最近は真冬でも防寒着の売れ行きが芳しくない、というのが業界の一致した見方である。一昔前のような重防寒はおろか、軽防寒でさえもそれほどパッとせず、メーカーや販売店の倉庫には、出番のない冬物衣料が、行く当てもなく積み上げられたままなのである。なぜそうなってしまったのか。一番の理由は、毎年繰り返される暖冬の影響だろう。日本の冬は今や、屋外活動に以前のような重装備を要求しなくなった。そこそこは寒いが、どうにかやり過ごせるレベルの気温に収まってしまった。そこへ来て、性能の高い防寒インナーが驚くほどのスピードで普及し始めた。こういう条件が整えば、現場のワーカーたちが後は風さえ凌げれば何とかなると判断したとしても、それは客観的に見て当然であり、決して驚くべきことではないのだろう。もしも驚いてしまったとしたら、それこそが驚きなのだろう。しかしながら、その驚くべきでない現象に心底驚いてしまい、驚きのあまり呆然としていたのが、まいど屋を含むこの業界だったのである。相当に値が張り、なおかつかさばってスペースを食いつぶす商品がピクリとも動かないのを目の当たりにし、業界は驚いた。当てにしていた売り上げが丸々消失した決算書を見て、我々は再び驚いた。そうやって驚き疲れた果てに何かがおかしいことにようやく思い当り、ハタと気付いて防寒着ではない防寒ギアをこうして提供し始めたところなのである。北風を完全シャットアウトして寒さをしのぐ、ボンディング加工のハイブリッド防風ギア。軽作業であれば十分役に立つ軽ストレッチモデル。裏メッシュ仕立て。着用疲れのない軽量性もベリーグッド。
■ メーカー:寅壱
■ 型番:3560


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