【弘進ゴム】強さの秘密は門外不出のゴム配合image_maidoya3
産業資材から長靴などの身近な商品に至るまで、ゴム・ビニール製品の製造を幅広く手掛ける弘進ゴム。その中でも一般の読者になじみがあるのは、カラーブーツなどの長靴類だろう。一見同じように見えるゴム長靴でも、実はゴムの配合によって性能が全く違う。ゴムのスペシャリストが製造する商品は、耐久性で圧倒的な差があり、多くのユーザーの信頼を獲得してきた。
 さらに、インナーに使う吸汗メリヤスを高機能化した「ドライナー」シリーズや、耐久性をそのままに軽量化に成功した「ライト」シリーズ、ニオイを抑える抗菌機能をプラスした商品など、その他の技術面でも一歩先を行く。また、仕事以外の一般ユーザーのファンも多いカラーブーツは、高いデザイン性の証明でもある。
 実用性、機能性、デザイン性。どこをとっても死角がない。この梅雨、まいど屋一番のオススメメーカーである。今回は同社の仙台本社を訪ね、そんな完成度の高い商品を作り続ける工場を取材させてもらうことにした。

弘進ゴム
image_maidoya4
エントランスに飾られる上質なブーツ。棚上段には楽天で使用される弘進のレイングッズ。
image_maidoya5
熱く楽しく、ゴム長靴について語っていただいた西井社長(左)と加藤次長(左)。
 創業は昭和10年。最初からゴム長靴を製作していた。「当時大手のゴム会社の仙台工場長が創業者で、後に独立したんです。以来ゴム靴がうちのメイン。工業用資材も始めたのは昭和20年代です」。戦後の復興期、既に同社は全国の市場を狙うべく、業容を拡大していく。「最初の営業所が福岡なんですよ。九州地区のゴム産業が大きかったので、早く拠点を持たないと将来九州の地盤が作れないと創業者が思ったのかもしれません。普通、仙台なら東京に行きそうなものですけど(笑)」(取締役社長、西井英正さん)。
   この創業者から代々引き継がれている、「陽気にチャレンジしていく姿勢」が弘進の持ち味。実際、技術陣が製品化予定外の物まで作り、いい意味で遊んでいたりする。何か仕事を超えた楽しさが感じられるのである。「もともと創業者は現場の人だったから技術力は長けていて、それは今も引き継がれています。最初は『2倍高くて3倍得する』というキャッチフレーズを使っていて、未だに期待されます。他社製品が1ヶ月で壊れるとしたら、うちは2ヶ月持たないとクレームです(笑)」。それだけ品質に対する信頼感の歴史があるのだ。「耐久性はうち独自のゴムの配合のノウハウがあり、常に研究し続けています。素材開発で8人。デザイン・機能開発で10人以上。価格帯に合わせて配合も変わってきます。価格にもその理由がある訳です」。商品開発にもかなりの自信があるようだ。特に配合に関しては圧倒的なノウハウの蓄積を感じさせてくれる。「社内でも屈曲率テストをやりますが、どういう配合にすればどうなるというのは大体分かっているんです。今一番ウリなのは超軽量ブーツ。比重が0、98。つまり水に浮かぶ。これも配合なんです。やはり技術的にはパイオニア的な自負があります」。技術スペシャリストの血を引き継ぎながら、商品に対するこだわりを徹底的に持ち続ける。弘進の明るさは圧倒的な力を感じさせてくれた。
image_maidoya6
水に浮く超軽量ゴム長靴。ここまで軽くても本当にゴムです。
 

    

ドライナー紳士 型底

吸汗裏をつけ吸湿性に優れたドライナー・シリーズ。通常の32センチ丈のスタンダードな長靴。


ドライナー防雪紳士半長

吸汗裏をつけ吸湿性に優れたドライナー・シリーズ。防雪機能の為、異物が入らないよう履き口にゴム製カバーが付いているスタンダードな長靴。