【□丸五】「進化し続けるパイオニアの挑戦」image_maidoya3
安全スニーカーブームの先駆けとなった『マジカルセーフティー』シリーズの登場からはや10年。今も定番として支持され、愛され続けるその存在は、今日の全ての安全スニーカーの源流を築いた一足であるとも言える。
 同商品が生みだされるきっかけとは、いったい何だったのだろうか。その答を探り出し、丸五の信念と考えを聞くことで、安全スニーカーの「これから」が見えてくる。
 

□丸五
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大正5年に創業し、当初は地下足袋の生産を主に手がけていたという丸五。そんな同社から1998年4月に発売された、スニーカータイプの安全靴『マジカルセーフティー』は、あっという間に市場へと広まっていくこととなる。今までなかった、つまり時代の先を捉えた商品を発売できたキッカケを尋ねてみると、自信にあふれた口調でこう返ってきた。
  「当時は消費者の要望に応える安全靴を目指した商品がほとんどなく、当社が『マジカルセーフティー』の販売を開始するまでは、安全靴=皮製のイメージからまだまだ脱却できていませんでした。それはつまり、ユーザーの意見を取り込めていなかったということです。実際に現場での様子を見て、話を聞いてみた結果、安全性が求められることは確かなのですが、もっと足なじみのよい靴のほうが仕事がしやすいとのことでした。そこで、安全靴を足なじみの良いスニーカーにしたらどうかと、自然な流れで企画は生まれていったのです。そしてニーズにマッチングし、その結果爆発的に売れました」
  数々の商品がずらりと並ぶ会議室で、社員4名にインタビューへ臨んでいただいた。いま注目を集めている商品は何かを質問すると、女性社員の大﨑 あゆみさんが靴を手に取り話を聞かせてくれた。なんでも、女性用安全スニーカーが登場したということなのだ。
  「雇用機会均等法により、働く女性のシェアが増えています。そんな中で、軽さとシンプルさを重視した女性用の安全スニーカーを考案しました。いかに軽さと性能の両立を図るかで頭を抱えましたが、ソールをパーツ式とすることで課題がクリアできました」シンプルな外観を保つために、部品を重ねるのではなく、パンチングやステッチでアクセントをつけたデザインも彼女ともう一人の女性社員で手がけたそうで、靴を眺めるその笑顔には充足感が溢れていた。
  他にも、横滑りに強い屋根での作業用シューズや、引越し作業など脱ぎ履きの多い現場向きのかかとが踏めるシューズなどが並んでおり、同社の商品にはシーンに特化したものが多く面白い。「いつ働くか、どんな環境で働くか、そのシーンを狙って機能を整えた商品を作っていく」という力強い言葉に秘められた想いこそが、同社が先見性をもった商品を手がけていくことのできる理由に違いない。
 
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マンダムセーフティー#775

穴あき先芯採用で、通気性を改善した安全スニーカー。通気性の良いナイロンメッシュ素材・接地面より衝撃を緩和するE.V.Aミッドソールを使用。


プロガード万年7、10、12枚

軽量樹脂製先芯入り。底縫付けタイプで底が薄く、素足感覚に優れているのが特徴。