その男は、どんな現場でも決して座ろうとはしなかった。自分の出番でないときも、カメラが回っていないときでも、じっと真っ直ぐ立ったまま、腰かけることを頑なに拒否していた。男はそうしたストイックな姿勢を貫くことで、周囲からの尊敬を集めていた。ただ同時に、彼ほどの大御所が突っ立っていることで、現場には暇なときでも座ることをはばかるような空気が生まれてしまい、ときには一部のスタッフが彼を疎ましがることもあった。あるとき、そうしたエピソードに興味を覚えた雑誌のインタビュアーが、どうして座らないのか本人に直接尋ねたことがある。不器用ですから、と男は云った。自分、不器用で椅子には座れませんから。インタビュアーがさらに突っ込んで質問してきても、男ははにかんだ笑顔を浮かべながら不器用だと繰り返すばかりで、その理由はついに明かされることはなかった。困ったインタビュアーは彼とのやり取りを諦め、男をよく知る人間から新たな証言を得てようやく記事を完成させた。友人の話によると、男はクルマを運転するときでさえ、立ったままだという。中腰のままスクワット状態でハンドルを握り、警官が注意をしても、自分は不器用ですからと言ってそのまま走り去ってしまうのだという。その姿勢でどうやってアクセルとブレーキを踏むのか、その点は謎として残る、と記事には書かれている。そしてそんな曲芸めいた操作は、不器用どころか名人級の器用さではないかと、男を揶揄するような言葉で結ばれている。それはゴシップ好きの読者にとって、確かに興味深い書きぶりではあった。ただ、その記事には結局、肝心の男の真意について全く言及がなかったという点において、そしてそれがその記事の唯一の主題であったという点において、明らかに失敗していた。男はどうしていつも立っていたのだろう?もしも男が生きているときに、このウェアがあったなら。深く腰掛けてもシートがファンに干渉しない。ドライバーや重機のオペレーターに最適、ファン位置を通常ポジションから横にずらした、サイドファンタイプの空調ベスト。軽くてしなやかなポリエステル素材。ココロに響く。身体の求めを満たしてくれる。カジュアルベーシックな衣を纏っても、実力は本格派。スタイルを意識する全てのひとに捧げる、Z-DRAGONシリーズ商品。*ELサイズ以上を着用される場合は「ロングケーブル」をご使用ください。*電動ファンと電源は別売りです。別売りの電動ファンと電源は「関連商品」欄をご覧ください。*空調服は(株)セフト研究所・(株)空調服の特許および技術を使用しております。*DIRECT COOLINGロゴは(株)セフト研究所・(株)空調服の登録商標です。
■ メーカー:自重堂
■ 型番:74270
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