【バートル】電熱機装サーモクラフトimage_maidoya3
バートルといえばファン付き作業着「エアークラフト」だろう。今年の夏も建設現場から街中、公園、レジャースポットまで、ありとあらゆる場所でコイツを目にした。GW明け以降は老いも若きもエアクラ&男も女もエアクラで、もはや「国民服」と呼べるレベル。少なくとも筆者はもう、だれがエアクラ着用で登場しても驚かない。芸能人だろうが皇族だろうが。ただ、ここで疑問が浮かぶ。「夏が終わったあとのエアクラはどうなっているのか?」である。ファン付きのままクローゼットに、あるいはデバイスを外して箱に、といったかたちだと思うけど、それってほぼ「死蔵」じゃないだろうか。あの優秀なバッテリーを来年の夏まで眠らせておくなんてもったいない。なにか季節に適した使い道があるのでは? 今回のレポートは、そんなコスト意識の高い貴方に贈るバートル独自の防寒システム、および冬季のバッテリー活用のススメである。

バートル
image_maidoya4
フルハーネス対応の新作アウター
image_maidoya5
背中からランヤードを取り出せる
●軽防寒+電熱=重防寒
 
  「バートルといえばエアークラフト、と思うかもしれませんけど、すごくユニフォームも大切にしているんです。メニューに例えると白いごはんみたいなもので、それあってのカレーや丼って感じでしょうか。ファン付きウェアや防寒アウターを支えているのも、じつは定番感のあるユニフォームなんですよ」
 
  こう語るのは企画チームの岡田さん。そう、バートルといえば「制服」より個人の好みで選ぶ「カジュアル作業着」のイメージが強いけれど、じつは近年、ユニフォームの分野で存在感を高めているのだ。
 
  「工場やゼネコンとかいった大企業じゃなくて、主に少人数の事業所ですね。たとえば工務店のみんなで、楽しみながらイマドキのワークウェアを選んでもらう、というイメージです。バートルの服は『いかにも会社のユニフォーム』といった印象ではないけれど、胸に刺繍を入れれば、ちゃんと制服らしく見える。そんなラインを狙っています。たとえ仕事着であってもアパレル本来の選ぶ楽しさや着る喜びを感じてほしいし、仕事が終わったあともお気に入りの服で街を歩いてもらえればいいな、と。そして、制服カッコいいね、と言ってもらったり、結果としてリクルートにつながったりしたら最高ですね」
 
  では、そんな“白ごはん”のお供になる防寒ウェアを紹介してもらおう。
 
  「バートルの防寒ラインアップの特徴は、電熱パッド『サーモクラフト』込みの展開です。ウェア単体では、あまり寒くないときに着る『軽防寒』というカテゴリに入るのですが、サーモクラフトを装着すると、本格的な寒さでも使える『重防寒』になる。たとえば、新作の中綿入りアウターは、すべて背中に電熱パッドを取り付けられる仕様になっています。各アイテムをいちいち『これはバッテリーを使う電熱ウェアです』とアピールしないのは、普通の軽防寒アウターとして使ってもらってもいいから、というわけです」
 
  少し補足しておこう。バートルは電熱パッド「サーモクラフト」を2020年から販売している。他社では電熱線を内蔵したベストなどが多いけれど、サーモクラフトは発熱体をアウターの内側(背中)に取り付ける「外付け方式」。そして、バッテリーは「エアークラフト」と共通となっている。つまり、夏場にファンを回すのに使ったバッテリーが冬に再登板するわけである。
 
  それにしても「すべてのアウターに電熱パッドは付くが、べつに付けなくてもいい」というのは、非常にバートルらしい。というか、とってもクールな気がする。
 
  ●フルハーネスに対応
 
  というわけで今回の目玉から見ていこう。一番手は防寒アウター「5040シリーズ」。中綿入りで暖かそうだが、前述したようにサーモクラフトの電熱パッドを取り付けることで、最強クラスの防寒アイテムに変身する。
 
  「表面にはヌバックと呼ばれる皮革っぽい素材を使っています。エアークラフトでおなじみの長袖・ベストの2タイプ展開ですが、新機軸と言えるのがフルハーネス対応ですね。これまで『ハーネスがズレちゃうから』と中綿の入ったアウターを避けていた人でも着用できるよう、ハーネスの上から着られる構造を取り入れました」
 
  そう言って岡田さんはウェアを裏返す--と、背面部分にどこかで見たようなものが出てきた。穴である。こっ、これはエアークラフトにも付いているアレでは?
 
