桟によって四角く切り取られた静謐な世界に、規則的に並ぶ細い竹や葦。その向こうに見えるのは、ガラス戸を通して見るそれよりも、格段に生き生きとした庭の緑。いくつもの細長い隙間から差し込む景色が、ひときわ色濃く、色鮮やかに、目に映るのはなぜだろう。それでいて、ほんの1枚の簾を隔てただけなのに、降り注ぐ強い日差しは、まるで遠い風景のよう。喧噪までもが掻き消され、蝉の声だけが、この世ではないどこか異次元から聞こえてくるようだ。薄暗い部屋の、ひんやりした畳の上から見る、簾越しの夏の風景。日本人なら、田舎の畳に寝っ転がったことがない人でも、こんな原風景を心のどこかに持っている。
今回、取材に伺ったのは、簾をはめこんだ建具「簾戸(すど)」の製作を手掛けている高橋建具製作所。もともと、そんなに需要が多い建具ではなかったが、新聞に掲載されたことで、今は東京や神奈川など都市部からの引き合いが沢山きているという。「人工素材ばかりのマンションの部屋に簾戸が1枚あると、心が安らぐようです」と語るのは、ここに勤務されている五十嵐郁子さん。彼女とまいど屋とのお付き合いは、1着の作業着から始まり、もうかれこれ2年近くになる。簾戸の魅力を伺いながら、五十嵐さんの仕事に「今ではなくてはならない」という作業着について、詳しくお話を聞いてきた。
今回、取材に伺ったのは、簾をはめこんだ建具「簾戸(すど)」の製作を手掛けている高橋建具製作所。もともと、そんなに需要が多い建具ではなかったが、新聞に掲載されたことで、今は東京や神奈川など都市部からの引き合いが沢山きているという。「人工素材ばかりのマンションの部屋に簾戸が1枚あると、心が安らぐようです」と語るのは、ここに勤務されている五十嵐郁子さん。彼女とまいど屋とのお付き合いは、1着の作業着から始まり、もうかれこれ2年近くになる。簾戸の魅力を伺いながら、五十嵐さんの仕事に「今ではなくてはならない」という作業着について、詳しくお話を聞いてきた。
高橋建具製作所
胸元に社名と名前の入った作業着は、今や名刺代わり
透かし模様も全て手作業。人の手のぬくもりに満ちた簾戸
「簾戸って道具として実用的で役に立つだけではなくて、住んでる人の心が豊かになるところがあると思うんですよ」。簾戸について、そう熱っぽく語る五十嵐さんは、この会社に入って13年。ちなみに簾戸とは、木枠に萩、葦、竹ひごなどの自然素材をはめこんだ、日本に伝わる伝統的な建具。夏の強い日差しを遮り、風を通し、空間を心地よく快適にしてくれる。
「3年目くらいのときに『見込みがないからやめろ』と言われてしまって。職人さんの仕事って、すごく細かくて、器用じゃないとできない。だけど私、おおざっぱなんです(笑)」。それでも、営業でもなんでもいいから、やらせてくれと頼みこみ、この仕事をやめなかった。理由は、「建具が好きだから」。「簾戸を入れたお客様が、『簾戸を入れてから部屋を散らかさなくなった』とか『人を呼びたくなった』と言ってくださるんです。そういうのが嬉しいですね」。今では職人の手仕事を学ぶ傍ら、自社のホームページの運営や、営業、図面を引く仕事などを担当している。
注文は地元ばかりではなく、ホームページを通じて全国各地から入ってくる。簾戸を入れるとなると、さぞかし大きな家にお住まいの方が多いのだろうと思いきや、「いいえ、それが違うんです。東京のマンションにお住まいの方が多いんです。子どものころに、どこかで簾戸を見たことがあり、『マンションにも、アレを入れたい』と、ずっと作っているところを探していた、という方が結構多いですよ」。簾戸を間仕切りに使うと、向こうまで透けて見えるので、家が広く感じられる。満員電車でギュウギュウに押されて帰ってきて、家の中に自然素材で作られた簾戸があるのを見て、とてもホッとするというお客様が多いのだそうだ。
そういえば、最近、こんなことがありました、といって五十嵐さんが、あるエピソードを話してくれた。「マンションの一部を、簾戸で区切っていらっしゃるお客様が、その部屋で簾戸を眺めながら一杯飲みたいから、自分のための一人用ちゃぶ台を作ってくれ、とおっしゃるんです」。建具屋さんにちゃぶ台の注文ですか? 思わず聞き返すと、「私たちは建具屋ですが、建具という“モノ”を売っているわけではなく、建具を通じて、お客様の日々の暮らしが気持ちの良いものになるという“コト”を売っていると考えています。だから、そういったリクエストにもどんどん応えていきたいと思っています」。
