寅壱から販売店に配布された製品プロフィールには、驚くべき文言が記載されていた。米国連邦航空管理規定適合の難燃性ファスナー採用。なぜ現場のワーカーが、飛行機乗りの基準に則ったウェアを着用しなければならないのか。トップガンと職人には何か隠された共通性があるのか。それともいつか日本の若者がグリーンカードを手に入れ、アメリカ空軍に入隊する日が来ると読んだのか。あるいはただ単にスペック自慢をしたかっただけなのか。そうした趣意説明は一切省かれ、どうだとばかりに唐突に、そして多少のためらいを見せつつもやはり得意気に、その旨宣言してきたのである。そう、彼らは高揚していたが、同時に多少の逡巡があったのは間違いない。それが証拠に、その航空管理規定云々という話は、ユーザーに渡る公式カタログでは一切触れられていない。要するに、自らは直接語らずに、その広報の役割を販売店に求めてきたのである。このまいど屋に、どうだ凄いだろ、と皆さまの前で大声を上げるように強要してきたのである。いやでございます。まいど屋は他人の振り付けに従うのが死ぬほど苦手なのでございます。だからここでまいど屋ははっきりと申し上げる。火花が散る程度の溶接作業では、そのようなファスナーはいささかオーバースペック気味であると。火や油を扱うことが前提の綿100%防寒着だからといって、そこまでの配慮は必要ないのではないかと。防寒着本体の完成度が高かっただけに、本当に残念なことをしたものだなと。パイロットも納得の保温力を備えた本格派。中綿入り、ブラックアルミ仕様。内衿は肌当たりソフトで暖かなブロックフリース。左前に大容量の内ポケット。裏地に寅壱オリジナルのプリント柄。肘には腕の曲げ伸ばしをスムースにサポートするダーツ付き。
■ メーカー:寅壱
■ 型番:2801
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