目の詰まったしっかりした素材感にラギッドで重厚感のあるデザインを兼ね備えた上質な格上げワーク。メーカーの公式カタログには、まるで古代遺跡で発見されたようなメッセージが記されている。干からびた粘土板の代わりに美しい光沢紙に印刷されたその謎掛けは、一般人による安易な推測を断固拒否し、ごく限られた人間だけによって正確に解読されることを辛抱強く待っている様子なのだ。ラギッドで重厚感のあるデザイン。それを字義通りに解釈すれば、武骨で洗練されていないデザインが、何かの原因でいっそう重苦しく見えるさまを指す。要するに、もっさりとしてイケてないということだ。では、上質な格上げワークなる文言が、前文と対比するように置かれているのはなぜか。それを考察する前に、まいど屋は格上げというワードに注目してみたい。格上げという語が使われているのは、暗黙のうちに格下の存在を前提としているからである。そして文脈から判断すれば、格下とは次に続くワーク、つまりワークウェアを仕事着にしている我々ワーカーのことに他ならない。だとすれば、書き手のメッセージはこうだ。取るに足らない存在の君たちをワンランク上に引き上げてやるには、この程度の荒削りな作業着で十分である。だんだん謎が解けてきた。彼らがなぜ暗号のような文章でこのウェアをプレゼンテーションしたのか、それは直截的に書くには、刺激が強すぎる内容だったからである。肉厚の綿リッチ素材に優れたストレッチ性能をプラスした実用ギア。スラリとしたシルエットで着映え感のあるスリムスタイル。着れば着るほど身体に馴染んでいくから、仕事着を育てていく楽しみもある。そう、これくらいのメリットがあれば、君たちにとっては上質ではないか。特にハードワークを専門とするガテンなワーカー諸君には。