【トキワ】基本を極めたプロフェッショナル仕様image_maidoya3
老舗である。創業は1930年。以来、レインスーツの製造一筋に少しずつ信頼を積み重ねてきた。今では全国のワークショップで欠かせない存在だ。息の長いロングセラー商品が多いのも、堅実なモノづくりをしているから。同社の看板商品である「レインボーメッシュ」は、発売後20年を経過し、今なお、売れ筋商品であり続ける。
 そんな同社の真摯で堅実な姿勢は、新商品の開発にもあらわれる。営業マンが取扱店をこまめに回り、ユーザーの声を丹念に拾い上げていく。集めた情報は時間をかけてコンセプト化し、新商品を世に送り出す。例えば、数年前に発売された現場用レインスーツ。作業用として現場で使用されるレインスーツは、上着よりもパンツの消耗が特に激しい。一度商品を買ったユーザーが、しばらくするとズボンだけ売ってくれと販売店に行ってくることが多かった。そこでスペアパンツを1本余分に付けて商品化したのが、「ツインズ」だ。
 新商品の数が少ないという業界内の風評も、逆にいえばそんな真摯なモノづくりの裏返し。文句を言いながらも取り扱いを続ける販売店が多いのも、出てきた商品の良さをよくわかっているからだろう。今回はトキワの東京本社を訪ね、同社商品の魅力についてお話を聞いてきた。

トキワ
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レインバイザーとレインスーツのカップリング。本当に実用的です。
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丁寧で誠意溢れる説明をしていただいた、常務の中根氏(右)と営業部荻原氏。
 防水布と言われる時代から一貫してレインコートを作り続けて来たトキワ。「オールマイティーという言葉は今の時代では通用しません。建設業、デリバリーなど、マーケットごとにジャンルを細分化し、担当を設けて、リサーチを重ねています。『トキワの商品にして良かった』と言われたい。その一心で日々、商品開発に取り組んでいます」(営業取締役、中根宏さん)。
   「当社の『レインボーメッシュ』など、この手の商品でもっと安い商品もあります。品質を落とせば簡単にできるんです。素材をポリエステルに変えたり、190本のタフタを160本に変えたり。しかし、私共はかたくなに190本ナイロンタフタという強度の強いものを守っております。強度などは使ってみないと分からない部分。見た目には分からないでしょう。価格優先になると、クオリティは低下する。しかしご満足いただけるものを供給するのであれば、大変であっても守り抜くべき部分はあるはずです」。
   逆に「ツインズ」の時はユーザーの事情を考慮し、生産工場を減らす事で、価格を抑えたという。トキワならではの誠実さが現れたエピソードだ。夏の現場は蒸れるので、半袖半ズボンを作ってほしいという依頼もあった。そこで考えたのが「ファミネット アジャスター」のロールアップ形式。ワンタッチで簡単にまくれる。「消費者の方が何に困っているかと考え、創意工夫をして供給させていただいています」。一流のホスピタリティにも通じる製品開発の発想法。これがトキワの真骨頂かも知れない。
   「業種によってお困りの部分は違いますよね。それに応えていくのが我々の基本です。そこからブレる事はありません。それがうちの伝統ですから」。
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会社の歴史と風格、誠実さを感じさせてくれる本社直轄営業部入り口。
 

    

1982ファミネット アジャスター

レインコートでは珍しく、ロールアップして半袖対応ができる。ズボンもワンタッチで裾の長さを最大12センチ調節可能。ワーカー、デリバリー関係にお勧め。


1214ファミネット ツインズ

ナイロンにポリウレタン素材をコーティング加工。軽く動きやすい。スペアズボン付。首と一緒に可動するローリングフードはデリバリー関係などにも嬉しい。