完璧を求めることで有名な映画監督が、海辺でラストシーンを撮っていた。その日は朝から晴天だった。強い夏の日差しが降り注ぎ、海面はその光を受けてキラキラと輝いていた。これなら無事にクランクアップするはずだ。スタッフの誰もがそう楽観していたのも無理はない。だが、撮影は予想以上に難航してしまったのだ。誤算の一つ目は、主演俳優が汗かきで、その顔面の脂のテカリが収まらないことだった。アップで大写しされた彼の額は、常にうっすらと被膜のようなものに覆われていた。時にはパチンコ玉大ほどにもなった大粒の汗が、眉間まで滑り落ちることもあった。そしてさらに監督が気に入らなかったのは、海風が少しも吹かない凪の状態だったことだ。美しい過去を回想している主人公の髪は、そよ風に吹かれていなければならない。髪の毛の細かな動きが、彼の心の揺れを表現するはずだからだ。だがそんな監督の構想を嘲笑うように、俳優の前髪は額にベットリと貼りついて微動だにしなかったのである。カット!監督は何度も撮影を止め、スタッフたちに問題の解決を求めた。彼らは大きなうちわを用意し、画面に入らない俳優の腰付近から数人がかりで扇ぎ続けてみたが、状況は改善しなかった。カット、カット、カアアアット!関係者はその日限りで撮影現場を離れなければならない主演俳優のスケジュールと、妥協を許さない監督の性格の板挟みにあって焦燥を募らせた。そして夕方近くになると、ただ一人を除いて、その場にいた全員が絶望し始めていた。最後まで希望を捨てなかったのは、監督本人である。お前らは物の道理を知らないか、と彼はスタッフたちに怒鳴った。お前らは暑苦しさをしのぐときに、うちわで胴体を扇ぐのか?暑いときは首上に風を送るもんだ。そうすりゃ、人間はたちまち暑さを感じなくなる。要するに、目的を達成しようとするなら、最も効果の高いポイントを集中的に攻めるのが鉄則なのだ。その他の部分は余力があるときに手を出せばいい。そんな余分な努力は大した成果を生み出さないが、それでも他に何もしないよりはマシだと考えるときだけ、気休めの意味でやってみる。わかったか!その怒声が間一髪で映画を救った。完成した映画の感動的なラストシーンの中で、主演の俳優はこの空調ウェアを着用していた。ウェアは夕焼けに映え、シックなカモフラ柄は未来への希望を暗示していた。俳優の顔からは汗が引き、栗色に染められた髪の毛先は軽やかに、そして涼しげに揺れ動いていた。そう、監督は完璧な表現者であると同時に、完璧な理論家でもあったのである。通常は腰部にあるファン位置を肩甲骨付近まで上げ、涼風を脇下と首周りに集中的に送りこむ、ハイバック仕様の新型空調ギア。太陽光を跳ね返し、ウェア内温度をマイナス10度も引き下げる遮熱モデル。撥水性とUVカット性に優れた高密度タフタ素材。フルハーネス対応型。フードは着脱可能なリムーバブル式。胸に野帳がすっぽり入る大型ポケット。背中裏には保冷剤用のメッシュポケット付き。ココロに響く。身体の求めを満たしてくれる。カジュアルベーシックな衣を纏っても、実力は本格派。スタイルを意識する全てのひとに捧げる、Z-DRAGONシリーズ商品。*電動ファンと電源は別売りです。別売りの電動ファンと電源は、「関連商品」欄をご覧ください。*ELサイズ以上を着用される場合は、「ロングケーブル」をご使用ください。*空調服は(株)セフト研究所・(株)空調服の特許および技術を使用しております。*DIRECT COOLINGロゴは(株)セフト研究所・(株)空調服の登録商標です。
■ メーカー:自重堂
■ 型番:74410


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