数あるストレッチデニムの中から、なぜこのモデルを選ばなきゃいけない、とあなたはきっと問うだろう。そしてそうした類の問いの裏には必ず潜んでいる、もっともらしく聞こえる理由さえあれば、迷わず購入しようというややフライング気味の決意を隠そうともせず、まいど屋の答えを待っていることだろう。おあいにくさま。大変申し訳ないのだが、まいど屋はあなたの期待に応えられそうにない。まいど屋だって、あなたと同じように、どうしてこのモデルを販売しなくちゃいけないのか、いまだにはっきりとした考えを持てずにいるんだ。まいど屋の画面にはすでに、自分でも覚えきれないくらいのストレッチデニムがラインナップしている。それでも後から後から追加されて、今じゃ収拾がつかなくなりかけている。まいど屋が知っているのは、この新商品が日本中の現場ワーカーの期待を裏切ったことがない、あの現場服シリーズから満を持してリリースされた初めてのデニムギアであるということだけだ。そしてもうひとつ、名の知られたブランドが出してくるフラグシップ的モデルは、それが後発である場合、ほぼすべての場合において、メーカーの威信をかけた完成度を持って市場に投入されるという経験則だけだ。肌に触れるとヒンヤリ冷たい接触冷感の心地よさ。ブラスト加工とバイオ加工を駆使して表現した味わいのある顔立ち。やや細身のタイトシルエットでも、皆さんの想像を遙かに超えるストレッチレベルのおかげで作業性は申し分ない、とメーカーは自信ありげにまいど屋に伝えてくる。期待が持てる、と妥協したあなたは言いだすかもしれない。それに対して、まいど屋は何もコメントしない。たとえあなたが気休め程度の意味しか持たない、美しい言葉を望んでいることがわかっていたとしても、それに応じてセールストークを並べ立ててみるつもりもない。膨大な数のデニムの波が押し寄せてきて、まいど屋は本当にわからなくなってしまったんだ。多分、いい結果が出ると思う、くらいのアドヴァイスはしてもいいのだが。
■ メーカー:ジーベック
■ 型番:2815
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