楽しそうに語る五十嵐さんの話を聞いているうちに、建具の世界についつい引き込まれてしまったが、おっと、今日は作業着の取材だった!遅ればせながら、五十嵐さんがどんなときに作業着を着るのか、ということからお話を伺ってみる。「現場に行くときです。最初は普段着で行ってたんですけど、そうするとそこにいる職人さんや大工さんが相手にしてくれないんです」。
それで作業着を着ていくことにした。「最初は近くのホームセンターなんかで購入していたんですが、作業着に社名や自分の名前が入っていると、会社の宣伝にもなるし、現場で施主さんに名前を覚えてもらいやすい。それで、名前が入れられる作業着をインターネットで検索して、まいど屋さんを見つけました。まいど屋さんには、レディースのカテゴリがあって、商品も結構オシャレだったんです」。
そんな五十嵐さんが身につけているのは、バートルのシルバー色の作業着(型番:6071)。黒いジッパーがキリッと映えて、とてもよくお似合いだ。「確か『スッキリして見える』というクチコミを見て、これにしました(笑)。まいど屋さんは説明も細かいので、商品の特徴がよく分かります。名入れの字体や大きさなどもいろいろ指定できたりするし。こんな親切なサイトはなかなかないんじゃないでしょうか」。直接お褒めの言葉をいただいて照れる筆者を前に、五十嵐さんは続ける。「簾戸と同じで、お客さまは細かいところまで見ていますから、これからも気を抜かずに頑張ってくださいね」。
ちなみにこの作業着で気に入っているところを伺うと、アイロン要らずでシワにならないところと、乾きが早いところだそうだ。また、厚手でしっかりしているので、ちゃんとしたところに着ていけるのもお気に入りだとか。「たとえばホテルなんかでセミナーがあるときに着ていっても、サマになるところがいいですね」。
ホテルでセミナーを受けるときも、これですか?「そうです、どこに行くにも、これを着ていきます。会社の名前と自分の名前が入っているわけですから、看板を背負っているという感じで背筋が伸びますね。この作業着はもう自分の右腕みたいな存在。なくてはならないものです」。
ポケットがいっぱい付いているところも重宝しているそうだ。「携帯とかメモとか、仕事用の計算式が書いてある秘密の計算機とか(笑)。現場に持っていかなきゃいけない必需品が結構いろいろあるんです。作業着を着ていなかった頃は忘れ物が多かったんですが、これを着るようになってからは、そういうこともなくなりました」。
今では、簾戸を作れる建具屋は、数えるほどしかないという。こんな日本の伝統を支える現場でも、まいど屋で買っていただいた作業着が活躍していると思うと、こちらの気も引き締まる。まいど屋の運営って、こういう志の高い人たちをたくさん、たくさんサポートすることなんだ。そんな当たり前のことに改めて気づかせてくれた今回のインタビュー。レポートの最後に製造業で特に人気の高いウェアを集めてみたので、是非、チェックしてみてほしい。五十嵐さんのように、皆さんが自分の片腕となるような一着に出会えたとしたら、まいど屋もますます励みになる。
●高橋建具製作所
〒9570007
新潟県新発田市小舟町1-15-5
TEL.:0254-22-6450
FAX.:0254-22-7096
http://www.kimajime.co.jp
「3年目くらいのときに『見込みがないからやめろ』と言われてしまって。職人さんの仕事って、すごく細かくて、器用じゃないとできない。だけど私、おおざっぱなんです(笑)」。それでも、営業でもなんでもいいから、やらせてくれと頼みこみ、この仕事をやめなかった。理由は、「建具が好きだから」。「簾戸を入れたお客様が、『簾戸を入れてから部屋を散らかさなくなった』とか『人を呼びたくなった』と言ってくださるんです。そういうのが嬉しいですね」。今では職人の手仕事を学ぶ傍ら、自社のホームページの運営や、営業、図面を引く仕事などを担当している。
注文は地元ばかりではなく、ホームページを通じて全国各地から入ってくる。簾戸を入れるとなると、さぞかし大きな家にお住まいの方が多いのだろうと思いきや、「いいえ、それが違うんです。東京のマンションにお住まいの方が多いんです。子どものころに、どこかで簾戸を見たことがあり、『マンションにも、アレを入れたい』と、ずっと作っているところを探していた、という方が結構多いですよ」。簾戸を間仕切りに使うと、向こうまで透けて見えるので、家が広く感じられる。満員電車でギュウギュウに押されて帰ってきて、家の中に自然素材で作られた簾戸があるのを見て、とてもホッとするというお客様が多いのだそうだ。
