【特集3】まいどノマスク活用法!image_maidoya3
ついに完成した「まいどノマスク」。ヤマメンの高い技術力のおかげで形状やフィット感には文句なし。口元の熱もこもらないから真夏でも付け心地は快適そのもの。さらに注目すべきは、まいど屋の企画力が結集されたハイセンスなデザインだろう。正面にあしらわれたイラストはコロナ禍でも笑顔を絶やさず働こうという前向きなメッセージと、この不寛容な時代にもヒューマニズムを貫くという覚悟を表している。そして右下部にある「JUST DO NOT DO IT」の文字は、パンデミックを収束させるためのもっとも実効性のある心得である「自粛」の誓い。――と、このように機能性に加えて崇高な思想が込められたマスクだが、実際に使われなければ意味がない。まずは通勤や通学時のエチケットとして、あるいは商談や面接での必須アイテムとして、そして作業現場やオフィスのスタッフの口元を装うユニフォームへ。少し考えただけでも、さまざまな場面で活用できそうだ。しかし、日本社会ではマスクといえば無地が当たり前、まだまだ「ガラもの」を身に着けるのは心理的な抵抗があるかもしれない。「まいどノマスクを使ってみたいが、少々気取り過ぎではないか」「好感を持たれるのはいいけれど一方的な思いを募らせられないか少し心配……」「冠婚葬祭など、特別な日の気品あふれる装いとして使ってみたい」といったユーザーの声に応えて編集部は調査を開始した。

特集3
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ついに完成した「まいどノマスク」
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さっそくリモート会議で着用してみる
●通勤で「まいどノマスク」
 
  日常生活でマスクが必要なシチュエーションといえば、まずは電車やバスだろう。というわけで、朝の混雑した時間帯を選んで電車の中で使ってみることにした。足早に会社や学校に向かう人々に「まいどノマスク」で癒しと元気を与える。それを皮切りとして、地域を活性化するとともに一億総活躍社会をすみやかに実現し、経済をV字回復させつつ、グローバル社会をリードするIT・科学技術先進国として、日本の名を世界に馳せようというプランである。
 
  最寄り駅のホームに着くと、さっそくポケットから「まいどノマスク」を取り出して装着する。すると、さっそく純白のブラウスの胸元にサングラスをひっかけたグラマラスな女性が話しかけてきた。
 
  「そのマスク素敵ね、どこで買ったの?」
 
  「ああ、これですか。いやぁそんな大げさなもんじゃないんですが……」
 
  「あら、つれないのね。じゃあテキーラの向こうに沈む夕日を眺めながら、イチから説明してもらおうかしら?」
 
  ……残念ながら、このような展開は起こらなかった。ホームで「まいどノマスク」を付けたとき、一瞬こっちを見たのは中高生の一部。それもチラリと見たかと思うとすぐ下を向いてスマホをいじり出す始末だ。きっとLINEグループに「駅にクソカッコいいマスクの人いる。マジ神」とメッセージを送っていると想像するが、こちらにそれを確かめる術はない。
 
  そのまま通勤客でいっぱいの快速電車に乗り込む。コロナ禍の前だったら文庫本も読めないほどのラッシュ時間だが、ここ大阪でもテレワークが普及してきているのか、軽く手を広げられるくらいの余裕がある。「まいどノマスク」への反応をチェックすべく今度は大人にターゲットを絞ってあちこちを見回してみた。
 
  ところが、みんな一瞥もくれないのだった。目の前の女性はイヤホンをしてひたすらスマホのパズルゲームに興じているから、おそらくここに人間が立っていることくらいしか認識していないだろう。男か女か、何歳くらいか、どんなファッションをしているかといった他者への関心など、通勤中の人々は毛の先ほども持ち合わせていない。このような事実を目の当たりにして、今さらだが衝撃を受けた。
 
  これじゃあ、どんなマスクを着けていようとまったく関係がない……。「都会の無関心」という壁に早くも心が折れそうになってきた。
 
  ●会食で「まいどノマスク」
 
  大阪駅に着いた編集長は、そのままあるミーティングに向かった。駆け出しのライターやフリーランス志望者が集う情報交換会である。じつはひと月ほど前にオンラインで行ったライティングの講義が好評だったので、「実際に会って名刺交換やご挨拶ができれば」と招かれたのだった。
 
  すでに参加者が揃っているのを確認して、レンタル会議室のドアを開ける。もちろん「まいどノマスク」を着けたままで。
 
  「あ、どうも、こちらへどうぞ」
 
  広告代理店の営業をしているという30歳前後の男性が、奥の席に案内してくれた。テーブルの横を通り過ぎていくと、ほかの参加者にも会釈していく。席について「こんにちは~」と明るくあいさつして、まずは自己紹介と世間話が始まった。話題の中心はもちろんコロナがそれぞれの仕事に与えた影響である。「マスクしたままミーティングなんて窮屈ですよね」と、この会を主催してくれた女性が言う。
 
  きたッ! マスクの話だ!
 