  「そう、背中にランヤードを通せるようになっています。寒さを感じたときは、ハーネスの上からこのアウターを着てもらおう、と。これなら高所でも心配なく快適に動けますよね。もちろんハーネスを使わないときは、ランヤード取出口は目立たなくなるし、両肩のハーネスフックハンガーも中に隠せる。こうすると高所用といった雰囲気は完全になくなって、ワークウェア風のアウターって感じですね」
 
  この穴は何かを差し込まない限り閉じたままなので、冷気や風が入ってくる心配はない。そして、繰り返しになるがサーモクラフトの電熱パッドも装着できるため、
 
  1:中綿入り防寒アウター
  2:フルハーネス対応アウター
  3:中綿&電熱の防寒アウター
 
  といった3パターンの活用ができるわけだ。ただし、電熱パッドを取り付けるとランヤード取付口は塞がってしまうから、このアイテムだけでは「フルハーネスの上から着る電熱アウター」といった使い方は不可能。高所作業のときだけ電熱パッドを外すとか、休憩や通勤時にパッドを付けるといったふうにシーン別の運用を考える必要がありそうだ。
 
  ●夢のインナー電熱?
 
  さて、続いて紹介してもらうのは、同じく長袖・ベスト2タイプ展開の防寒アウター「3220シリーズ」。こちらは肩のハンガーなどもないスッキリとしたデザインで、よりカジュアルワーク向けと言える。
 
  「パッと見では普通の軽防寒といった感じですが、作業性にこだわったアウターです。肩から腕にかけて、伸縮性の高い別素材を組み合わせているので、腕が動かしやすい。ソデが中綿でモコモコすると曲げ伸ばしのときに気になったり、手を突っ込むのに困ったりといった人に使ってほしいですね。腕の部分は薄手に見えるけれど3層ボンディングの防風ニットなので、保温性もじゅうぶんです」
 
  特徴がわかったところで、気になるのがネーミングである。なぜ「ヒーターベスト」「ヒーターフーディー」と、電熱パッドの装着が前提のようなニュアンスなのか。
 
  「こちらもサーモクラフトを使わなくてもいいんです。ただ、中綿も少なくてあまり防寒って感じじゃないので、電熱パッドと組み合せるのがオススメですよ、と。あとは『電熱パッドを導入したいけど、どのウェアを買えばいいの?』というお客さんもいらっしゃるので、『バートルの電熱アウターといえばこのモデルです』みたいな意味を込めました。『どのアウターにも付けられますよ』じゃあみんな困っちゃうと思うので(笑)」
 
  さらに岡田さんは「あと、こういうのを使うとさらに暖かく……」と新作商品を取り出した。ダウン・フェザー・ポリエステルのハイブリッド中綿を使ったインナーベスト「3254」である。タウンユースからオフィスまであらゆるシーンで活用できそうな、ワーキング色ゼロな防寒アイテムだ。
 
  「上から羽織ってもいいし、薄手のクルーネックだからジャケットの中にも着られる。小さくまとめて収納袋で持ち歩けるし、さらに、ダウンなのに洗濯機で丸洗いできます。ひとことで言って、めちゃくちゃ便利! ……ただ、ワーキングな雰囲気がまったくしないという点で、うちとしてはなかなかチャレンジングな商品ですね。あ、もちろんこれもサーモクラフト対応ですよ」
 
  具体的な運用法を考えてみよう。
 
  まず肌寒い季節に持ち歩く。次にジャケットのインナーとして着る。もっと寒くなったら「3220」なんかの軽防寒アウターの中に着込む。今朝は冷えるな、と思ったらサーモクラフトの電熱パッドを装着してほかほかモード。高所作業のときは「5040」と組み合わせることで、なんと「電熱&フルハーネス」の最終形態に!
 
  まいど屋レポートの格調を失うかもしれないが、これだけは言わせてほしい。……夢がひろがりんぐ!
 
image_maidoya6
腕の動かしやすさにも配慮
image_maidoya7
「冬はBURTLEで間違いなし!」

    

わが背中に秘策あり! フルハーネス対応アウター「5040シリーズ」

フルハーネス対応の中綿入り防寒アウター。背面の穴からランヤードを取り出すことで、冬の高所でも暖かく作業ができる。素材は皮革をイメージしたヌバック仕様。ダブルジッパーなので腰袋も問題なし。電熱パッド「サーモクラフト」対応。ファン付きウェア「エアークラフト」のバッテリーを転用できる。


インもアウトも攻めまくれ! 万能防寒「3254」ダウンベスト

ワークシーンに限らずタウンユースやオフィスでも活用できる薄手のインナーベスト。化繊とダウン、フェザーを組み合わせたハイブリッド中綿なので、洗濯機で丸洗い可能。スタッフバック付きで携帯もできる。電熱パッド「サーモクラフト」対応のため、インナー電熱ベストとしての活用も。