そういえば、最近、こんなことがありました、といって五十嵐さんが、あるエピソードを話してくれた。「マンションの一部を、簾戸で区切っていらっしゃるお客様が、その部屋で簾戸を眺めながら一杯飲みたいから、自分のための一人用ちゃぶ台を作ってくれ、とおっしゃるんです」。建具屋さんにちゃぶ台の注文ですか? 思わず聞き返すと、「私たちは建具屋ですが、建具という“モノ”を売っているわけではなく、建具を通じて、お客様の日々の暮らしが気持ちの良いものになるという“コト”を売っていると考えています。だから、そういったリクエストにもどんどん応えていきたいと思っています」。
楽しそうに語る五十嵐さんの話を聞いているうちに、建具の世界についつい引き込まれてしまったが、おっと、今日は作業着の取材だった!遅ればせながら、五十嵐さんがどんなときに作業着を着るのか、ということからお話を伺ってみる。「現場に行くときです。最初は普段着で行ってたんですけど、そうするとそこにいる職人さんや大工さんが相手にしてくれないんです」。
それで作業着を着ていくことにした。「最初は近くのホームセンターなんかで購入していたんですが、作業着に社名や自分の名前が入っていると、会社の宣伝にもなるし、現場で施主さんに名前を覚えてもらいやすい。それで、名前が入れられる作業着をインターネットで検索して、まいど屋さんを見つけました。まいど屋さんには、レディースのカテゴリがあって、商品も結構オシャレだったんです」。
そんな五十嵐さんが身につけているのは、バートルのシルバー色の作業着(型番:6071)。黒いジッパーがキリッと映えて、とてもよくお似合いだ。「確か『スッキリして見える』というクチコミを見て、これにしました(笑)。まいど屋さんは説明も細かいので、商品の特徴がよく分かります。名入れの字体や大きさなどもいろいろ指定できたりするし。こんな親切なサイトはなかなかないんじゃないでしょうか」。直接お褒めの言葉をいただいて照れる筆者を前に、五十嵐さんは続ける。「簾戸と同じで、お客さまは細かいところまで見ていますから、これからも気を抜かずに頑張ってくださいね」。
ちなみにこの作業着で気に入っているところを伺うと、アイロン要らずでシワにならないところと、乾きが早いところだそうだ。また、厚手でしっかりしているので、ちゃんとしたところに着ていけるのもお気に入りだとか。「たとえばホテルなんかでセミナーがあるときに着ていっても、サマになるところがいいですね」。
ホテルでセミナーを受けるときも、これですか?「そうです、どこに行くにも、これを着ていきます。会社の名前と自分の名前が入っているわけですから、看板を背負っているという感じで背筋が伸びますね。この作業着はもう自分の右腕みたいな存在。なくてはならないものです」。
ポケットがいっぱい付いているところも重宝しているそうだ。「携帯とかメモとか、仕事用の計算式が書いてある秘密の計算機とか(笑)。現場に持っていかなきゃいけない必需品が結構いろいろあるんです。作業着を着ていなかった頃は忘れ物が多かったんですが、これを着るようになってからは、そういうこともなくなりました」。
今では、簾戸を作れる建具屋は、数えるほどしかないという。こんな日本の伝統を支える現場でも、まいど屋で買っていただいた作業着が活躍していると思うと、こちらの気も引き締まる。まいど屋の運営って、こういう志の高い人たちをたくさん、たくさんサポートすることなんだ。そんな当たり前のことに改めて気づかせてくれた今回のインタビュー。レポートの最後に製造業で特に人気の高いウェアを集めてみたので、是非、チェックしてみてほしい。五十嵐さんのように、皆さんが自分の片腕となるような一着に出会えたとしたら、まいど屋もますます励みになる。
●高橋建具製作所
〒9570007
新潟県新発田市小舟町1-15-5
TEL.:0254-22-6450
FAX.:0254-22-7096
http://www.kimajime.co.jp
最近建具のワークショップも始めた高橋社長と五十嵐さん
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