【□おたふく手袋】「高品質と低価格は両立するか」image_maidoya3
高品質、低価格の安全靴『J-WORK』シリーズを展開し、ユーザーから高い評価を受けているおたふく手袋。社名が示す通り、手袋専門として創業を開始した同社が生産する手袋には、つけ心地のよさと、しっかりとした耐久性が見事に共存。品質に対する飽くなき追及心は、老舗ならではの技術の高さに裏打ちされている。
 製品の信頼性と価格の絶妙なバランスはいかにして実現されているのか、会社としての経営手法も覗きながら話を聞いてみたいと思う。
 

□おたふく手袋
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人柄の良さでも知られる曽根取締役
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『我社の商品は・・・』、熱く語る曽根取締役
「創業当初は、もともと軍手の製造をやっていました。その時は和歌山の下津町に会社があり、社名もまだ大洋手袋でしたね。1925年に創業を開始して、今年で83年目になります。昭和31年に大阪に移転しました。軍手の生産は、もともとは内職産業だったのです。ひとつひとつ手づくりで仕上げていました。
  その当時に日本で生産したブランドは、今も日本で作っているんですよ」と、取締役貿易部長の曽根 良雄さんが話を切り始めてくれた。海外での生産が当たり前になっている現在、今も日本で生産したブランドを大切にしているという同社の商品に対するコダワリに興味を惹かれた。
  インタビュー中、テーブルにあった一対の軍手をはめてみると、「全然違うと思いませんか。今は市場の95%が輸入品に頼っていますが、用途に合わせてオンデマンドで生産する商品はやはり日本で生産したものになりますね。例えば火を使う仕事で使用する場合、100%綿でないと繊維がやられてしまいます。いま手に付けていただいている商品も、日本産で綿100%(原糸はパキスタン製)のものです。あと、軍手は工事作業等の用途だけと思われがちですが、安全・衛生面が重視される作業に使用されることもあり、そういった面においても日本製が重宝されています。日本製の良さは、安心感と長年の慣れによる技術の高さが挙げられます。当社はそこにこだわり続けてきました」と、柔らかな口調。
  4年前から安全靴や帽子などの取り扱いを始めた同社では、品質第一を前提に、海外生産にも取り組み始めた。「今まではメーカーしか生産できなかったものが、海外工場の技術の進歩により開発できるようになった。海外生産といっても、品質は日本製と大差がなくなってきている。『J-WORK』シリーズは、高品質・低価格が好評で、市場に受け入れられています。生産コストを抑えながら、もっと需要に応えられる商品を作っていきたい。ただ、日本製と同等の品質だけは維持していく。価格と品質をバランスさせながら安心していただける商品を作っていくことが重要だと思っています」ということだ。
  海外生産でも高い品質が評価されている『J-WORK』シリーズ。それは、日本製にこだわり続けてきた同社の、品質に対する思い入れがあったからこそ生まれたのだろう。
  古くから持っている知識を全社的なものにしていきたいという曽根さん。品質についてくれているファンのため、これからも同社の全力前進の姿勢は続いていきそうだ。
 
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手袋は用途に応じて、こんなにも種類があります
 

    

JW-730カラーブーツ

ゴム製のカラーブーツ。通常より履き口を広くし、着脱しやすいのが魅力。


JW-740安全カラーブーツ

はき口を広くしたゴムカラーブーツで、つま先に鋼芯を入れた安全タイプ。JIS L級相当の安全性能を誇る。