都会の頂を目指す、全てのワーカーに告ぐ!時代は変わった。今や、ハーネスをしていても防寒できる!ビルの外壁につかまっていても、身体がホッコリ温まる!なぜ山に登るのか。素人のそんな素朴な質問に、そこに山があるからだ、と登山家は言う。全国のハードワーカー諸君ならさしずめ、そこに建設現場があるからだ、と答えるだろう。この真冬に、なぜ寒風吹きすさぶ高所にわざわざ上っていくのか。諸君は肩をすくめて言い足すかもしれない。何も好き好んで上空でぶるぶる震えているわけじゃないんだ。クライマーを突き動かしてるのは奴らのパッションだが、俺たちを空に向かわせるのは、月末の給料とヨメの世間体だ、と。もちろん、諸君にも仕事に対する情熱はあるだろう。だが、それをもってしても、地上とは比べ物にならないあの寒さが、どれほどの強さで諸君の志をへし折ってきたかも、まいど屋はよく知っている。現場でのハーネス着用が義務化されている今、これまで買い揃えてきた防寒服を剥ぎ取られ、丸裸で途方に暮れている諸君の心情はいかばかりのものか。そして弱り目に祟り目とばかりに、新たな防寒着を売りつけられようとするときの被害感情はどのくらい強いのか。察するに余りあるよ。それでもまいど屋は、諸君に宣告しなくてはならない。諸君に選択肢はない。寒さに我慢ができないのなら、行き場のない怒りを一旦脇に押しやって、このハーネス対応モデルを新調しなければならない。左脇ポケットには高所でのモノの落下を防ぐファスナー付き。ボディーは寒風を完全ブロックするナイロンタッサー。もちろん、ハードワークでガンガン酷使できる堅牢性を備えてる。まいど屋は願っている。いつか、冷たくなってしまった諸君の心が徐々に溶け、まいど屋に向けられた恨みも少しずつ薄まっていくことを。そして本当に悪いのはコイツを諸君に押し売りしたまいど屋ではなく、法律を改正してハーネス着用を義務付けた厚生労働省だと諸君が理解してくれることを。申し訳ないが、今は辛抱してくれ。いつか分かってくれる日が来るから。