昔々のその昔、ある現場に極度に寒がりの職人がいた。職人は山から冷たい北風が吹き降りてくるたびに作業の手を止め、小屋の中で一休みするのが常だった。その年は、例年になく寒波が強く、荒れた天候の日が続いていた。湿った雪が降ることが多く、それが服に浸み込んでから強い風が吹くと体温は急速に失われ、寒さが一層身に堪える。どうにかならないものか。休憩時間を取ることもできないほど仕事が立て込んでしまったある日、恨めしそうに天を見上げながら、職人は毛糸のパンツを着込んで作業を始めた。すると最初は暖かかったが、じきに網目から風が入り込んできて、せっかく温まり始めた体がすぐに冷たくなった。ならば、と職人はヤッケパンツをその上から穿いた。これなら冷気がウェアの内側に侵入してこない。毛糸パンツの内側に溜まる暖かなデッドエアーも、外に漏れ出ることなく体を温め続けてくれる。だが、このアイデアもダメだった。午前中は調子がよかったのだが、午後になってみぞれが降ってくるとヤッケの中に水が浸み込み始め、氷のように冷たくなった湿り気が体を直接冷やし始めたのだ。くそ。職人はさらに雨合羽のズボンを着た。これならどんなに降っても大丈夫だ。みぞれも風もシャットアウトするし、その上、毛糸の温もりが体を快適に守ってくれる。確かにそれは申し分のない防御だった。職人は満足して仕事を再開した。だが今度は、肝心の作業が思うように進まなくなっていた。重ね着をしたために動きが悪くなり、職人はみぞれが吹き付ける現場で立ち尽くすだけになってしまったのだ。どうすりゃいいんだよ。ヤケを起こした職人は重ね着を脱ぎ捨て、そのまま仕事を続けて肺炎にかかり、とうとう死んでしまいましたとさ。仕事ごときで命を失いたくないものの、休憩し過ぎで首になるのも困ると考える現代の職人さんへ。毛糸のパンツ、ヤッケ、そして雨合羽の三枚重ねと同じ効果がある3層ボンディングの防水防風ギア。耐水圧は嵐が来てもへっちゃらの10000mm。ウェア内の湿気を外に逃がして汗冷えを防ぐ透湿モデル。身体の動きにしなやかに寄り添うストレッチ性もベリーグッド。