メーカーから送られてきたタレこみ写真には、二人の男が映っている。ひとりはパリッとしたネクタイ姿で、眉間にシワを寄せながら何かを睨みつけている。ネクタイの後ろにはサングラスをかけたもうひとりの男がいる。彼はまるで拳銃を構えるようにドリルを右手に持ち、半身の姿勢で狙いをつけているように見える。場所は、恐らく横浜の倉庫街だろう。そしてその二人組は、私の記憶違いでないならば、多分、タカとユージだ。なぜ、令和になったこの現代に、彼らが再び現れたんだろう?そしてメーカーがその事実をまいど屋に密告した理由は、一体何なのだろう?ただひとつわかっているのは、彼らが登場した以上、これから派手なアクションシーンが繰り広げられるということだ。シックなスーツスタイルで所狭しと飛び跳ね、走り回り、きっちり45分後には事件を解決するあの痛快な物語が、再び始まるということだ。それでもあなたは興奮する世間から距離を置き、昔みたいな機敏な動きができるのか、と問うかもしれない。冷静に考えれば、とあなたは訊く。肉体の衰えは隠せない。そこをどう補うつもりなのか?関係ないね、とユージが云う。俺たちには、コーコスが開発した、このフォーマルワークスがある。その名の通り、極めてフォーマルで美しいシルエットの裏に、驚くべき作業性を隠し持つスペシャルギア。軽量かつ高耐久。身体の動きにしなやかにフィットする4WAYのスーパーストレッチモデル。悪天候には軽撥水、そして日差しの強い日にはUVカット機能が威力を発揮する、まさに正装スタイルに化けたアクションウェア。それがあるからこそ、俺たちはこの港警察署捜査課に帰ってきたんだ。加齢臭も気にならない、とタカが云う。強力な消臭効果が持続するニオイクリアが俺たちを助けてくれる。オマケに自宅の洗濯機で気軽に洗えてシワにもならないから、いつでも清潔感を維持できる。これなら浅野温子に嫌われずにすむかもしれない。私には、二人のそんな会話が聞こえてくる。そう、本当にあぶない刑事のふたりは帰ってきたんだ。ウソだと思うなら、メーカーのカタログを取り寄せて、商品の着用写真を見てください。
■ メーカー:コーコス信岡
■ 型番:GF-4195
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