  ところが、「そのマスクは?」という一言がどこからも出てこない……。みんな緊急事態宣言中に手縫いマスクを作ったとか、女性陣はかわいいマスクを探しているといった話をしているにもかかわらず、「まいどノマスク」には誰もいっさい触れようとしないのだ。
 
  おかしい……。ランチも兼ねているので、会議室にはサンドイッチなどのケータリングが並んでいる。少しごちそうになってから、あえてゆっくりした動作で再び「まいどノマスク」を装着する。向かいの席にいる30代契約社員の女性は、周囲を巻き込んでさっきからずっと彼氏の愚痴を言っている。そんなことより前を見ろ!
 
  その後もマスクを着けたまま相手の目をじっと見てみたり、わざとらしく外したり着けたりしてみても、「まいどノマスク」への反応はまったく出てこない。なぜだ? なぜノーリアクションなんだ?
 
  「ところで俺のマスクを見てくれ。こいつをどう思う?」
 
  と、堂々と口にしたい衝動に駆られる。しかし、それではFacebookで「いいね!」のリクエストを送るようなものだ。それに「ああ、さっきからステキだと思ってました」という社交辞令を聞いたとして、いったい何になるというのか。
 
  結局、解散するまでマスクに触れられることはなかった……。
 
  ●街中で「まいどノマスク」
 
  やり場のないモヤモヤを抱えたまま、ひとり街を歩いた。布マスクとして涼しさはトップクラスの「まいどノマスク」だが、さすがに炎天下では熱がこもってくる。通りがかったドトールで休憩することにした。
 
  カウンターに並んで、さぁ注文――というときマスクを外したままだったことに気づいた。感染リスクを負う接客業の人々への配慮しなければ! あわててポケットから取り出した「まいどノマスク」を装着する。
 
  「ご注文はお決まり……でしょうか?」
 
  ほんの一瞬ではあるが、マスク姿の店員の目が笑うのを編集長は見逃さなかった。こ、これだ……! ついに念願のリアクションを得た。ひょっとして、今までは使い方を間違っていたのかもしれない。「まいどノマスク」はいわば"不意打ち"で着けて見せることで効果を発揮できるのではないか?
 
  仮説を立てたらさっそく実証実験だ。スマホのZOOM会議(ビデオ通話)に後輩のT君を呼び出し、しばらくコロナ禍での近況など話したあと、おもむろに「まいどノマスク」を付けてみる。
 
  「ちょwww、それなんすかwwwwww」
 
  「ああこれ? 取引先にもらったんだ。君にもあげようか?」
 
  「いりませんよぉ。僕が付けたらすぐ職質されますwww」
 
  「まあまあ、これから暑くなるし使ってみてよ」
 
  「うーん……、混雑した駅なんかで便利かもですねぇ。みんな避けて歩いてくれそうでwww」
 
  この経験を通じて、「まいどノマスク」はその場で着けて見せるのがいちばん効果的であることがわかった。さらに、このテクニックはビデオ通話でも使える。初対面のメンバーだらけのリモート会議でも、自然な流れで着用すれば一気にアイスブレイクとなるだろう。コロナで一気に広がったオンラインの就職面接や授業の場面でも、「まいどノマスク」によってコミュニケーションが活性化するに違いない。またオンラインに限らず、上司から「あとでちょっと来い」と言われたときなどにも重宝しそうだ。
 
  結論として、一日中「まいどノマスク」を使ってみた感想を語るなら、次のひとことになる。
 
  サティスファクション……!
 
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マスク熱中症は、もはや社会的課題
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作業服との相性はバツグン!

    

コロナとの日常に何気ない明るさを!

陽気に幸運平らげる、ベロンちょマークのまいどノマスク。コロナ蔓延る暗い世情を、明るく生き抜く意思表示。十重二十重の検品越えて、ムシやカビとは無縁のマスク。一戸に二枚と言わず、一人に二枚。目指すは国民総所有。