保たれていた。汗の匂いが悪であるなどとは想像することすらできず、誰もが安心して、もっと言えば競うようにして汗をかきまくり、思い思いに自分の臭いを周囲に発散させることができたんだ。もしもこのウェアがあの時代にあったなら、人びとは怪訝な顔で着用者の真意を測りかねることになっただろう。警察犬をまくために準備をしている犯罪者か、女性を寄せ付けたくない求道者か。全面的、徹底的な完全消臭。半永久的に効果が持続する消臭糸を使い、四大悪臭の元であるアンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールを全て分解する念の入れよう。それは一体何のためだ?肌に触れるとヒンヤリ冷たい接触冷感機能まで備え、そもそも汗をかくことすら防いでいる。炎天下にもかかわらず、ドライでサラサラなボディー。新陳代謝ができなくなっている体調不良者みたいに湿り気を欠いた肌。何か、邪まな企みでもあるんじゃないか?それが現代ではヒット商品なんだという。現代人は何を目指している?そしてどこに向かおうとしている?どう考えても不自然じゃないか、夏場に超快適なコンプレッションウェアなんて。スタイルを極め、タフに働く男が似合う人気のJawinシリーズ商品。
■ メーカー:自重堂
■ 型番:56184
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