月刊まいど屋 --特集-- 2010年10月号[丸五]1ページ

「今回のコレクションは、これまでになく個性的なアイテムが揃ったと思いますよ。ユーザーの反応が楽しみです」。ズラリと並ぶサンプル商品を前に、インタビュー中、何度も繰り返された言葉。今度の新商品はかなり自信があるらしい。取材に応じてくれたのは、業務企画課課長の大谷さん、商品開発課の橋本さんと大橋さんの３名。「商品コンセプトの輪郭がよりハッキリし、使用目的が明確なアイテムばかりをリリースしています」（大谷さん）。
例えば、通気孔を大胆にとった717マンダムセーフティー。商品を手にとりながら、橋本さんはこう説明する。「安全靴利用者にアンケート調査してみると、足ムレの不満がかなり上位にくるんです。先芯に穴をあけたり、甲皮にメッシュ素材を採用してみたりとこれまでも通気性には十分気を配ってきたのですが、それでも納得いただけないことがある。それなら思い切ってベンチレーションの面積を大きく取ってみようかと。デザイン的にも面白いものができました」。
カカトを踏んだまま作業ができる気軽さがウリの商品もある。「『踏めるくん』です。これまで、ヒモなしのスリップオンタイプ（型番：810クレオスプラス）でかなり好評をいただいていたアイテムに、よりフィット感に優れたヒモ付きタイプを追加しました。室内に上がることが多い内装関係のお客さまに是非、試していただきたい。脱ぎ履きするとき、いちいち靴紐を結び直す手間もないから、きっと手放せなくなると思いますよ」（大橋さん）。
エッジの立ったコンセプト新商品はまだまだある。その中でも、今回、最も力の入っているのは『ウルトラソール』を採用したシリーズだろう。もともと、鳶職用のシューズに強いマルゴだから、同社のシューズの防滑性能には定評がある。新シリーズはそのグリップ力を極限まで高めようという試みだという。「今回開発した『ウルトラソール』は、仕事現場でスムースに作業を行えるように、全方位への防滑性能を高めています。通常のグリップ力の強化に加え、横滑りにも圧倒的に強いんです。加えて、性能の持続性という点でも優れています。例えどんなに強力な防滑性能があっても、それがすぐに失われてしまったら意味がありません。性能をいかに長持ちさせるか。あれこれ試行錯誤を繰り返しながら、ソールの形状に改良を加えていきました。特に頭を悩ませたのが、油カスがソールの溝に詰まってしまうことをいかに抑えるかということ。防滑性能は、ソールの隙間が生命線です。サンプルをつくってはテストを繰り返し、目詰まりの恐れを徹底的に軽減しました」（大谷さん）。
納得できる商品でなければ世には出さないと言い切る丸五が満を持して発表した『ウルトラソール』シリーズ。楽しみなブランドがまた一つ増えた。